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オムツ交換はコミュニケーション

オムツ交換をかならずきまった場所ですることで見通しと情緒の安定を、
プライバシーを尊重してあげることで自尊感情と羞恥心を育んでいくということを、前回、前々回と書きました。

さらには、オムツ交換という行為自体が
濃密なコミュニケーションでもあります。

小さい子どもにとっては、
オムツ交換はだいすきな人に1対1で向き合ってもらえる時間です。
純粋に肌と肌でふれあえる時間でもあります。
そして大人が実際にたくさんの言葉をかけられる時間でもあるのです。

公園でこちらを向く赤ちゃんと母

ConoCoでの一例をあげてみましょう。

気持ちわるそうにもじもじとしているひとりの子。

「 どうしたの?気持ちわるい?オムツ見てみようか。」

そう言葉をかけて、オムツ交換の場所に誘います。
オムツをチェックしてみると
「 やっぱりオシッコ(ウンチ)でてるね。
オムツかえてきれいにしようね。」

いつもの手順でオムツをかえながら
「 オシッコいっぱいでたね。」
「 いいウンチしたね。」
「 あんよ上げて、おしりをきれいにしようね。」
「 ふきふきするよ。きれいになってスッキリしたね。」

一手順ごとに、言葉をかけていきます。

仕上げに新しいオムツに交換し、
「 新しいオムツ、気持ちいいね、よかったね。」
「 裸やオムツのままだと恥ずかしいから、服を着ようね。」

こうして簡単に一例を書いてみただけでも、
けっこうたくさんお話していると思いませんか。

おでここつんこ親子

子どもは大人のこういった声かけに対して、
まだなにか具体的な言葉を返せる段階ではないかもしれません。
相手からのわかりやすい返答がないと、
こういった働きかけは無意味に思えたりむなしくなったりしがちです。

ですが、こうしてオムツ交換の一連の流れを
まだおしゃべりできないときから
ちゃんと言葉にして伝えてもらうことは、
子どもの発達にとってたいへん意味のあることなのです。

小さな子どもは自分ではまだ把握することのできない
自分や他者の動きであったり状態であったりを、
こうして言葉にして伝えてもらうことで
なんとなく理解しだし見通しをもち、
安心感をもつことができます。

それと同時に、感覚や感情なども
言葉にしてくりかえし伝えてもらうことで学んでいくのです。

「 この状態が気持ちわるいなんだな。」
「 この状態が気持ちいいなんだな。」
「 この状態がスッキリってことなんだな。」

こんな具合に、他者の言葉によって自分の状態や感覚、
感情を一致させていくことで、
子どもたちは言葉の力も心の力も育んでいるのです。

オムツ交換には、乳児期の爆発的な成長を支える
コミュニケーションの機会がいっぱい。
ぜひそのことを念頭において、
日々のオムツ交換に向き合ってみてください。

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