新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件
22.豹変
赤縁メガネの女性は"事件"の経緯を話を終えるとカップに口をつけた。
すっかり冷めてしまったわね。淹れ直してくるわ。
女性は立ち上がりカップを下げトレイに乗せると、赤いピンヒールをコツコツならしながら部屋を出て行った。"犯人はきっとあの子ではない?いや、あの子かも知れないし、全く無関係の人間かも知れない"…様々な考察が生まれては消え消えては生まれるが、無論、真実に辿り着くには事実を積み上げるほかなく、想像、妄想、空想、予想、推測、勘、運、思い込みの類は一切を排除しなければならない。ただし、仮説を立ててそれを立証していくことはむしろ必要で、人類は"かも知れない"からこれまでの文化を築き上げてきたのだ。そして、ただ机に向かって考えるだけでなく、常に行動することも重要なのである。
コートも脱がずに話を聞いていたソナタは左ポケットに入っている紙の裏側に要点を書き留めていて、それを見ながら赤縁メガネの女性の話を思い返し次のアクションを考え、やがて一つの仮説に辿り着いた。自信なさげな男性は足を広げ両肘を太ももに置き、組んだ手を額に付けて目を瞑ったまま動かない。
ところで変装名人さん、いつまでそうしているつもり?
男性は体勢はそのままで、口角を上げニヤッとした笑みをこぼした。
あの子は見たことないけど新人さんなのかしら。
とても優秀なんだが話が長くていけないな。ゆっくり話している時間がなくなったよ。続きは車の中で。
その男性は顔を上げてそう答えると入口のドアを開け部屋を出るよう促した。自信なさげな雰囲気は消え、別人のように堂々とした男性に先導され裏口から外へ出ると、2人は目の前に止まっている車へ乗り込んだ。助手席に座ったソナタが隣の男性を見ると見知った表情の旧友へと変わっていたが、変装が解かれることはなかった。
それにしてもあなた、よく私の居場所が分かったわね。GPSも何もかも取り上げられたって言うのに。
何もかもぉ?俺を見くびってもらったら困るなぁ。ちゃんと君の体内に入っているじゃないかぁ。
あなた、まさか…
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