『正しい人の壊し方』マニュアル~代理原稿
はじめまして。もちべーこん先生の編集を担当しているメガネです。
もちべーこん先生が定期テスト直前のため、代原として、編集担当のメガネが文章を投稿させていただきます。(もちべーこん先生の許可はもらっています)
【メガネの簡単な自己紹介】
①もちべーこん先生の通う塾の主宰者です。
②以前、小児精神科に入院する子どもたちのための学校で教諭をしていました。
③発達障害(およびそれに伴う二次障害)について研究しています。
④もう少しで40歳になります。
⑤メガネが似合います。
⑥バツイチ独身です。
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小児精神科に勤めていたとき、痛感した事実があります。
それは「正しい壊し方をすれば人間は簡単に壊れる」ということです。
ここでいう「壊れる」とは、うつ病や統合失調症、双極性障害、適応障害、などの診断名がつくものも『含め』、リスカ、引きこもり、対人恐怖、多くの依存症、薬物利用、非行なども想定しています。
つまり、今までの生き方には戻れなくなる状態です。
一度、壊れたものはもう元には戻りません。
しかし、壊れたからと言って終わりかと言えばそれも違います。
元には戻れないけれど、今までとは違う見え方考え方で世界をとらえる新しい人生を始められます。
この『新しい人生の始め方』は『寛解』とも表現されます。とてもポジティブなため、スポットがあてられることは多いです。
しかし、残念ながら新しい人生を始めざるを得なくなるスタート地点には「壊している人」が存在します。心の病が『人間関係の病』と言われるゆえんです。あまりに悲しい事実です。
では、『正しい人の壊し方』とはどんなものなのでしょうか。
あまり知られていないような気がするので、いい機会なのでここでまとめてみようと思いました。
ここから先はかなり強烈な内容になりますので、読む場合は覚悟を決めてください。
【以下の内容を実行することで人の人生を台無しにすることができます】
【以下の内容をすでに実行している場合は誰かの人生をすでに台無しにしているかもしれません】
①睡眠時間を徹底的に削らせましょう
寝ている時間は何も生産しない「無」の時間です。無駄な時間は人生には不必要です。世界にはショートスリーパーと呼ばれる睡眠時間が1日2時間以下でも元気に過ごしている方もいます。
1日2日くらい眠らなくても大丈夫ですし、さんまさんは1日3時間睡眠を何十年も続けていました。
「眠いからできない」
「睡眠不足で体調が悪い」
なんて言い訳にすぎません。そもそも楽しんで仕事(勉強)をしていれば、眠気なんてでません。つまりは甘えです。
眠る時間があるならスキルアップのための勉強をすればいいし、日ごろ時間がなくてできないことがあるならその時間にすればいいのです。
生産性のない活動は人生の浪費にほかなりません。その最たるものが「睡眠」です。眠る時間を削ることからはじめましょう。やがて眠りたくても眠れないときがきます。そうなったら壊れるまでにそう時間はかかりません。
②完璧を求めましょう
ナンバー1にならなくてもいい、もともと特別なオンリー1
そんなものは弱者のたわごとでしかありません。その道の『ナンバー1』だけがオンリー1です。その他は有象無象に過ぎません。
どんなに「頑張った」と言っても所詮はその程度。できていないところは山積みです。100%以外は0%です。
ましてや1回ナンバー1になったとしても、ナンバー1から陥落したらただの人です。
世の中、結果がすべて。
結果が出ない努力なんて努力ではありません。もともと無駄です。結果とは『ナンバー1』のことです。2位なんて結果とは言いません。
完璧以外で満足するのは甘えです。
そんなもんで満足してしまうのは『所詮そこまでの人』にほかなりません。未完成で、未熟で、未成熟な存在が中途半端な成果で調子に乗ってはいけません。そんなところで満足するくらいなら最初からやらないほうがましです。
ここで大切な点が1つ。
きっちりと相手を壊すためには「これは『あなたのために言っているんだ』」という自分の立場を強調しましょう。
「あなたのために言っているのに、それをできないあなたが悪い」
相手にいたらなさを噛み締めさせるのは『正しい人の壊し方』の基本です。
「悪いのは『お前』、正しいのは『私』」そのスタンスは崩してはいけません。
③人と比べましょう
完璧を求める中で、効果的な方法は『比較』です。できれば、比較対象は身近な人にしましょう。
たとえば
■お兄ちゃんはできるのに、あなたはできないんだね。
■クラスメイトのあの子はあんなにがんばっているのに、あんたは怠けてばっかりだね。
■親戚の〇〇くんの子どもは東大に行ったのに、あんたは同じ血が流れているとは思えないね。
■▽▽さんは仕事をしながら、3人の息子を立派に育てたのに、あなたは子ども1人もまともに育てられないんだ。情けないね。
安心してください。比較対象はそこかしこにいます。比べてください。いかに大したことがない人間なのかを痛感してもらいましょう。
なぜなら、「大したことないと自覚した人間だけががんばれるようになるから」です。もちろん、「あなたのためを思って言っている」のですから、指摘(アドバイス)で傷つくなんて相手のメンタルが弱いだけです。そんなに心が弱くては厳しい社会は生きていけません。社会はもっと厳しいのですから。
世の中にはタフな状況を努力と根性で乗り切っている人たちがいます。厳しい社会を乗り越えるためには強くなる必要があります。そんな人になってほしいから、しっかりと他人と比べていかに今の『あなた』がいたらない人間なのかを自覚してもらいましょう。
すべては『あなた』のためなのですから。
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ここまで書いて、心が苦しくなってきました。ほかにも方法はたくさんありますが、もう書きたくありません。
「壊れる」と乱暴に書きましたが、その症状は様々です。自害・他害、絶望・失望、躁・うつ、睡眠障害、それぞれの症状とうまく付き合いながら生きている人たちは大勢います。傷ついた経験があるからやさしくなれたり、痛みがあるから成長できたり、というケースも多々あります。
でも、共通して言えるのは「その症状がなければもっとよかった」という事実です。
悪意を持って人を壊そうとする人はそれほど多くはありません。私はそう願っています。でも、『善意』によっても人は壊れていきます。
その『善意』はおおむね「相手のため」に行われ、善意ゆえに『受け止められない相手に問題がある』という認識になります。
だから、壊した側が「被害者」の意識を持つケースが多くなります。
最近、多くのハラスメントが叫ばれるようになってきました。身近に「こんなのまでセクハラ(パワハラ・モラハラ)だなんて言われたらなんにもしゃべれなくなるよ」というセリフを言う人はいませんでしたか?
ハラスメントをしている自分こそが『被害者』であり、ハラスメントをされていることを声高に叫ぶ人間たちが今までの社会を壊す『加害者』に見えるようです。DV加害者の方たちも同じ理屈を語ることが多いそうです。
「これはなるべくしてなったことだ」
そう切って捨てられる人々が世の中にはたくさんいます。でも、そんな人が少しでも減るような優しい社会にしたいです。
そして、『相手を知らず知らずに壊してしまう人たち』に適切なケアが施される社会になってほしいと願っています。
そんな思いを心がけながら、私はもちべーこん先生の編集を行っています。
でも、甘すぎて、もちべーこん先生の作品は遅々として進みません。これがいいのか悪いのか。偉そうなことを書きましたが、日々悩みながら先生のご機嫌を取っている次第です。
最後までお読みいただきありがとうございます。もちべーこん先生の『コロナウイルスのワクチンで気絶したお話2』の投稿をお待ちください。
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上記の①~③は『認知行動療法』という心理療法における『認知の歪み 10パターン』と呼ばれる心に負荷がかかるものの認知の仕方(考え方や思考の癖)をより強める働きかけの一例です。
もしくわしく知りたい方は以下のリンクをご覧ください。