夫に対する傾聴の実践「病気じゃないからほっといて」
受洗した直後の私は、はじめての聖会で私の信仰告白を聞き、
声をかけてくださった精神科医の先生とお話することできました。
そして、その先生が統合失調症の方におすすめの本とご紹介してくださった
「病気じゃないからほっといて」という本の中の、
リープという手法を生活の中で本気で実践してみようと思いました。
この本は病識に乏しい人に対するアプローチ法が書かれており、
私はリープの第一段階、傾聴するということを夫に対して実践してみました。
息子が幼稚園にいってる間、午前中は夫との会話する時間になりました。すると、家庭内の雰囲気が変化していったのです。
そして、私は夫が私に対して話をすることを諦めていたことがわかりました。どうせわかってもらえない、どうせ聞いてもらえない、という思いです。わたしがこの傾聴を意識して実践しはじめてからそれほど経たないうちにです。
夫は2016年に夫にとって大切な大きな存在をなくしていました。
年初めには父親を、年の瀬には親友とも呼べる友人です。
義理の父を亡くしてからの夫は自分で意識してないと思いますが、子供のころの話をよくするようになっていました。それは幼い頃、義父と一緒に過ごすことが多かった夫にとっては自然のことなのだと思います。
リープを実践するようになり、より一層いろいろなことを話してくれるようになりました。亡くした友人のこともよく話をしていました。そして、息子を通し、また自分の子供時代を思い出しては子供のころの話をよくしていました。その際、夫の本音がチラチラ垣間見えるようになり、よく涙を流すようになりました。普段はポーカーフェイスの夫なので少し驚きました。
口数少ない、表情もあまり変えない夫がよく涙を流したり、自分の親に対する思いをこれまで多く話てくれたと思います。
息子に接する私をみて、よく口にすることがあります。
「俺はこんなふうにしてもらわなかった。」
夫は息子をみて、自分はこんなに愛されなかったと思うようです。
でも、母親になった今、確実にいえることは心底息子を愛してない母親はいないということです。俺は愛されてこなかったと思っている夫に対して、愛し方が違うのだろうと私は夫に言いました。それから、夫の病気も手伝い母親の愛情の受け取り方の違いも感じています。
そのような夫は自分を強くみせることに精をだし、お金を稼ぐことにエネルギーを費やした10代だったようです。
私もいろいろ悩みはありましたが、人並みの衣食住や、特に父は教育に関して意識し大事だと思うものは与えてもらいました。
でも、親になって思うことは、まわりを見てもみんな必死に生きている。
みんな価値観や考え方が違うので、相手を責めてしまいそうになるけど、
当時の夫の両親も必死だったのだと思います。子供たちを守るために、自分たちの生活を守るために一生懸命だったのだと思います。
夫は父親の最期、ちゃんと話がしたかったといってました。本音を言わない人だったようです。夫はすぐに責める母親が悪いといっていましたが、私も夫に対して同じことをしていたのかもしれないと思いました。
言わないではなく、言えなかったのでしょうね。
でも夫婦の間のことは誰にもわかりません。
本当のところは2人にしか。
この傾聴をはじめてから、夫とこれまでにないほどいろんな話をすることができました。すると家庭内の空気が愛で包まれているのがわかったのです。
息子の様子をみていれば一目瞭然でした。
いつもニコニコ笑っている息子です。
幼稚園やご近所さんのママ友さんとの関係は相変わらずでしたが
一番の基である家庭内の空気が変化していったのです。