新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件
7.逐電
鬱蒼と生い茂る木々の間を抜けて4人を乗せた車は直走る。舗装されていない道を地図だけを頼りに進んでいた。なぜかカーナビで確認しても目的地である施設は出てこないのだ。とにかく3人は、とても歩きづらそうな道中を見ながら、車に乗せてもらえて幸運であったと思っていた。
あ、もしかしたらあの建物かしら。
そうですね。こんなところにいくつも施設はないでしょうから。
それにしても、君たちラッキーだったわね〜。こんな道を歩かずに済んで。
はい。ありがとうございます!乗せてもらえて良かったです。
ヨシヨシ、素直でよろしい!
運転手の隣に座る旧友はすっかり寝入っていた。初対面の人間が運転する車で、しかもここまで来るのになかなかの激しい揺れだったはずだが、彼はそんな環境であっても眠れるタイプらしい。やがて建物の入り口らしきところに停車し3人は外に出て辺りを確認した。近くで見るとこのドーム上の施設はあまりに大きく全周が分からない。山奥には似つかわしくない巨大な人工物は誰が何のために建てたのだろうか。徒歩での移動を想定していたため集合時間まではまだ少し余裕がある。彼らは気持ちよさそうに寝息を立てている男を車に残し、辺りを探索することにした。
で?君たちは子供だけでこんなところに何しに来たの?しかもこんな施設があるなんて私も初めて知ったわ。
えー…勉強です!塾の合宿なんです。私も初めて来たので全く分からないですー。
ソナタのあからさまに怪しい態度にあえてツッコミは入れず、黙々と建物に沿って進んでいく。だがしばらく歩いても新しい発見はなく、戻ることを考えるとそろそろ引き返すのが良いとの判断に至った。森の中に佇む窓も扉もない鉄の塊はあまりにも不気味で、2人はこれからの"研修"にいささかの不安を覚えずにはいられなかった。
ふう、やっと戻ってきたわね。じゃあ時間になるまで車の中で休んでいましょう。
ありがとうございます!でもそこまでお付き合いいただくのも悪いのでお帰りになって大丈夫ですよ。
いいわよ。大人の人に引き渡すまでが私の責任。しかも彼を起こすのはかわいそうよ。…あれ?
いない…ですね。トイレにでも行ったかな。
車内でグッスリ眠っていたはずの旧友は忽然と姿を消したのだった。
こ、これは…血?
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