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実家から届いた小包
毎年2回ぐらい実家の姉に小包を送ってもらう。日本からオランダまでの送料が高いので本当に必要なものだけを依頼する。
今年の5月に送ってもらったものを振り返る。
18歳の時だったか、ブックオフで気になった小説を買って読んだ記憶がある。彼岸先生という小説。この小説のことが無性に気になり、実家の自分の部屋にあるはずだと姉に説明した。
実家が蛤漁師なので、蛤の貝殻を20枚ほど綺麗に洗って送ってもらった。
特に用途がないのだが、無性に蛤が恋しくなった。
地元のうどん屋の出汁パック。
これはヨーロッパでの一人暮らしに大活躍。水に小さなパックを入れて沸騰させ、うどんを突っ込めば地元のうどん屋の味になる。
姉はリクエストされたものに加えて、桑名のたがねを入れてくれた。世界一美味いあられ。
10年以上ぶりに読む彼岸先生がすごく良い。理由もなくフと突然また読みたいと思った自分によくやったと言いたい。この後の人生で大切にしていきたい小説の一つ。
蛤の貝殻を唐突に依頼した自分の変人っぷりに脱帽した。
手にとってみて地元の温かみを感じた。31歳、赤須賀漁港でとれた蛤の貝殻の美を全身で味わう。生まれた時からこれに触れて生きてきたのだ。偶像崇拝は分断を産むとも言われるが、この規模の偶像愛撫に危険性は無いと信じている。