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「その、たった1人になろう」
こんにちはNPO法人Mother’s Tree Japan事務局長 つぼみ です。
今日は私が忘れることができない、地上の神様に出会ったときの話です。
その神様と出会ったのは38歳の時。
当時の私は離婚などで疲れ果てた心身を癒すために、ハワイ島にファームステイで滞在していました。
ファームステイしていた場所はコナのジンジャーヒルという場所でしたが、その時は用事がありヒロと言う町にいました。
1日に1本だけ走っているコナとヒロを繋いでいる夕方のバスで、その日のうちにコナに戻るはずでした。
ところが、私が入手していたバスの時刻表とその日のバスの時間が異なっており、待てど暮らせどバスが来なかったのです。
南国でも12月の空は日はあっという間に暮れて行き、気づくと辺りは真っ暗。
当時はスマホが普及していなかったため、いわゆる携帯電話しかありませんでした。
そのため、空きのあるユースホステルやビーアンドビーをすぐに探すこともできず、何とかしてコナの友人に連絡を取ろうとしている間に、大麻でラリっている男性たち、4.5人にあっという間に取り囲まれてしまったのです。
血の気が引いて逃げ出そうとしたその瞬間、「お待たせ」と、突然フィリピン系のタクシーの運転手のおじさんが私の手を引いて、半ば強引にタクシーに乗せてくれ「危なかったね、もう大丈夫だよ」と言って、安全なユースホステルに連れて行ってくれたのです。
そして、所持金が少なかった私に、助手席に座っていた奥さんがその日の温かい夕食といくばくかのお金を持たせてくれ、これで無事に明日コナに帰るんだよと2人は笑顔で去っていこうとするので、名刺だけいただいて「また必ず会いにきます」と約束しました。
その日はベッドの中で安堵と感謝の涙の中で眠りについたのでした。
数年後、再びヒロを訪れた私は、そのもらった名刺を頼りに運転手さんとその奥さんと再会することができたのです。
お二人は私のことを覚えていてくれて、本当に会いにきてくれたのかい?!とハグしてくれました。
その当時のお礼を伝え、日本からのお土産を渡すと、「そんな些細な親切を覚えていて会いにきてくれたことだけでアメイジングで恵み」だよと言って、ご夫婦2人で笑うのでした。
その当時お借りしたお金も受け取ってくださらず、これからもアロハマインドで生きていってねと、再び笑顔で私を送り出してくれたのです。
あの時のあのご夫妻から受けた親切は、忘れたことがありません。
たった1人の無私の親切が、こんなにも人の心と身体と魂を救うのか…
その時の感動を、暮れて行く街の明かりを見ていると今でも思い出します 。
そしてそのたった1人に私もなれたらいいな、そんな1人になろうと心の中で思います。
実は、ここでこうして日本に暮らす途方にくれた外国人ママをサポートする活動しているのは、そのご夫妻から受けた恩送りでもあるのです^_^
ALOHA
NPO法人Mother’s Tree Japan
坪野谷 知美