新感覚！解決しないミステリー小説ロンドの旅 Part3ロンドとソナタの旅 Chap1東京の事件-再捜査

8.馥郁

発見した生徒は救急車を呼んだ後ぉ、警備室にいた警備員を連れてきてぇ、一緒に鍵を壊したぁ。数分後に救急隊が入った時には既に先生は危険な状態でぇ、病院まで搬送されたけど死亡が確認されたぁ。駆けつけた奥さんが霊安室で先生の顔を確認してぇ、その後は警察で遺体を調べたぁ。数週間後、奥さんの元に遺体が返されてぇ、漸く葬儀が行われた…ってとこだなぁ。

　なるほど。ありがとう。じゃあ…いつ誰が毒を仕込んだか、そして倒れていた先生が発見された後の状況…この2点を重点的に調査しましょう。

かぞく

　そうね♫家族はどの事件にも必ず深く関係している。まずは先生の奥さんにもう一度話を聞いてみましょう。

　オーケェー。でも腹が減ったなぁ。まずは飯を食おうぜぇ！

　珍しく意見が合うわね。朝から何も食べてないから私も何か口に入れたいわ。

　いいわね！じゃあルームサービスを頼みましょう♫

ソナタとバルカが加わり、再び彼らの捜査が動き出した。少しずつ"著名人殺し"の全貌が明らかになっていく一方、1人大空へと飛び立ったこの物語の主人公はいずこへ。一連の"著名人殺し"…少なくともロンドたちが関わった8つの事件では"家族"がキーワードであるというのがソナタの仮説だ。すべての事件のキーパーソンとして、ターゲット（被害者）の"家族'が関わっている。そのため、東京の事件のターゲットである先生の"家族"に何か手掛かりがあると考え、一行は再び彼の妻を訪ねた。

　ソナちゃん、久しぶり。…大変だったわね。

　いえ…奥様の方が何倍もお辛いと思います。そして、ロンドたちと私は先生のサポートのおかげで再会することができました。本当にありがとうございました。

　家族が再会できて何よりよ。でも彼の姿は…見えないわね。

　はい。ロンドは…

　そう…。でも彼のことだからきっと何か考えがあってのことでしょう？信じて待つしかないわね。

　そう…ですね。

　さあさあ、上がって。線香でもあげてくれればあの人も喜ぶわ。

"タウン"から都内の一等地へと移住した恩師は家族4人で静かに暮らしていた。息子と娘は巣立ち、夫婦2人だけでは広すぎる大邸宅で今では妻が1人で暮らしていた。子供たちは父親の葬儀終わるとすぐに自分達の生活に戻ったようだ。妻によると親子関係は悪くはないが良くもないと言う。ソナタたちは手を合わせたあとダイニングに通されテーブルを囲んだ。そこでは熱々のコーヒーとオレンジジュースが振る舞われ、ちょっとした雑談のあと本題に入った。

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