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往復書簡 完成とはただの偶然


お返事ありがとうございます。

どうもこんにちは。
こちらオランダは土曜の朝でございます。
今、人と何かを作る活動を仕事以外では全くやっていなくて、絵を描くのも全くの個人プレーなので、ちょっと寂しいなあと思っているのですけど、この往復書簡がまさに二人で行なっている活動だなあと思うと、これを続けられていることを嬉しく思います。

と、布団の中から書いております。

そちらでは花粉症もないだろうけど、お加減どうですか。

オランダも実は花粉症があって、周りでも症状がある現地の人がちらほらいたりします。
おいらは日本にいた時から花粉症に悩まされたことがないので平気っす。
ただ、今年に入って何に対してもやる気を失っている状態であります。
体調は普通なのですけど、絵も描く頻度がガクンと下がりました。

去年は1日一枚絵を描いていたりしたんだけど今年は3週間に一枚とか。
あかんよね。

何かやらないといけないのに体が動かない。
以前はバリバリ動く活力があったということのギャップからさらに気分が落ち込み、精神を病むという恐ろしいスパイラルにいる。
おいらは常に前進していないと怖いと思ってしまう。
止まっているとそれは周りに置いていかれている。つまり停滞は退化なのだ。
そう言う意味で精神的不健康であります。

言葉でと言うよりも、一緒にゲームをすることで、クリアする喜びとか苛立ちみたいなのを共有していて、そういうゲームを介したコミュニケーションもいいなと思っている。
ゲームのすごさにも気づいた。とんでもない熱量でハマる人がいることも分かる。かなりのめり込める。あんまり子供の頃ゲームにハマらなかったけど久しぶりのゲームは楽しい。

ゲームに関して。
おいらは高校生ぐらいから全くゲームをやらなくなった。
でも1年半前に読んだ本がゲームに対するおいらの考えを変えました。

ゲームはただ現実逃避を可能にするだけの没頭型のテレビだと思ってました。
それをひっくり返され、RPGゲームは物語を体験するものでもあると言うことに初めて教えられた。
つまり本で小説を読むのとゲームでストーリーをクリアするということは似た体験である。しかもRPGゲームでは登場キャラクターを操作できる。
ゲームは小説よりも進化した体験ができるというもの。
誰かと一緒に対戦ゲームをして盛り上がるのもスポーツを共にして盛り上がるのも同じような体験なのだ。
良いコミュニケーションだと思う。


全然話が変わるが、ひとつ教えて欲しいことが。絵を完成とするのってどういうタイミングなんだろう?作品って絶対的な正解がないし、この日までに完成させないといけないって締め切りがないものもあると思う。そうなると、どこをもって完成にするのかなぁと。そして完成した時にどういう気持ちになるんだろうか?とかそういうことが知りたいなと思った。

絵の完成を決めるのはおいらなんですよね。まさにご指摘の通り、絶対的な正解がなければ完成のゴールもないんです。
いつまでも一つの作品に執着するのは可能で、完成をどこにするかしないかは自分次第。だからこそ自分にもわからない。
でもおいらの場合は、これ以上何かを加えると逆に質が下がると判断した時点で完成とする。
でも2ヶ月ぐらいたってまた何か描き足したりする。
まさに今月すごく良い例が起きたので紹介します。

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これは去年の5月に描いた絵で、一旦完成したんですよ。それを11月に日本の実家に宛てて郵送した荷物に入れたんですけど、それが4ヶ月経っても届かない。
もうなくなってしまったのかなと思いきやなんと今年4月になってオランダの自宅に帰ってきました。

この絵を久しぶりに見て描き足したくなって描いたのがこちら。

スクリーンショット 2021-04-17 10.59.04

全体的に色味を整えたのと、白シャツと蝶ネクタイを描き足した。
約一年前に完成したはずの絵も、久しぶりに見た瞬間に未完作品となり、再び完成しました。
いつ完成と決めるか問題には永遠と答えが出るものでもないと思うと言わせて下さい。そして偶然が決めるものでもある。

ただ、一旦完成したと決めても、改善の余地があるならば未完に戻す。
そう言う柔軟な感覚を今現在持てていることには満足しています。

あと、この前載せていた春の絵がとても好きだなと思った。俺の心に浮かぶ春ととてもリンクしている。このnoteの扉絵にしたいなぁと思ったんだけど、それをどう思うかは分からないので、もしOKならnoteにも作品を挙げていくといいんじゃないかなぁと思った。

このコメントは嬉しいです。ありがとう。おいらの絵には全く著作権などないので使いたいと思った時には迷いなく使っていただきたい。

最後に、次の返信では今までで一番影響を受けた曲は何ですか?

これは難しい質問だ。。。
思い入れのある曲はたくさんある。でも一番影響を与えたのはなんだろうか。
間違いなくONE OK ROCKは高校生の時から今現在にかけて最も影響を与えている。高校時代に聴いてハッとさせられ、今もその感覚を持ち続けているのは彼らの努努と言う曲かな。

高校1年の時に初めて聴いて、それまでは周りに流されて、惰性で生きてた。人に笑われない行動をいちいち選んで生きてた。
そんなつまらなくて惨めな生活を覆されたのがこの一曲。

夢は逃げないよ勘違いしてるんじゃない?逃げるのは自分自身。

これを言われてグウの音も出ないし、夢は夢だと笑う奴がいたら俺らがそいつらを笑い飛ばしてやるとまで言ってくれた。
それからおいらは確実に変わって、能動的に動くようになったし、自分の成し遂げたいものに恥を感じることもなくった。その結果ここオランダにいるのかもしれない。
ONE OK ROCKというバンドは1stアルバムの時からずーっと夢を応援する気持ちがぶれていない。背中を押すだけじゃなくて、彼らがついていると言う安心感も与えてくれる。
ということでこの一曲を選びました。


オランダ現在4月後半。まだ冬のような寒さです。
春遠し。

オススメのワインありがとう。オレンジワインをまた飲みたくなったよ。
最も影響を与えた本を三冊教えて下さい。


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