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俺の母さん 声劇台本

登場人物
晴也(はるや)思春期の高校3年生受験期でストレスを感じている。
美代子(みよこ)晴也の母、おおらかで優しい理想のお母さん


美代子「、、、きな、、るや、」

晴也「んっ、、んん、、むにゃむにゃ」

美代子「、、きなさい!、、はるや」

晴也「ん〜もうダメだって〜むにゃむにゃ」

美代子「起きなさい!晴也!」

晴也「もーう食べれないにょ〜〜」

美代子「全く!仕方ない子ね!」

美代子が晴也のおでこをペシっと叩く

晴也「痛ってぇ!何すんだよ母さん!」

美代子「あんたが、早く起きないのが悪いんでしょ!?、、ほら!朝ごはんできてるから、早く下行きなさい!」

晴也「うっ、、わかったよ、、、」

晴也N(うちは、いわゆる母子家庭だ、俺の親父であった人は、俺がまだ小さな頃に他に女を作って出ていったらしい、、残された母さんは、俺を育てるために朝から晩まで働いて、女手一つで俺を育ててくれた。)

晴也(ここまで育ててくれた母さんには、感謝してるし、頭も上がらない、でもだからこそ、最近俺は悩んでることがあるんだ、、、。)

美代子「どぉー?美味しいかい?我が息子よ!」

晴也N(母さんが作る朝ごはんはいつだって美味しい
特に母さんの作る、味噌汁は、本当に美味しい。
この母さんのご飯がここまで俺を育ててくれたんだ)

晴也「うん、、うまいよ、、特に味噌汁」

美代子「アッハッハ!あんたほんとに味噌汁好きねぇ、作り方教えようか?」

晴也「いや、、いいよ、、この味は母さんじゃなきゃ出せないと思う。」

美代子「嬉しいこと言ってくれるじゃないの!?
さすが、あたしの息子だわん!」

晴也N(あぁ、暖かいなぁ、母さんはいつだって明るくて暖かい、、でも、いつまでもこの優しさに甘え続ける訳には行かないんだ、、、)

美代子「そういえば、最近勉強はどー?順調?
あんた、いい大学に入って母さんのこと楽させてくれるんでしょ?フフっ楽しみだわぁー」

晴也「、、、、母さん、実は、、大学、、、やめようと思ってるんだ。」

美代子「、、、、どうして?」

晴也「ほら、うちは、金銭的に厳しいし、今だって、高校に行くのだってギリギリだろ?だから、、卒業して俺も働けば、、母さんもきっと楽に、、、」

美代子「(遮るように)それが理由?」

晴也「う、、、うん」

美代子「、、、、あなたはお医者さんになりたいって小さい頃から言ってたわよね、、、」

晴也「、、、、、うん」

美代子「それは、あなたの夢なのよね?」

晴也「うん、、」

美代子「、、、、働くことは許しません
あんたは、勉強を続けなさい、、」

晴也「なっ!?母さん!どうして?」

美代子「お金のことは気にしないで、、何とかするわ、、、」

晴也「母さん!」

美代子「母さんはね!あんたに夢を叶えて欲しくて!立派っに育って欲しくて!だから一生懸命お仕事をしてるの!、、、だから、、お金のことは気にしないで、」

晴也「でも、、母さん!!」

美代子「いいから!!、、、早くご飯食べなさい、、遅刻するよ…」

晴也「、、っ!」
晴也リビングから走って出ていく

美代子「、、、、」


晴也N(あんなに怒った母さんは初めて見た。普段から明るくおおらかな母は、あんなふうに感情を表に出すことは一切ない、だからこそ俺はびっくりしていた、、、、)

晴也N(その後の学校でのことは、あんまり覚えていない、、お母さんが作ってくれたオムライスのお弁当も、あんまり味がしないように感じた、、頭の中は今朝の母さんのことばかりだった。)

暗くなってきた頃、晴也家の前で立ち止まりながら

晴也「はぁ、、なんか帰りづらくてこんな時間になっちゃった、、何してんだろ、、俺、、」

晴也「とりあえず、いつも通り家に入ろう、、
よしっ、、、、ただいま、、母さん、、、」

晴也N(いつもなら母さんがリビングから声が聞こえるのだが、今日は嘘のように静かだった。買い物にでも行っているのだろうか?)

晴也「母さん?」

晴也リビングに入りダイニングの上を見る

晴也「ん?、、なんだこれ?」

晴也「手紙?、、この字、、母さんだ、、、」

晴也N(その紙切れには母さんからのメッセージが書かれていた)

美代子N(晴也へ、今朝のことは、本当にごめんなさい、母さんつい、カッとなっちゃって、、でもね、晴也あれは本心なのよ、、母さんねあなたには夢を叶えて欲しいの、、ちっちゃな頃からずっと言っていたでしょ?母さんね本当にそのためにお仕事を頑張ってきたのよ、、、
あなたのお父さんが、私たちを捨てた時、もうだめかとおもったの、、。私はおいてけぼりでひとりぼっちなんだって。、、でもね。
私はひとりじゃなかったのよ、、そう、あなたがいたのよ、たった1人のかけがえのない私の愛する晴也
あなたがいてくれたから私は強くいられたし、
あなたがいたから私はいつでも頑張れるのよ
そんなあなたのためなら私はなんだってすることが出来るのよ、、いつもギリギリの生活をしていてごめんなさいね、きっと今の生活はあなたにとって
不安に思えてしまっていたでしょう
本当にごめんなさいね、、、

晴也N(母さんは、こんな思いで俺を育ててくれたのか、、、謝る必要なんてないのに、、ん?まだ続きがあるぞ)

美代子N(追伸、大学のお金の件ですが、、
あんまりあなたに見せたくなかったのですが
タンスの二段目の棚を見てください、、、)

晴也「ん?、、タンスの棚?」

晴也N(タンスを開くと、いつも着回しして、とっくにヨレヨレになった母さんのTシャツなどがたくさん入っていた。、、、そして、見つけた、、これは、)

晴也「通、、帳?」

晴也中を開く

晴也「、、、、、ぁぁ、、ああぁ、あぁあ!」

晴也N(中には、大学4年間の学費をいとも簡単に払ってしまえるほどの大金が入っていたのだ。
母さんは、、母さんは、、、自分の服や欲しいものを買うのを惜しんで、ずっとずっと貯金してくれていたんだ、、、。おもえば母さんは、いつだって俺のものばかりを買うばかりで自分のものは買いもしなかった。
全て、、全て、、本当に全てを俺に注いでくれていたんだ。、、俺は涙が溢れて止まらなかった。」

ガチャッ

美代子「ただいまー!晴也帰ってきたのぉ?」

美代子リビングで泣いてうずくまっている晴也を見る

美代子「、、、読んだのね、、、」

晴也「、、、うん、、、ううっ!、、」

美代子晴也を抱きしめて言う

美代子「ほーら!泣かないの!私の大好きなつよーい息子はどこに行ったの?フフっ!」

晴也「だって、、だって、、母さん、、、」

美代子「書いてあったでしょ晴也、あんたは私の全てなの!だから何も気にする事はないのよ!
そーれーに!あんたが医者になってくれれば私も楽できるからね!老後のことを考えたら、今たくさん働くなんてちょろいもんよ!」

晴也N(あぁ、、、母さんには敵わないや、、)

美代子「だからね!晴也!あんたはあんたの夢を追いかけなさい!もう、わかったでしょ!?私の伝えたいこと!」

晴也「ぅん、、うん」

美代子「よーーーし!じゃあご飯にするぞ!」

晴也「うん!」

晴也N(俺は、世界で1番素晴らしい母をもったと思った。こんな俺のために全力で愛を注いでくれる母さんに、俺は必ず期待に応えて見せるとあつく誓うのだった)


1年後



晴也「うっし!一人暮らし初の朝ごはん完成!っと!」

晴也N(あれからというもの、俺は母さんの気持ちと、自分の夢を叶えるため、もう勉強をし、見事東京の有名大学に合格することが出来た。)

晴也「さってと、、、初めて作る俺の味噌汁のお味はー?」

ズズっ

晴也「、、、、うぇ、しょっぱ、やっぱ母さんみたくは出来ないか。」

晴也電話かける

晴也「あ!もしもし!母さん!え?大丈夫だよ
大丈夫!ご飯も沢山食べてるよ!、、え?あ!そうそう!今度味噌汁の作り方教えてよ!、、うん!うん!了解!、、、あっ、あのさ!母さん!言いたいことがあるんだ、、、」

晴也「いつもありがとう」

晴也N(俺はこのまま進み続ける、母さんが作ってくれた夢への道を歩くんだ、よし!頑張るぞ!)





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