谷中キャリアカフェオーナー朝日よし美氏インタビュー
今回！マザーベースプロジェクトの谷中銀座拠点として、キャリアカフェをお貸し頂きました。実はキャリカフェのオーナーのビジョンや志にとても共感し、また、朝日さんもマザーベースプロジェクトのコンセプトや想いに共感して下さり、今回のイベントの運びとなりました。
朝日さんについてはこちらのインタビューをご覧ください！
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キャリアカフェって何？
どういう想いで始めたのか？
長編ですが是非読んでみてください。
キャリアカフェとは？
まる「知らない方もいると思うので、キャリアカフェとは何か？ずばり教えてください！」
朝日「キャリアカフェは、気軽にライフキャリアの相談ができる場所として、なんとなくモヤモヤしてたり、何をしたらいいか分からなくなっている人とか、専門家に話聞きたい！って人だったりとかが集まれる場所を提供しています。悩みとかってまだ言語化されてなかったりするから、カフェみたいにお茶しておしゃべりすることで棚おろししてスッキリしてもらえたら良いなと思っています。」
まる「一般的に聞くとキャリアと聞いたら、仕事や働き方、転職、出世みたいなイメージがありますが、困っている事が何か分からないみたいな方も来て良いんですね！」
朝日「はい。キャリアを考えるということは、「自分がどう生きたいか」を考えるということです。いろんな人が集まって、様々な話をしながら、楽しく自分の キャリア＝「働き方」「生き方」に出合える場所として運営しています。」
まる「キャリアと聞くと、背中ビシッって感じがしますが、カフェのほっこり感としっかり共存した取り組みですね」
キャリアカフェを立ち上げるきっかけ
まる「キャリアカフェを立ち上げるきっかけを教えてください」
朝日「自分は、子どもが生まれたのを期に、給料が半分になったけどやりがいがあった。人材紹介面白いなって思ってたし、相談出来る人も愚痴を言える人も仲間もいた。子ども1歳の時にフリーランスになって旦那さんよりお給料取れるようになってきた。そんな時に、周りを見渡していると、保育園のママが大変そうだった。子どもを怒ってたり、しょんぼりしてたのを見て、ママさんが心の余裕を持つ場所ってどこなのかな？とふと考えたのがきっかけでした。」
まる「ふむふむ、ママさんたちの様子を見て( ﾟдﾟ)ﾊｯ!となったわけですね」
朝日「住んでる街を見渡して、ママチャリで飲食店回ってショップカードを集めて、地域のママと話せる場所を作ろうと思って走り出しました。」
まる「行動にすぐうつす所がスゴイｗ」
朝日「公園で赤ちゃん抱っこしてたり子ども連れてる人に声かけて“Happy Life Style Cafe”っていう名前で地域のお店やレンタルスペースを借りて、月に1回ママの相談できる場所を作ったっていうのが始まりです。」
まる「今のキャリアカフェになる前にも色々試行錯誤しながらやっていたのですね？立ち上げはお一人でやったのですか？」
朝日「いえ、3人の女性でキャリアカフェを立ち上げました。キャリアコンサルがやってるような事をやりたいっていう想いがあって、起業してから相談出来るようなプロ（士業の人）だったりを繋いだりちっちゃいマルシェみたいなのもはじめました。」
まる「頼れる仲間とチームで大きくしてきたんですね！私がやっているマザーベースプロジェクトもそうです。ではこのキャリアカフェは主にママさんの為にやられている活動なんですね」
キャリアカフェが広がって行くまで
まる「キャリアカフェの取り組みから8年経って、今色んな地域の拠点で開催されていますが、どうやって広がりを作って行ったのですか？」
朝日「コロナ禍でリアルがなくなり、オンラインでキャリアカフェをやりました。それでも住んでる街なら出来るよねって、感染に配慮して少人数でリアルの場もやり続けました」
まる「あの時のリアルは貴重でしたね」
朝日「こんな時でもリアルな場所に人が集まってきて需要があるって思ったから、フランチャイズ展開しようかな？って思ってライセンスにして実験的にやってみたんです」
まる「聞くとあっさり言ってますが、大変だったんじゃないですか？」
朝日「オンラインとリアルを融合したキャリアカフェは、出店者さんが大変で、パソコンに向かってはなしたり、リアルで目の前の人と話したり。それが難しくて参加しなくなる方もいました。」
まる「ダブルでやるには工夫がいりますよね」
朝日「大変だったこともありますが、当時は、南千住でやってたのが、川口とか浦和とかやりたい人がどんどん増えていったのは有難かったです。」
まる「結果フランチャイズしてみてどうでしたか？」
朝日「意外とうまくいきました。集客しなくてもちょこちょこ来ているし、その場所でやっているっていう事が、そこに住む人たちのお守りみたいになってる。メンバーも仕事しながら活動しているのでこの事業で収益を出そうとかそういう風には考えていません。」
まる「病院とかコンビニが近くにあると安心するのと一緒で行かなくてもある事で安心するっていう場所をつくれたんですね。素晴らしいと思います」
キャリアカフェをやって良かった事
まる「キャリアカフェをやってみて良かった事は何ですか？」
朝日「たくさんの人とつながって、たくさんの人を繋げられることです。みんなここにくると笑顔になるなって感じます^_^」
まる「素敵ですね。」
朝日「横の繋がりでビジネス、縦のつながりで社会貢献に繋がってるんじゃないかなって」
まる「どういう意味合いですか？」
「横のつながりは、キャリアカフェ出店者さん（事業をしている経営者）です。何度も顔を合わせているとお互いのお仕事がわかるので、協業したり、その人にお仕事依頼したり、紹介したりします。」
まる「なるほど！縦の繋がりは？」
朝日「縦のつながりでは地域のママやシニアの方、子供達がふらっと気軽に相談できる場所があると、街の人を笑顔にできるっていう意味で使ってて、住んでる街で働くということをサポートしたりしています。」
まる「地域の企業と地域の人をつなぐ。社会貢献につながる活動ですね。マザーベースプロジェクトの地域と都会と海外を繋げるにも通じるものがありますね。」
朝日「はい、なので、まるカリちゃんのお話聞いた時に貢献して何かお手伝い出来ないかなってすぐに思いました」
まる「朝日さんとの出会いは奇跡的です！ありがとうございます！もうひとつのインタビューでは飲食業界を良くしたいというビジョンをお伺いしましたが、この活動もそれに繋がっていますか？」
朝日「キャリアカフェの会場は元々は、地域の飲食店やレンタルスペースです。住んでる街の飲食店を街の人がイベントを通して知るきっかけをつくり、いいお店がたくさんふえて地域の人が働いたり、レンタルスペースではデリバリーを頼むことで飲食店を知ってもらったり、働く人もお客様も地域の人で盛り上げていけたら売上も上がり、働く環境がよくなり、人の問題で悩まなくなればいいなと思っています。」
まる「ビジョンとしっかりリンクしているんですね」
谷中キャリアカフェの立ち上げ
まる「過去、色んな飲食店や行政の施設とコラボしながら拠点を広げていったわけですが、2023年の1月、初めて谷中商店街の旧ちょんまげいもにご自身で拠点を構えられましたね。」
朝日「はい」
まる「これはどういった心境でスタートしたのですか？」
朝日「飲食店を主体としない飲食店をやりたかったんです。この時代でいうところのコミュニティースペースってやるですよね。色んな地域の飲食店とコラボさせて頂いていたんですが、月1じゃなくて毎日やりたかったから拠点を持ったっていう感じです。」
まる「固定費もかかるので結構なリスクかと思いますが、そこに踏み切ったのは何故ですか？」
朝日「この日はいますか？とかこの日にやって欲しいっていう要望を結構頂いたんです。相談出来る人が月1回しかいないじゃなくて、カフェ（自分たちの拠点）なら毎日とか週一来るかもしれない、お買い物帰りに大根とネギ持ってお茶しにくるかな？みたいな所から谷中にカフェを作りました。」
まる「拠点があることによって変わりましたか？」
朝日「そうですね、活動を広げていくのと拠点を持つのはやはり違うので、今は地域に根ざした活動も合わせて頑張っているという感じですね」
地域密着、意外と難しい!? 試行錯誤の毎日
まる「キャリアカフェでうまくいかなかったこと、挫折したことはありますか？」
朝日「地域密着とか地域創生って想像してるより難しいなって思います。飲食店作りと同じで想いが強い人たちが集まると衝突してしまうこともあります。」
まる「そういう時はどうしているんですか？」
朝日「その時は言い訳せず必ず謝るようにしています。」
まる「変な質問かもしれませんが、なぜ朝日さんが謝るのですか？」
朝日「これはもう飲食店のクセみたいなものですが、やっている事の謝罪ではなく、そう思わせた（相手を不快にした）自分に非があると思って謝罪してます。みんなそれぞれの正義がある、それを分かろうとする対話が大事だと思ってます。でもまずは謝って話を聞いて貰える状態を作って行かないといけないかなと思ってます」
まる「正直な話、分かりあえるのでしょうか？変えたくない。そのままが良いという人はどこにでもいます。相手の想いや気持ちを理解することはとても重要だと思いますが、誰かが破壊していかないとそのまま廃れてしまうものもあったりしませんか？」
朝日「まるカリさんのおっしゃる通りで、まるカリさんも地域の活動をされているので、色んなしがらみがあったり、動きがとりづらい事のご経験があると思います。
自己満足ではいけないけど、従っていたら何も変わらないし、中から出来ないならば外からという役割りを担う必要があるのかもしれません。でも対話を続けて、いつか分かり会えると信じる気持ちでやってます」
まる「地域創生なんていう言葉はおこがましいなと自分でもよく思います。ただ、自分に出来る事はなんだろうと問い続ける事や自分の出来る事を精一杯やっていくしかないのかもしれません。矛盾するみたいですがそれも地域に貢献している事だとも思います。」
朝日「分かります。大きな金額を動かしているから偉いとか、バックにこんな企業がついているからスゴイとか、これだけ沢山の企業を応援しているんだぞっていうんじゃなくて、誰かが街のごみを拾ったらそれも地域貢献だし、遊びに来て地域にお金を使ったらそれも地域貢献だと思います。偉いとか偉くないとか比較するものでもないと思っています。」
まる「朝日さんは、今谷中商店街にお店を借りて、家賃も払って、お商売をしながら、税金を納めているわけですから、それだけでも十分地域に貢献をしていると思います。」
朝日「ありがとうございます。谷中商店街の皆さんそれぞれ素敵だし、良いモノを提供しているし、商店街を盛り上げようという気持ちはあるので、皆で街を盛り上げられたら良いなと思っています。」
まる「なんでもそうですがいきなり順風満帆みたいな話はないと思いますが徐々に折り合いがついたり、うまく回って行くと良いですね」
朝日「はい、地道に誠意をもって関わって行こうと思います。」
まる「朝日さんがやろうとしている谷中銀座ご紹介ツアーもその一貫なんですね」
朝日「そうです。カフェに来て下さった方々に谷中の魅力を知って貰いながらそれぞれのお店でお金を落として貰えたら嬉しいなと思っています。」
まる「自分のお店の売上が上がればそれでいい！じゃなく、自分のお店に来てくれた人に商店街の素敵なお店を紹介するっていう素敵な取り組みですね♪」
朝日「今は地元の人と組んで、【谷根千散策】を既にやっていてるのですが、それを谷中商店街に特化させたものをやろうと思っています」
大事にしていきたい事
まる「この活動をしていて、大事にしていることを教えてください」
朝日「明るくニコニコしている事です。」
まる「シンプル～でもめちゃくちゃ良いですね」
朝日「まるカリさんを見ててもそうだなと思いました。」
まる「私ですか？」
朝日「まるカリさんのマザーベースのイベントの時に参加者の方が、まるカリさんに会いに来た。とか、なんか分からないけど、絶対楽しいと思ったから来た。と仰ってて、こういうのは伝染していくものだなと改めて思わせて頂きました」
まる「照れますｗ」
朝日「だから私もニコニコ常にしていようって思います！後もう一つはボランティアにならない事です」
まる「分かります！」
朝日「キャリアカフェで大きな利益を生み出したり稼ぎたいとは思っていません。本業もありますから…。ただ、事業としてやっているので、売上を作り稼げる仕組みを作るのは大事だと思っています」
まる「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言であると言いますが、私もその考え方は同じです。継続するためにも事業として収益を得る事は健全だと思います」
朝日「ところが、意外とここが伝わりづらいポイントでもあります💦（笑）ボランティアって自立して豊かな人がやる事だと思うのですが自己犠牲だって思う方も中にはいます。これはキャリアカフェに来るママさんにも大事なポイントなので伝えています」
まる「例えば子育てのサポートしたいのに自分の子どもに精一杯は無理ですもんね」
朝日「ただ、これって得意、不得意があるみたいで不得意な相手に求めるのは辞めました。もっとママたちがわがままに働けるようにするのは、こっちで場を整えれるようにしていきたいと思います」
まる「なかなか、シビアに見て改善してきているんですね。」
朝日「他人に期待してはいけないし、人の可能性を信じる事もどちらも大事だと思います。あくまでもキャリアカフェはその入口をあけるだけで、後は本人がどこまでやるかでしかないですし。」
まる「それでも、話を聞いてくれるだけで、居場所があるだけで、救われるママさんたちは数多いと思います」
朝日「その為にやっています。」
まる「この活動がまたどんどん広がって行くと良いですね。」
朝日「ありがとうございます。まるカリさんとも沢山コラボしていきたいです！」
キャリアカフェの今後
まる「キャリアカフェは今後どうしていきたいですか？」
朝日「もっと知ってもらえるようになったらエリアを広げていきたいです」
まる「どんな人に来て欲しいですか？」
朝日「子どもから大人まで。ママさん含め、引っ越してきたばかりで友達欲しい人、地域の繋がり作りたい人、若い世代からシニアまで住んでる街で働きたい人に来て欲しいです」
まる「どんな気持ちになって、どんな行動に映して欲しいですか？」
朝日「ワクワク、楽しい気持ちになって、周りの人を応援したり、助けたり、地域の繋がりを増やして、住んでる街を好きになって欲しいです」
長時間にわたるインタビューありがとうございました。
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谷中キャリアカフェで行ったイベントの開催レポートはこちら
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