紙芝居 「エイエンノヘイワ」 エバンスさんの捕虜収容所日記より
私達は、平成23年に、第2次世界大戦中捕虜として旧加悦町の大江山ニッケル鉱山で強制労働させられた元英国兵故フランク.エバンスさんの生涯を描いた紙芝居「エイエンノヘイワ」を製作しました。
第二次世界大戦中、大江山ニッケル鉱山で強制労働を強いられた元イギリス兵、フランク、エバンスさんの手記を元に-憎悪と和解の大江山-が2009年に翻訳出版されました。
そのお話しを子供たちにも解りやすく伝えたい思いから、2011年に「エイエンノヘイワ-エバンスさんの捕虜収容所日記より-という紙芝居を制作しました。それは、第二次世界大戦中に捕虜として与謝野町で苛酷な強制労働を強いられた、元イギリス兵フランク・エバンスさんの体験をもとにしたお話しでした。
エバンスさんは今から100年以上前の(1917年)にイギリスのウェールズ地方にある小さな村にひとりっ子として生まれました。 そして第二次世界大戦中志願して兵士になり、英国軍兵士として香港で戦い、日本軍の捕虜として捕えられ大江山捕虜収容所に送られます。
苦しい強制労働の末、生きてイギリスに帰ったエバンスさんでしたが、終戦から35年以上が過ぎても、戦争で受けた心の傷は癒されず苦しんでいました。
1984年(昭和59年)に旧加悦町を再訪したことをきっかけに、慰霊碑に刻んだ「さくらの平和メッセージ」は人々の共感を呼び、エバンスさんの出身であるウェールズ゛のアベリスツイスと与謝野町の交流が生まれました。
このお話は、フランク・エバンス氏が日本への憎しみを乗り越え、かつて捕虜として捕えられていた与謝野町に再訪したことがきっかけとして始まった交流の物語です。
与謝野町とエバンス氏のふるさと、イギリスのウェールズ地方の小さな町との間で、今も高校生の交換留学の取り組みが20年以上続いています。
紙芝居の上演は、当初は小学校の高学年を対象にしていましたが、新聞、テレビ取材などを受け次第に多くの地域、団体から声をかけていただくようになりました。
また紙芝居を見ていただいたあとは、この手記の日本語翻訳者である糸井定次氏によるスライドの上映と解説によってさらに理解が深まります。
自分達の生まれ育った町で起きた悲しい事実を知り、平和の尊さを身近に感じたとの感想がたくさん寄せられました。
「お互いの国を知ることによって、平和を築こう」と言う 与謝野町での国際交流についてもみなさんに知っていただければと思っています。10年以上に渡って、町内外の小学校、高校、また関西の大学の平和学習、立命館大学平和ミュージアムなど、さまざまな場所で上演してきました。私たちは、悲惨な戦争の歴史を知ることで、二度と戦争をしてはいけないという思いを強くし、与謝野町の歴史を伝えることはとても大切なことだと思いました。
依頼があれば、どこへでも荷物を持ち出かけ、紙芝居の上演を続けてきました。今でも年に何度かは依頼を受けますが、私たちは、この40分に渡るお話を上演しながら、紙芝居として読み継いで行くことの人的な難しさと、多くの人に伝える限界を経験し、この課題に直面していました。そこで、このお話を映像という形で残し、町民の方々にもっと与謝野町での歴史の一部を知っていただきたいと考えました。
私たちは、時の流れとともに徐々に読めなくなることに危機感がつのっていました。また、このお話を残すには、そしてもっと多くの人に知ってもらうのはどうしたらいいのだろう?
この40分に渡るお話を上演しながら、紙芝居として読み継いで行くことの人的な難しさと、多くの人に伝える限界を経験し、この課題に直面していました。
そこで、このお話を映像という形で残し、町民の方々にもっと与謝野町での歴史の一部を知っていただきたいと考えました。
そして、自分たちで紙芝居動画を作ろうと考え、絵を使う許可が得られたので、2022年 紙芝居動画を作るため、動画制作を学び、自主制作に取り掛かりました。