「毒親育ちって食事にトラウマと苦手意識あるやつ多くね」って言われた話。
「食事なんて腹を満たすための、ただの生活の営みなのに。
どうしてそこで怒られたり、苦しい思いをしたり、叩かれたり殴られたり、嫌でも食べさせられたり、食べ物を没収されたりしなきゃならないんだろうね」
ーーそうは思うけれど、あたいはなぜ毒親が子どもの食事を制限したり、恩着せがましく嫌味を言って子どもの食欲を抑圧したり、暴力や言葉で威圧するのかを知っている。
それは、人がご飯を食べなきゃ死ぬからだ。
ご飯を食べさせなければ人は弱って死ぬ。
だから相手の食事をコントロールすれば、生殺与奪の権がこちらにあることをアピールできる。
食事にトラウマを与える行為は、どちらが主人であるかという主従関係と力関係を叩き込み、「この人の言うことを聞かないと生きられない」と教育するための調教だ。
これは毒親だけじゃなくパートナー間のDVやさまざまな閉鎖的な空間で同じことが見られる。相手をナメていたり、相手を軽んじていたり、相手を自分より下に置きたい人間なら誰でも相手の食事を邪魔する動機がある。
最近話題の「相手の皿のものまで食べてしまう・相手の分を残さず全部食べてしまう《食い尽くし系》」も根底は通じている。
「こいつの食事なら奪ってもいいだろう」と考えたり、共感性や想像力を一切使わずに相手の食事を軽視することは、相手が自分より下であることの確認作業でもある。つまりナメてるの。そして誇示しているの。お前はこちらに気を遣えと。
中には他人全般に想像力が働きづらい人もいるけれど、社内や上役には配慮が発揮できるのに、家庭や友人・パートナーでそれができない人ははっきりナメているからだ。相手に負担を強いて、自分の立場が上であることを確認しているのだ。
そして何より、毒親も、食事DVタイプの人間も、モラハラ気質の人間も、彼らはみんな知っている。
空腹に追い込めば人は弱るし、その弱った状態の人間は、そもそも食事を没収した張本人であろうとその人がこちらに食べ物を与えてくれたことで、あるはずのない恩を感じたり、相手に服従するとご飯が出るから大人しくすれば話が早いという構造を理解してしまうことを。
いかなる状況でも、加害者は被害者に甘えて、ためし行為を重ねることでその地位を維持しているし、甘えられる人間を嗅ぎ分けて目をつけている。
食事を邪魔するのは、そのための調教の第一歩だ。
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今回はあたいの友達が言っていた「毒親育ちって食事に苦手意識(トラウマ)あるやつ多くね?」に対してあたいが考えたこと、話したことを書いていく。
もちろんこれは彼の所感であり、あたいもその意見に完全に賛同しないものの「ちょっと分かるわ〜」と思うことが偏見であるとは分かっている。
けれど、《楽しいはずの食事がなぜ苦しいものになるのか》という点においては幼少期の経験と家庭環境が大きいと感じているので、それを掘り下げていきたい。
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天然温泉旅館「もちぎの湯」
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