高品質なジュエリーの本質
MOTHER’s DIAMONDのコレクションは完全受注生産です。
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前回は高品質なジュエリーの見分け方について書きました。
今回はダイアモンドとダイアモンドを留める関係について
モノづくりの視点から書いていきます。
ダイアモンドの品質については多くのダイアモンドを取り扱いしている企業の方が
丁寧に説明をしてくださっているのでここでは簡単に書きます。
「ダイアモンド 4C」で検索すると出てきますので、参照してみてくださいませ。
ダイアモンドのカット
高品質のジュエリーを作るためにきれいで整ったカットが大切と書かせていただきましたが、
今のアイデアルラウンドブリリアントカットを開発した方は数学者のベルギー・アントワープ生まれの数学者マルセル・トルコフスキー氏です。
簡単に説明すると屈折率と反射率を数学的に計算して全反射するカットを開発した人です。
全反射:ダイアモンド内部に入った光が全てファイアー(7色の光)として外に出ていくこと、
ダイアモンドの表面または比較的浅いところで反射しブリリアンシー(白色の光)として外に出ていくこと
開発された時期は比較的、新しく1919年です。
それまでのダイアモンドは輝きよりも大きさが重視される時代に、輝いているダイアモンドが素晴らしいという価値観を世の中に提案し広めました。
最も輝きが優れているラウンドブリリアントカットダイアモンドはポリッシュ(表面の磨き方)、シンメトリー(対称性)とラウンドブリリアントカットとして、プロポーション(総合的なバランスが整っている)が全て最高の基準でカットされたダイアモンドです。
エンゲージリングの購入するときに4Cのカットでトリプルエクセレントと説明される箇所です。
ダイアモンドを小さい爪で留め尚且つ、取れにくくするために大切な要素はシンメトリーがEX(エクセレント)でプロポーションがVG(ベリーグッド)以上を必要とします。
ダイアモンドの最も輝くカットを数学者が決め、数値化していただいたことに本当に感謝ですね。
職人の技術
弊社でダイアモンドを留めていただいている職人さんは、ダイアモンドを留める専門の職人さんで手作りでもキャストの枠でも、ダイアモンドのサイズと大きさに合わせて留める箇所に専用のドリルでダイアモンドを留める専用の穴を開けます。
また、ドリルの先端にそれぞれのダイアモンドに合わせた角度のドリル針を使用します。
ダイアモンドが悪いとダイアモンドを返されるそうです。
前回、PV,Angle(パビリオンアングル)、CR,Angle(クラウンアングル)、ガードルの厚さのことを書きました。
以下の図でダイアモンドと枠の関係について簡単に説明します。
表1のダイアモンドの形に合うように枠に溝と爪に切れ込みを入れていきます。
前回のブログに書きましたが、ダイアモンドと枠に隙間が無いように出来る限り真空に近い状態になることが必要です。
ドリルを使うからにはダイアモンドが左右対称であることが大切です。
パビリオンアングルの角度が左右非対称な場合、枠との接地面に空間が出来てしまいます。
またドリルを使うことで接地面が鏡面のようにきれいな仕上がりになることでより接地面がしっかりダイアモンドと接します。
しかし、枠自体の品質が落ちる場合、ドリルできれいな鏡面に仕上げたとしてもスでガスの小さい気泡が表面に出てきてしまい接地面に空間が出来てしまうため台無しです。
また爪の両サイドに同じ高さと深さで溝を作るため、ガードルの厚さが一定であることが大切です。
やはり一定でないと爪を倒した時にダイアモンドと爪の空間が出来てしまいます。
一般的なジュエリーはここまでの留め方にこだわっていることはありません。
キャストで上がってきた枠にダイアモンドを載せて爪を折り固定することがほとんどです。
この場合はダイアモンドと枠、爪とダイアモンドに空間が出来てしまい点で留まっている状態になります。
そのためダイアモンドは落ちやすくなります。
実際、ダイアモンドの下に隠れてしまい、肉眼で確認できる箇所ではないので一般の方は見ることはほとんどないと思います。
逆に1㎜以下のダイアモンドでもこのように丁寧な工程の元、留められたダイアモンドは取れにくい仕上がりになります。
先程、職人さんが基準に満たないダイアモンドを返すと書きましたがこのような理由からです。
お客様に最高のジュエリーを気持ちよく出来る限りお使いいただくためにダイアモンドを分ける時、枠を作る時、ダイアモンドを留める時、工程に携わる全ての人が緊張感を持っているであることが求められます。
贈り物ならなおさら大切です。
お客様が幸せそうにご利用いただいている姿を全員が想像しながら、しっかりしたダイアモンドを準備しよう、あの人がしっかりしたダイアモンドを出すからにはしっかりした枠を作ろう、全員がしっかりした準備をしたらからには、しっかり留めよう。
工程に関わる誰か一人の気持ちが少しでも緩み仕事が雑になると、他の工程の人は必ず気が付きます。
一回でも妥協した仕事をすると元の仕事の質に戻すことは困難です。
一つ一つが特別なジェエリーであることを理解し魂込めて製作する気持ちが大事です。
今回はダイアモンドの品質とダイアモンドを留める職人さんの関係について書きましたが、
1㎜以下のダイアモンドでもこのような仕事が出来る職人さんの腕は神がかっていますよね。
いつかダイアモンドを留めているシーンを動画で取ってアップしたいと考えています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は全面的に協力していただいている加工所さんとの出会いについて話していきます。
2024年3月5日
MOTHER’s DIAMOND
BRAND MANAGER
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