怖い上司にも萎縮せずに話せる!詰められたときは「会話のズレ」を解消しよう!
今回はこんなご質問をいただきました!
Q.「自分の中ではちゃんと話しているのですが、『どう考えたらそうなるの?』と言われて、イライラされることがあります。『なんで?』と何回か気かれて詰められることもあります。そうなると萎縮して話せなくなります。相手に伝わるように説明するために、注意すべきことはありますでしょうか?」
「どう考えたらそうなるの?」
「なんで?なんで?なんで?」
そう上司に言われて、話せなくなる…
というお問合せでした。
「なんでそうなるんだ!」「だからどうなったらそうなるわけ?」
とガンガン来られたら、意見が言いにくくなるのも当然ですね。
本当は言いたいことがあるのに言えないのはもったいないことです。
今回はそういった場面でも、どうしたら萎縮せずに話せるか?
具体的なポイントをお伝えします。
詰められる理由が存在する
実例があるとわかりやすいと思います。
これは実際に受講生から聞いた内容です。
部下:今朝、お客様に電話しましたが、お出になりませんでした。午後にもう一度電話して、もしお出にならなければ夕方メールします。
上司:了解。ところで、なんで夕方にメールするの?
部下:はい、午後にもう一度電話して、出なければ夕方にメールしようと思っています。
上司:なるほど。で、なんで夕方にメールするの?
部下:ですから、午後にもう一度電話して、出なければ夕方にメールしようと考えていました。
上司:だから、なんで夕方にメールするの?先にメールしたっていいわけでしょ?
部下:はい…
何が問題かわかりますでしょうか。
部下は、「電話をして、出なかったから夕方にメールしようと思っている」
上司は、「別に夕方まで待つ必要はなくて、とっととメールを送ればいいんじゃない?」と思っている。
互いに求めていることが違うのです。
論理的崩壊が起こっている
上司が「なんで夕方にメールを送るの?」と聞いたら、
部下が「夕方にメールを送ろうと思っているからです」と。
上司が「だから、なんで夕方にメールを送るの?」と聞いたら、
部下が「ですから、夕方にメールを送ろうと思っているからです」と。
これを論理的崩壊と言います。
弁論術ではトートロジーとも言います。トートロジーとは堂々巡りのこと。
なぜ堂々巡りするのか?
それは、
目指しているものがズレてる
からです。
上司は、「なぜ夕方にメールをするのか?」=理由を聞いています。
部下は、「夕方にメールを送ろうと思った」=経緯を答えています。
理由と経緯。これがズレです。
本来、理由を答えなくてはいけません。
例えば、
「昼間はメールを見ないとおっしゃっていたので、夕方にメールを送ろうと思いました」
もしくは、
「メールよりも電話を好まれる方です。なので午前に電話して、午後に電話して、それでも出なけらば最終手段として夕方メールしようと思っていました」と。
言われる前にやらないと詰められる…
もう一つ例題を行きましょう。
上司:先日のTO DOの納期、まだ出てきていないけど、いつ出してくれるの?
部下:来週、提出いたします。
上司:来週!?だったら先に言ってくれないと。なんで早く言ってくれないの?
部下:言われていなかったので。
上司:なんで言われないと出せないの?
部下:言われていなかったので。
上司:だから、なんで言われないと出せないの?
部下:・・・
これもあるといえば、ありますね。
上司と部下の求めるものがズレているんです。
上司は「なんで言われないと出してこないの?」という理由を聞いています。
部下は「言われていなかったので」と経緯を伝えています。
だから堂々巡りします。
ズレをなくさないと、上手く説明ができません。
どうしたらズレをなくせるか?
聞かれてることを正確に把握する
一丁目一番地は、
「何を聞かれているか?」
相手に確認することです。
最初の例であれば、
「夕方メールを送ろうと思った理由ですよね?」と。
上司から「そうだよ!」ときたら、
先ほど記載したような、
「昼間はメールを見ないとおっしゃっていたので、夕方にメールを送ろうと思いました」
「メールよりも電話を好まれる方です。なので午前に電話して、午後に電話して、それでも出なけらば最終手段として夕方メールしようと思っていました」
みたいな理由を伝えます。これでお互いが近づきます。
何を聞かれているかを確認すると、トートロジーがなくなります。
事実と解釈は分けるべし
最後にもうひとつ。
部下:今回のお見積書は50万円で出したいと思っております。
上司:50万円。先方に予算は確認したのかね?
部下:確認はしていませんが、おそらく50万円くらいが妥当かと。
上司:お客様はそう言っていないんだね?
部下:聞かなかったんですけど、おそらくお話した感じだと50万円くらいが妥当みたいなことをおっしゃっていました。
上司:なんでそう思ったのかね?
部下:おそらくそんな感じではないかと…
これも堂々巡りしそうです。
やはりズレ。
何がズレているか?
事実と解釈です。
上司が知りたいのは、「お客様は予算50万円と言ったのか?」という事実。部下が話しているのは「ヒアリングはしていないけど、おそらくそうだ」という解釈。
これがズレているので、噛み合いません。
結論は同じ。ちょっと手を止めて、
「お客様が『◯◯と言っていたか?』ということを聞かれていますでしょうか?」
と確認し、ズレを解消する必要があります。
もし聞き漏らしていたら、それはしかたがありません。
「申し訳ありません。ヒアリングしておりません」
と言って、次、頑張って聞くしかありません。
事実で聞かれたら事実で返す
です。
「君はどう思う?」と聞かれたら、そこではじめて「恐らく50万は行けると思います」と解釈を伝えればいいです。
1個ずつ、ブロックを合わせながら会話を進めていくと、トートロジーがなくなります。ぜひ動画もご確認いただき、学ぶを深めていただけるとうれしいです!
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【株式会社モチベーション&コミュニケーション:桐生稔 著書】
◎図解版:雑談の一流、二流、三流(ASUKA BUSINESS)
【ビジネスマンのための「伝わる話し方」実践スクール】
【プロフィール】
・株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役:桐生 稔
・モチベーション&コミュニケーションスクール代表講師
・日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
・日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
・日本声診断協会音声心理士
1978年生まれ、新潟県十日町市出身。もともと臆病な性格で、対人関係が非常に苦手。小さい頃は親戚の叔父さんと話せない程、極度の人見知りであがり症。体も弱く、アトピー性皮膚炎、扁桃腺炎症、副鼻腔等、先天性欠如等、多数の病気に悩まされる。
18歳の頃に新潟から東京に上京。東京で新卒入社した会社では営業成績がドベで入社3カ月で静岡県富士市に左遷させられることに。しかしそこから一念発起。コミュニケーションスキルをあげるべく心理学、大脳生理学を学び始め、1,200店舗中営業成績でNo1となる。その後、ボイストレーニングスクールに転職。話し方の基礎を徹底的にマスターし、8店舗だったボイストレーニングスクールを40店舗に拡大。一気に全国区の業界大手に引き上げる。そして2013年、強いビジネスマンをつくりたいという想いからモチベーション&コミュニケーションスクールを設立。現在では全国で伝わる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチをトレーニングするビジネススクールを運営。全国40都道府県で年間2,000回のセミナーを開催し、受講者数は30,000人を越える。
【モチベーション&コミュニケーションスクール会場】
北海道、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、新潟、石川、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、岐阜、愛知、三重、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、岡山、島根、広島、香川、徳島、愛媛、高知、福岡、大分、熊本、鹿児島、沖縄
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