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11/20(金) 深夜まで頑張ってるのに

0時過ぎにスマホの通知。初めの一行を見た瞬間に「あっ」と思ってすぐに閉じた。提出物のリテイク。

相手の書いていることは間違ってないし言いがかりでもない。分かってる。忙しさにかまけてクオリティが低かった。それも分かってる。この世にはもっと忙しい人過酷な人がいて、自分の体力がないだけなんじゃないか。せり上がってくる気持ちを飲み込もうとしたが堪えきれずに溢れてしまう。

「でも、深夜まで頑張ってるのに」。

もうずっと何ヶ月も走り続けてるのに。土日も対応してるのに。定時で帰ってる人もいるのに。少女マンガのようにハラハラと涙をこぼす私に、テーブルの向かいの席の友人が「うんうん、頑張ってるよ」と少し棒読みで繰り返した。

夏には別の友人が同じように泣いていたな。「深夜まで頑張ったのにさ…」と、ハラハラ泣いていた。「もうどうしたら良いかわからない」と。
その時もまた同じように、テーブルの向かいの席から少し棒読みで、「うんうん、頑張ってるよ」と繰り返したのだ。
(そのあと、皆で友人の作った資料の修正内容を考えた)

人を励ます時、なんて言ったら良いか決めあぐねて、大袈裟に言うと嘘っぽくなりそうで、いつも少し棒読みになってしまう。元気になってほしいけど、魔法の言葉がぱっと出てくるわけがないのも知っている。だから何の捻りもせずに繰り返す。「頑張ってるよ」と。

就活もキャリアプランも興味がなかったはずの私たちが、今やアラサーになっていつの間にか、泣いちゃうくらい仕事頑張っている。

こんなはずではなかった。のに、思いもしない未来に来ていることが、少し可笑しい。


#日記 #エッセイ #社会人 #アラサー

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