新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件
16.悪癖
2人は会場を後にして、ロンドの部屋へ戻った。途中、旧友の部屋の前で佇む係員を横目に。
外との通信手段がなくなったいま、昨日の事件の調査結果をどうやって入手するの?研修が終わるまでは諦めるしかないのかしら。
いや、犯人はこの建物内にいるかも知れない。研修が終わってしまったら事件は迷宮入りしてしまう可能性もある。
じゃあ何か策でも?…あなた、まさか?!
ご名答。君にしては気付くのが遅かったね。
…私にまで秘密にしておくことはないじゃない!!
すまない。ただ、この室内も100%安全とは言い切れないからね。リスクを最小限にしたかったんだ。
この会話も聞かれているかも知れないわね。
ああ…そろそろ集合時間だ。彼は普段はルーズだが、仕事となればきっちりやるタイプ…
ちょうどその時、ドアをノックする音が聞こえる。ロンドが外を確認してドアを開け旧友を迎え入れるとすぐに閉めた。
首尾はどうだい?
お前のせいで寝てないし食べてないし、係員の人には平謝りだし散々だよぉ。
はは。それは悪かった。その感じだとうまくいったみたいだね。
何とかねぇ。必要な道具が何もなかったからすごい苦労したなぁ。
旧友は1枚のメモ書きをロンドに手渡した。そこには付着していた血液が誰のものか、車の所有者は誰か、など事件に関する調査結果が書かれていた。ロンドは盗聴されていることを考慮し、会話をやめ情報を記憶することに徹した。ソナタにメモを渡すと彼女は一瞬見たと同時に紙を飲み込んだ。
ソナタァ。その癖は直すことをお勧めするよぉ。体内に入れるものは安全が保証されたものだけにしないとねぇ。
そうね。でも確実に証拠を消すには良い方法じゃない?
僕も彼に同意だね。いつか痛い目を見るよ。
はいはい。検討しておくわ。
3人は研修会場へ向かう。旧友は係員を先に向かわせたようで、姿はなかった。
あぁ…眠いぃ…腹減ったぁ。今日の研修はまともに受けられないなぁ。
チームに分かれて行う研修…どんな内容なのかしら。
"上"がわざわざこうして何人もの受講者を集めている。きっと何か目的があるに違いない。あまりいい予感はしないね。
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