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Adobe Photoshop用の無料OpenEXRプラグインExr-IO 2.00

OpenEXRフォーマットをAdobe Photoshopで読み書きできる無料のプラグイン「Exr-IO」の2.00バージョンがリリースされました

OpenEXRとは

OpenEXRはHDR対応のマルチチャンネル画像フォーマット。主に実写VFXなどコンポジット目的のCG画像出力で使われています。

Arnold、RedShift、V-RayなどのレンダラーからAOV (Arbitrary Output Variable)いわゆる「選択可能なレンダーパス」を指定してOpenEXRファイルで書き出します。

OpenEXRには指定した全てのレンダーパスが含まれ、例えばRGB、ディフューズ、スペキュラー、ノーマルマップ、Zバッファなどを書き出してレンダリング後にそれらを元に調整可能。

アプリケーションがマルチパスのOpenEXRの書き出しに対応していれば、外部レンダラーを使わなくてもOK。ただしクリプトマットの対応アプリケーション(レンダラー)は限られます。

OpenEXRはマルチパスを1つのファイルで保存。連番ファイルで扱える事が利点です。

さらに32bit浮動小数点で高い色深度を維持。(16bit浮動小数点および32bit整数も利用可能)

Exr-IO

OpenEXRはILMが開発しオープンソースで公開。

元々はシネマの合成用のフォーマットですが、今ではPCも高性能化して高解像度の画像やCG制作もデスクトップで作業するのが当たり前。

出力形式も多様化して、静止画でも高水準のクオリティを要求されるようになり、さらにマルチフォーマット化。ムービー素材から静止画への転用も多くあります。

「Exr-IO」はAdobe Photoshop用の無料で使えるプラグイン。(Windows限定)

最新のOpenEXR規格と仕様をサポートし、すべての画像チャンネルをPhotoshopのレイヤーとして読み込みます。

クリプトマット(Cryptomatte)をサポート

CGでOpenEXRを書き出す際にレンダラーでクリプトマットを使うと、被写界深度やモーションブラーなどの情報に加えオブジェクトやマテリアル毎のカラーマットを生成できます。

個別に分離できるため、色や明るさなど後から変更する可能性がある場合に重宝します。

「Exr-IO」ではその範囲を編集可能なPhotoshopのレイヤーマスクに変換。オブジェクトやマテリアルの特定の部分を抽出して修正できます。

インポートされたOpenEXRはPhotoshop上で正確に再現。複雑なマルチチャンネルはPhotoshop上で合成できます。

ミップマップとリップマップのサポート

ミップマップとリップマップの読み込みと書き出しがサポートされました。

OpenEXRをパイプラインに組み込むと、ゲームデザイナーがテクスチャに直ぐにアクセスできます。

マルチパートファイルとディープピクセルデータ

Photoshopではディープピクセルをサポートしていませんが、EXR-IOで開くとディープピクセルを含む全てのデータをPhotoshopで表示可能な形でマージしたイメージで表示します。

PhotoshopでOpenEXRを保存

PhotoshopでOpenEXRを保存するとPhotoshop固有のレイヤーオプションがOpenEXRに含まれます。他のファイル形式で個別に保存する必要はありません。

例えば、建築やプロダクト系のCGでもコンポジットで後から部分的に変更できる点は非常に魅力的かと思います。

あと、ゲームでもShotgunなどでパイプラインを組んでいる場合は有効かと。

ダウンロードはこちら。

日本語のチュートリアル情報はこちら

AfterEffectsでOpenEXRを読み込む

すでにAfterEffectsではFnordの「ProEXR」でクリプトマットに対応済み。

こちらはMac版とWindows版がありPhotoshopのプラグインも同梱されています。

WindowsのPhotoshopではどちらのプラグインも動作。「読み込み」のファイルフォーマットでどちらのプラグインを使うかを選択できます。

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