新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.1ルンビニの事件
10.栄光
老人は2人を案内した。壁や床などの内装には濃い茶色の木材が使われていて、時計やカーテン、生けられた花や花瓶など、どれをとっても主人のこだわりが感じられる。応接室まではいくつかの部屋を通り過ぎ、何人もの使用人とすれ違った。
こちらでございます。
老人は扉を開け2人を中に誘導すると、座って待つよう促し会釈をして立ち去ろうとしたが、ソナタが呼び止める。
すみません!お聞きしたいことがあります。
はい。なんなりと。
使用人の方がたくさんおられるようですが、事故の夜、奥さまはなぜ自ら買い物に出られたのでしょう?
はい。旦那様はご自身が口にするものは、食材の調達から調理までをすべて奥さまに対応させたいというこだわりがあるのです。何でも、2人で助け合って生活していた若い頃の貧乏時代の気持ちを忘れないためとか。ですので、その日も使用人ではなく奥さまがお出かけになられたのです。
なるほど…。あともう一点だけ教えてください。ご主人は毎晩牛乳を?
ええ。夜はそのままお飲みになりますが、朝はシリアルにかけて召し上がります。これも何年続けている旦那様の日課です。
そうでしたか。よく分かりました!ありがとうございました。
老人は話が終わると部屋を後にした。室内の真ん中には立派なレザーのソファとガラスのテーブル。壁際にはいくつもの表彰楯などが入った戸棚が置かれている。主人が俳優時代に受賞したものだろうか。ほかには、被害者である演出家のものと思われるサインが書かれた台本が何冊かあった。
ふん…こんなものを飾ってるとはな。
クライアントの男性は、明らかに不満そうに呟いた。その表情からは、怒りと共に焦燥感のようなものが感じ取れる気がしたが、気のせいなのだろうか。室内を観察していると、扉をノックする音が聞こえてくる。老人がコーヒーを3つ持ち中に入ってテーブルへ並べながら、間もなく主人がやってくると告げた。ソファに戻り少しすると再び扉をノックする音が聞こえたので、入室を促すとともに2人は立ち上がる。いよいよ主人のお出ましだ。
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