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「最後の一品店。」1周年の今とこれから
2023年3月にオープンした「マザーハウス 最後の一品店。」。
生産したプロダクトを最後のひとつまでお届けしたい、という想いからはじまった、前例のないお店がオープンして1年が経ちました。
忙しい毎日の中でも、オープンから変わらず笑顔のたえないスタッフ3人。1周年をむかえた今の気持ちを尋ねると、お客さまやプロダクトに向けた深い想いが返ってきました。(聞き手:広報・角田)
『「マザーハウス最後の一品店。」誕生ものがたり』はこちらから
語り手紹介
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今のおすすめアイテムはやっぱり復刻ジュートのトライアングルトート。
持った時に際立つフォルムの可愛さとジュートならではの軽さがポイントです。
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おすすめプロダクトは オックスフォード カディ V カット カーディガン。
ブラックとマルチカラーもあるんですが、形がとてもかわいいんです。
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今のおすすすめは、ハナビラ 2 ウェイ バックパック。
グラデーションが個体によって少しずつちがうので、見比べる楽しさもあります。
奇跡のような1年。
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ー 改めて「最後の一品店。」1周年、おめでとうございます!
1年を振り返ってみて率直に今はどんな気持ちですか。
吉浪) なんとか1年やれたなという安心感ですね(笑)、私はネガティブに考えがちなので。店長経験もなくお店を経営したこともなかったので、不安がある中、1年やりきれた安堵感があります。お客さまが来てくださったり、チームのみんなが楽しそうに働いてくれていたおかげで、やってこれたなと実感しています。
今は、次の1年は何をしようというわくわく感と、2年目に入ったことで次の1年もお客さまに1点ずつ大切に届けたいという想いで背筋が伸びました。
根形) 私は毎日、奇跡だと感じています。お店や倉庫にねむって一生お客さまに届かなかったかもしれないプロダクトが、「最後の一品店。」でまた1つまたひとつと日々お届けできています。新商品が注目されるのはもちろんですが、すべてのプロダクトが主役になれるお店がある意味がすごく感じられた1年でした。
清水) 私は正直、お店が1年間続くとあまり思っていなかったので(笑)、まず1年続けられたことに安堵感と嬉しさがあります。
改めてプロダクトひとつひとつの大切さを感じていますね。決して価値が低いわけではないのに、売り場に並べることができないバッグが倉庫にあることの衝撃がとても大きかったんです。
今、検品や修理を経て、ひとつひとつきちんとお客さまにお届けできていることに、とても大きい意味を感じています。
ー みなさん、前例のないことで様々な試みをされてきた1年だったと思います。定期的に行っている倉庫の検品や修理、オリジナルのリンネ シルク スカーフの販売や、「最後の一品店。」のオンラインサイトのオープン、直近だと復刻の一品プロジェクトなど、1年を通して様々な取組みをされてきたと思います。特に印象的だった取組みはありますか。
清水) 当たり前のことですが、お客様にお買い物を楽しんでいただくための空間作りが本当に大事だなと、1年通して感じました。
最初の数ヶ月は「このお店には意義があるからお店の説明をしよう」と店舗のコンセプトを一生懸命お伝えしていたんです。
もちろんコンセプトに興味を持ってくださる方もいらっしゃいますが、ご存知ない状態でも、単純に「かわいいから」「使いやすそうだから」とプロダクト自体に魅力を感じて選んでくださる方がたくさんいらっしゃって、それがとても嬉しかったんです。
中でも、全国で最後の1点となったプロダクトに添えている金箔押しの「最後の一品」レザータグをお作りしたことは印象的です。特別感を楽しんでいただきながら、お店のコンセプトをお話する良いきっかけにもなっています。
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1つずつ手仕事で仕上げていただいています
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根形) 私は2023年9~10月に開催した「手仕事の彩り ‐インドの職人が描くハンドペイント‐ 」が印象的でした。個人的にハンドペイントが大好きなので、その魅力を伝えたいという想いから企画しました。写真で手にしていた緑のストールも完売して、すごく嬉しかったです。「最後の一品店。」では、普段はラックにかかったまま注目されないプロダクトも含めて、すべてのプロダクトが主役になれるんだと思えて、本当に嬉しかったです。
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ー 1年目のインタビューの時に民族衣装の魅力を伝えていくことが夢とおっしゃってましたよね。ご自身の夢にもつながる企画でしたね。
根形) 好きな人はすごく好きだけど、好みが分かれるプロダクトなんです。その魅力を言語化して、どうやったらハードルが高く感じられるお客さまにもお届けできるのかということを一生懸命考えました。手に取りにくい、お洋服になじみにくいという印象を払拭して、実はコーディネートの華やかなアクセントとして合わせやすいと感じていただけたと思っています。
吉浪) 社内で販売できていないプロダクトや倉庫にねむるジュート生地やレザーなどに対する認識が、少しずつ変わってきたように思います。
たとえば「最後の一品店。」はほとんどバッグのみでスタートしたんですが、ストール生地でRinneシリーズが発売できたのは大きい前進でした。トライカラー ファイン シルク ストールは、手染めでうみだすグラデーションが魅力のひとつなんですが、繊細なシルク素材なのでどうしても染めムラができてしまったりするんです。こういったストールは商品として販売は難しいのですが、カットしつなぎ合わせることでリンネ シルク スカーフが生まれました。
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また、ジュートバッグを復刻してお届けできたのも印象的です。
もともとはジュート生地がまだ倉庫にねむっていると聞き、何かに使えないか使い道を探すところから始まったんです。マトリゴール工場長・マムンさんにファクトリービジット(※社内研修制度)に合わせて直接議論しにいったり、お客さま投票を行おうとイベント企画メンバーに交渉したり、ちょっとずつ仲間を増やして進むRPGのようなプロジェクトでした(笑)。
発売日にはたくさんの方にお買い求めいただけて本当に嬉しかったんですが、実はそのうちの半数はマザーハウスをご存知ない通りがかりのお客さまだったんです。マトリゴール工場で作っているものには時代を超えて愛される魅力があると実感しました。
こういったものが他にもあるんじゃないのかなとも感じています。
ー 最近ではフード部門でも、「イロドリ チョコレート」を作る過程で生み出されたチョコを「リン イロドリ チョコレート」にして発売したり、社内の意識の変化にもつながってきていますよね。
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もっと遠くまで、もっとプロダクトの魅力を。
ー 2年目に入りましたが改めて、取り組んでいきたいことがあればぜひ教えてください。
根形) 「最後の一品店。」には、遠方から定期的にお立ち寄りくださるお客さまも多くいらっしゃるんです。物理的な距離があってもお楽しみいただけるように、SNSやオンラインストアの発信は頑張っていきたいですね。
夢ですけど、トラックで全国回ってお客さまに会いにいきたいくらいです!
吉浪) 1年の間に「”めぐる”最後の一品店。」を京都、銀座、大阪、北千住と開催できました。「”めぐる”最後の一品店。」は、「最後の一品店。」までお越しいただくのが難しいお客さまにもお会いできる貴重な場なので、2年目も引き続き開催していきたいですね。
清水) この1年で、本当に幅広いお客さまにお越しいただけるようになりましたよね。遠方からも毎月のように立ち寄ってくださる方も多いです。
海外のお客さまも多いですね。お店のコンセプトをお伝えすると「ユニークだね!」と、お隣の本店と比較して見てくださいます。
他にもこのコンセプトを楽しく思ってくださる方がいるんじゃないかなと思うので、伝え方をもっと模索して新しいアクションにできたらいいなと思います。
根形) 私は、レアなバッグをお持ちのお客様の「愛を語る座談会」やりたいです!
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清水) 店頭でお持ちのプロダクトのお披露目会になる時ありますよね(笑)バッグからお財布や名刺入れを取り出して、カウンターに並べて見せてくださる。
根形) そうなんです!「最後の一品店。」でお届けしたプロダクトや、回収にお持ちいただいてリメイクプロダクトRINNEになったバッグは、物理的には見れなくなりますよね。撮影して記録に残させていただきたいです。SNSにも投稿していきたい。
吉浪) 「最後の一品店。」のSNSは、愛用品紹介で様々なスタッフにも出てもらっているのですが、将来的にはプロダクトを大事に使ってくださっているお客さまにも出ていただけるようにしていきたいです。
ー みなさん、お伝えするだけではなく、お客さまも「最後の一品店。」を一緒に形にしてくださっていると感じられてるんですね。
吉浪) そうですね。「最後の一品店。」に立つとお客さまが純粋に出会いを楽しみ、本当に素敵だと思って手にとってくださってるのがわかって嬉しくなるんです。
まだ活用されていない資源を形にして、お客さまがわくわくして手にとっていただけるようにすることが大事だなと思います。
清水) バッグ以外のジュエリーやストール、アパレルについても、もっとできることを模索していきたいですね。タイムレスな魅力のあるアイテムがまだまだたくさんあります。
店主からお客さまへ。
ー 最後に店主・吉浪からお客様へメッセージをお願いします。
この1年、お店にお越しくださったり、SNSにコメントやいいねをくださったり、さまざまな形で「最後の一品店。」をお楽しみいただき、本当にありがとうございます。私たちの大きな励みになり、この1年を続ける確かな原動力となりました。「最後の一品店。」は前に進み続けていくお店であり、お客さまが一緒に作ってくださっているお店だと思います。
2年目にむけて新しい企画も考えています。引き続き「最後の一品店。」を楽しみながら見守っていただけたらと思いますし、2年目も一緒に「最後の一品店。」をつくっていただけると嬉しいなと思います。
あらためて次の1年も、よろしくお願いします。
店舗情報
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マザーハウス最後の一品店。
03-6806-0987
東京都台東区台東1丁目10−6 サワビル 1F
公式Instagramアカウント
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公式LINEアカウント
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