新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件
10.返礼
遺体の確認後、女性は病院とのやり取りを済ませソナタが待機している車に戻った。ソナタが最初にやるべきことは決まっている。女性の父親の殺害を依頼した人物"クライアント"を探し出すのだ。病院の駐車場に車を停めたまま2人は殺害現場に残された"未来日記"の考察を再開した。
これから先、犯人に近づけば近づくほどリスクは大きくなり、危険もより大きくなります。…それでも犯人を探しますか?
----あなたの職業は事件コンサルタントって言ったわよね。私でも仕事の発注はできるのかしら。
はい。でもその前に教えてください。犯人を探す理由は何ですか?
アハハ…復讐!----とでも言うと思った?私は真実を知りたいだけよ。
明るく振る舞ってはいるが、彼女から深い悲しみが伝わる。父親を失った直後だから当然なのだが、それとは違う…いやそれ以上の何かに彼女は気づいているからなのかも知れない。ソナタは、こんな状況でも窮地を救ってくれた彼女への恩を返したい思いが強く、何が彼女のためになるかをよくよく考えている。もちろんロンドたち家族の安全確保を第一に考えなければならないし、そのためには一連の"著名人殺し"の真相究明が重要であることも分かっている。
もしかして…あなたにはこの事件の犯人として思い当たる人物がいるのではないでしょうか?
…どうやら瞬間記憶だけじゃなくて人の心を見抜くことにも長けているようね。
いえ、専門分野ではありませんよ。…それでは、私の推理の続きをお話しします。あなたの頭に浮かぶ人物と合っているのか、答え合わせしましょう。
分かったわ。
犯人は日記にある"細工"をした可能性があることまではお話ししました。その"細工"には、日付の間に書く線…スラッシュが大きく関係します。ヨーロッパでは"日/月/年"の順に書くのが主流ですが、ハンガリー出身のお父様の日記では、アジア圏で主流の"年/月/日"で書かれていました。そしてもう一つ…音楽家であるお父様は楽譜に指揮者の指示を書き込むときのクセで、普段から文字を走り書きすることが多かった。犯人はこの二つの条件を巧みに利用し、日記に書かれている自身につながる証拠を隠した…と、私は考えています。
う〜ん…その答えはサッパリ分からないけど、私には1人、父や私のことをよく思っていない人物が思い当たる。でもあくまでも直感で、証拠はないの。だから父の日記が手がかりになるならとてもありがたいわ。
そうですね。それでは私の中の"答え"をお話しします。
車を病院の駐車場に停めたまま話し込んだ。女性の自宅を朝早くに出発したが、もう時刻は夕方。天気は相変わらずどんよりとしている。まるでこれからの2人の行く末を暗示しているようだ。
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