vol.6 コロナ禍を過ごして思ったこと〜奇跡のレッスンからの気づき

　2020年はコロナ禍の中、「当たり前」と思っていた働き方、生活が、根本から変わらざるを得ない状況になりました。
でも、そこから、見えていなかったことが、見えてきました。

　様々なことを思い返す中で、一番に思うことは、やはり、未来は何が起こるか分からない。一番大切なことは、「何が良いのか、主体的に自分で考え選べること」だと感じました。

　なので、私は、未来を生きていく子どもにも、その力を身につけてほしいと切に思いました。そのために、親は何ができるのでしょうか？

　私の子どもは、今年、コロナ禍で学校に行けずにリモートラーニングを３ヶ月しました。ずっと家でipadを見ながら、先生から送られてくる課題に取り組みました。ママも「先生の帽子」を被って手伝いました。その時、痛切に思ったのは、「子どもは、強制しても学ばない。」ということでした。親がやらせようとすればするほど、子どもはやる気を失っていきました。

　9月から学校が再開し、毎日帰ってきて、目を輝かせながら、楽しかったことを話してくれました。その中で思ったのは、「子供は、楽しいと、自分からいろんなことを学ぶんだな」ということでした。

そんな時、Youtubeで「奇跡のレッスン」ハンドボール前・後編　～世界最強のコーチと子どもたち～　ソーレン・シモンセンさん」を見ました。

デンマークからやってきたソーレン・シモンセンさんが、日本の中学生にデンマーク流のハンドボールコーチをするドキュメンタリーです。

その中で心に残ったことが、３つあるのでご紹介します。

１）子どもは、楽しみながら学ぶ。
ソーレンコーチは、「デンマークでは、25%, 50%, 25%という考え方があります。25%は実力よりちょっと難しい課題、50%は実力と同じくらい、残り25%は実力より易しい課題。難しい課題でチャレンジ精神を養い、その後易しい課題で成功体験を促します。成功体験は人が成長するために欠かせない。上手くいって、ほめた。小さな「できた」が成長を促すのです」と言います。そして、必ず「楽しめたかい？」と聞く。

私がとても印象的だったのは、「楽しみながら練習をして成長を促す」という考え方です。日本では「苦しみを乗り越えて成長する」という考え方が主流のような気がしますが、そうではないのですね。

そして、”楽しみながら、成長する”ためには、
１．実力を見定めること。
２．小さな成功体験＋チャレンジがバランスよくできる環境
が必要だということです。

２）Yes/Noの質問ではなく、自分で主体的に考える聞き方をする。

ソーレンコーチは、「このレッスンの成長を確かめるにはどうしたらいいかな？」と子どもたちに聞き、主体的に考えさせます。Yes/Noの質問ではなく、自分で主体的に考えてレッスンのゴール（目標）を決めさせるのです。そして、それに向かって、レッスンしようとするとき、子どもたちはとてもやる気になっていました。

ここで、子どもたちのやる気につながっているのは、自分たちで決めた目標だということです。そして、ソーレンコーチは、その環境を創り出すため、Yes/Noでは答えられない質問をします。この「主体的に決めた目標」を作ることが、本当に大切だと感じました。

３）できたポイントをフィードバックをする。

「いいパスができたね。相手をよくみていたね」など、できたポイントをすぐにフィードバックします。それによって、子どもは、以前はできなかったのに、自分ができるようになってきたことに気がつき、目標に近づいていることを実感すると、さらにやる気になっていました。

このように、子どもをやる気にするには、実力と課題のバランス、主体的に目標を設定すること、そして、フィードバックをして目標に近づいていることを実感することでした。コーチがしていた環境作りは、子育てにそのまま当てはまると感じました。

今年、コロナ禍で過ごした時間で、私は、豊かな人生とはなにか？ 　ということも考えました。忙しい仕事や生活に追われて、それをこなしていく毎日ではなく、自分の好きなことは何か？ が分かっていて、「本当の自分」が求めることに時間を使う生き方。それが、自分を豊かにする生き方ではないかと思いました。

子どもたちにも、「これやりたい！」と思う気持ちを大切に、楽しみながら成長していける環境を創ってあげること（環境作り）＝親がしてあげること、だと感じました。

子どもは、自分の力で芽を出し、花を咲かせる力がある。その子どもの力を信じて、花が咲く環境（太陽・水・土壌など）を整えてあげるのが、親ができることだと思います。

豊かな人生を子どもが送るために、来年は、ソーレンコーチがしていたように、子どもの「これやりたい！」を大切に、実力と課題がバランスして、主体的に目標を設定できる環境づくりを目指したいなと思います。そして、フィードバックを心がけるたいと思います。

あなたは、来年、どんな子育てをしてみたいですか？今年を振り返りながら、来年の子どもの笑顔を思い浮かべながら、考えてみるのもいいかもしれませんね。

以下のソーレンコーチのyoutube（デンマーク流の子どもの育て方）ご紹介しておきます。お時間がある時にぜひいかがですか？

【奇跡のレッスン】
前篇　https://youtu.be/_3TzosMUfrc
後編　https://youtu.be/Co3HFwJM7xE