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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件
36.消去
久しぶりに皆さんで頂く食事をお楽しみください。
最後に見たのはいつだろうか。自称"責任者"の女性は姿を現していない。そして、他にも何人か会場にいるはずの人物がいないようだ。
う〜ん。どういうことかなぁ。本当にデリートされちゃったとかぁ?
あなた、不謹慎よ。
だが、王様ゲームでデリートされたプレイヤーたちがここにいないのは事実だね。…1人を除いては。
あら?私のことかしら?
はい。ただ彼らとあなたは競技の中でデリートの対象となったことに変わりありませんが、異なる点もあります。
誰にデリートされたか、ね。
うん。デリートされたのは10名のプレイヤーのうち6名。その中で5名はこの人…つまりSにデリートされたけど、Sをデリートしたのは最終日に王様となったソナタだ。
Sにデリートされた者は、本当に消される…?!
それはまだ分かりません。ですが、5人がここにいないのが偶然とは考えにくいのと、事務局から何も説明がないのが気になります。
すみませぇ〜ん。ちょっといいですかぁ?
旧友が両手を挙げて大きく振りながら壁際にビッチリと立つ黒服たちへ呼びかけた。物怖じしない性格とポジティブに捉えるのか、デリカシーがないとネガティブに捉えるのか、人によって意見は分かれる言動であろう。
競技でデリートされた人たちがここにはいないんですがぁ、何かあったんですかぁ?
意外とあっさり黒服の1人が前に出て、旧友との距離が少し離れていたので大きくしっかりとした声で答えた。
彼らはお帰りになりました。
帰ったぁ?ちゃんと生きてここから出たんですかねぇ?そんなこと最初に説明ありましたっけぇ?
…。
黒服は2つ目の質問には答えず、一歩下がり、自分の持ち場に戻った。
ま、まさか本当に…。
黒服の回答に赤髪女はますます心配を募らせたようだ。
おい!お前らどういうことだよ!
今度はパサパサ金髪男が血相を変えてロンドたちの方へ近寄って来る。
私たちに言われても知らないわよ。とにかくあの5人はここにはいないってことね。
ソナタの言うとおり、いまは何も分からない。一つ言えるとしたら、明日からの最後の競技は十分に気を付ける必要があるってことだね。
何も分からないのに何を気を付ければいいんだよ!お前らといても時間の無駄だ。俺は部屋に戻るぞ。
どうぞ、お気を付けて。
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