聞き手に興味をもってらう極意
Q:人前で話すことが苦手で、とことん避けてきました。ただ年齢も上がり、人前で話さなければならない機会が増えてきました。話を聞いていただける、退屈させない話し方ができたらと思い、セミナーに申し込みました。
というコメントをいただきました!
実は、「役職が上がって人前で話す機会が増えてきました…」という質問は非常に多くいただきます。
役職があがると、何かの機会に「ちょっと一言お願いします」と頼まれることが増えます。
会社だけじゃなく、何かのコミュニティや、PTAで役員を任されて、ひと言話さなければいけないケースもあります。
人前で話すとき、聞き手がいきなり退屈そうに聞いていたら、非常に話しづらいですよね。
目の前で寝られたら更にテンション下がると思います。
やはり、聞き手をグッと引き込み、興味を持っていただけるような話し方ができるとベストですね。
今回は、人前で話すときに、聞き手を退屈させないメソッド
「チェンジオブペース」
ついてお伝えします。
変化がないと飽きられる
「チェンジオブペース」とは?
さっそく解説していきます。
あなたが人の話を聞いていて「退屈だな…」と感じるときはいつですか?
学校の授業なんかは典型例かもしれません。
単調に感じる、飽きてくる、眠くなる。そんなイメージがあるかも。
学校の先生は頑張って授業をしてくださっていますが、「学校の授業で1回も眠くなったことはありません」という人は珍しいと思います。
私も何度も居眠りしたことがあります。
ビジネスシーンでも、「何だこの単調な話は…」とか「面白くない…」と思われてしまうのは、裏を返せば刺激がないときです。
変化がないと眠くなります。
昔、深夜のテレビ放送が終了すると、ザーッと白い映像が流れていたことがありましたが、あれも見ていると段々眠くなります。変化がないからです。
あなたはだんだん眠くなる…眠くなる…眠くなる…眠くなる…
この調子で話されたら、本当に眠くなってきますよね。
だから「チェンジオブペース」です。
チェンジとは変化、ペースとは歩調。
要するに、話に変化をつけること。
何を変化すればいいのか?
5つ紹介します。
①内容
一つ目は「話す内容」。
話す内容に変化を持たせるというのは、
・Aだと思っていたけど実はBだった
・そんなこと思いもしなかった
など、聞き手に「おや?」「あれ?」「おっ!」と注意喚起を与えることです。
変化を与える型として、「ストーリーテリング」「起承転結」「序破急」などが有名ですが、もっとも重要なことは、冒頭で変化を持たせるということです。
「つかみはOK」という言葉がありますが、冒頭でつかまないと、そのまま最後まで単調に話が進んでしまうことになります。
これは非常に危険なことです。
例えば、
「今日は年金制度について説明します。年金には国民年金と、厚生年金があり、国民年金は…」
単調に説明されると、段々眠くなってきます。
逆に、
「今日は年金の話をします。ところで皆さん、年金はいくら払って、いくら受け取れるかご存知でしょうか?」
と、いきなり質問してみます。
「払った分よりも多く受け取れると思う方?」
「払った分よりも少ない額を受け取ると思う方?」
「実は、払った分の35%しか戻ってきません」
→「えーっ!?そんなに少ないの」
と、話を聞く態勢をつくることができます。
35%は仮の数字ですが、冒頭に「え!」という刺激を与えると、聞き手に前のめり感がでてきて、もっと聞きたい気持ちを誘発できます。
YouTubeでは、最初の30秒が勝負と言われています。30秒が経過すると一気に視聴者が離脱するからです。
それだけ冒頭のつかみは大事ということですね。
冒頭で、
・その話を聞くとどんなメリットがあるのか?
・それは聞き手にとってどんな関わりがあるか?
スパッと入れていきましょう。
冒頭で絶対に惹きつける。
ぜひ覚えていただければと思います。
②スピード
話すスピードにも変化が必要です。
話すスピードは早ければいいとか、遅いとダメとか、そういうことではありません。
ずっと同じでペースで話すことがよくないのです。
変化がなくて、聞き手が退屈してきます。
早くしたり、遅くしたり、スピードに変化を加えることです。
特に、緊張しやすい方は早口になりがちです。
交感神経が優位になり、呼吸が浅くなるからです。
緊張すると早口になるのがわかっているのであれば、あえて最初は強烈にゆっくり話してみます。
そうすると、だんだん早くなっても、それ自体が変化になります。
逆に、「話すペースがゆっくりですね」と言われる方は、終盤に向けてペースをグッと上げていく。
これもギャップになってよい効果をもたらします。
③トーン
話すときのトーンにも変化を加えることが可能です。
あなたは普段、どのトーンで話していますか?
トーンと言われてもわかりにくいかと思いますが、話すときによく使うのはドレミファソラシドの「ド」の近辺でしょうか?「ソ」の近辺でしょうか?
男性で「ソ」や「ラ」だとかなり高いキーです。
私は、研修や講演で話すときは、概ね「ソ」の前後を使います。ただ深刻な話をするときは「ド」の近辺を使います。
これも「ソ」がいいとか「ド」いいとかではありません。
変化です。
高いトーンで話したり、低いトーンで話したり、緩急をつけます。
④ボディランゲージ
ずっと仁王立ちで話していたら、変化にはなりません。
人前で話すときは、できるだけ手を動かし、もし2、3歩動けるようなら、動きながら話したほうがよいです。
止まったり、動いたり、これも変化ですね。
歩くスペースがない人も、話すとき少し肩を左右に動かすだけで、体に動きがでてきます。
棒立ちで話すより、何倍も変化があるように見えます。
基本的に、人前で話すときは背筋を伸ばして話をしたほうがよいですが、悲しい話をするときは、あえて背中を丸めて前かがみに。
そうすると悲しい表現になります。
これもちょっとした変化です。
⑤視線
緊張しているときは、視線が下になりがちです。手元の資料をずっと見ながら話している感じです。
読んでいてもいいのですが、この場合も時々視線を上げます。
これも変化です。
慣れてきたら、視線を左右に大きく振る。それだけだけでも、堂々と話しているように見えます。
興味をもってもらう極意
今回は、
①内容
②スピード
③トーン
④ボディランゲージ
⑤視線
に変化をつけることをお伝えしました。
ぜひどれかひとつでもピックアップしてチャレンジしていただけると嬉しです!
動画でも詳しく解説しております。ご確認ください~(^-^)/
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【モチベーション&コミュニケーションスクール】
あがり症・緊張を改善するセミナー
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【株式会社モチベーション&コミュニケーション:桐生稔 著書】
◎「コミュ障」でもしっかり伝わる話し方(PHP研究所)
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【プロフィール】
・株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役:桐生 稔
・モチベーション&コミュニケーションスクール代表講師
・日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
・日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
・日本声診断協会音声心理士
1978年生まれ、新潟県十日町市出身。もともと臆病な性格で、対人関係が非常に苦手。小さい頃は親戚の叔父さんと話せない程、極度の人見知りであがり症。体も弱く、アトピー性皮膚炎、扁桃腺炎症、副鼻腔等、先天性欠如等、多数の病気に悩まされる。
18歳の頃に新潟から東京に上京。東京で新卒入社した会社では営業成績がドベで入社3カ月で静岡県富士市に左遷させられることに。しかしそこから一念発起。コミュニケーションスキルをあげるべく心理学、大脳生理学を学び始め、1,200店舗中営業成績でNo1となる。その後、ボイストレーニングスクールに転職。話し方の基礎を徹底的にマスターし、8店舗だったボイストレーニングスクールを40店舗に拡大。一気に全国区の業界大手に引き上げる。そして2013年、強いビジネスマンをつくりたいという想いからモチベーション&コミュニケーションスクールを設立。現在では全国で伝わる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチをトレーニングするビジネススクールを運営。全国40都道府県で年間2,000回のセミナーを開催し、受講者数は30,000人を越える。
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