新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.2アントワープの事件
26.核心
俺らの会話はさっきの赤縁メガネが聞いている。アントワープの事件の捜査は彼女に任せるんだ。
----殺害現場には被害者の手帳のほかにメモがあったわ。そこにはこう書かれていた。
"pfpp fff ppff fppf fppf"
…。
2人が幼少期に遊んでいた暗号遊びの1つじゃないかしら。さっき聞いた過去の事件の中で言ってたわね。
その言い方だともう解読ができているようだな。
まあね。よくある簡単な暗号よ。あのとき、団長の娘と名乗る女性に手帳のことかメモのこと、どちらを話すか迷ったわ。とても良くしてくれたとはいえ、完全に信頼できるかどうかの判断を下すには時間が足りなかった。でも情報を出さないことには事態が前に進まない。一瞬のことではあったけどそんな葛藤の末、まずは情報量が多い手帳の話を持ち出した。
…。
きっとこれで良かった。団長の娘にメモのことを言っていたら、彼女はすぐその意味に気付いて1人でクライアントの元へ向かっていたかも知れない。
う〜ん、もう少し順序良く話さないと赤縁メガネがついてけないよぉ。
旧友の口調が戻った。どうやら彼は極めてシリアスな会話の時だけ語尾が伸びるクセがなくなりハキハキと話すようになるようだ。
私はあなたの部下の教育係じゃないわ。それはあなたの仕事。そんなことより、過去の事件を知ったうえでメモにあった暗号を解けば、捜査線上に新たな人物が浮かび上がる。つまり、私は最初から"答え"につながる情報を持っていたってことね。
へぇ。
しかも、あなたは私に隠してることが少なくてもまだ2つある。1つは極めて重要なことよ。
…。
1つ目。あなたは団長の娘をボディガードとして私に近づけた。ただ一般人の彼女にそれは務まらないし、彼女自身にも危険が及ぶ可能性もある。あなたのことだから、彼女のことも私のことも守ることができる策を考えたはずよ。
…。
お得意の変装。彼女に代わる誰か…赤縁メガネさんなのかほかの人なのかは分からないけど、"上"の人間を彼女に変装させ送り込んだ…いや、送り込もうとした。
おやおや、気付いていたんだねぇ。
私を騙そうなんてあなたも偉くなったわね。私が一般人と"上"の人間の違いを見抜けないとでも?
まぁ、そう簡単に見抜けるのは君とあと数名しかいないだろうけどねぇ。部下には厳しく教育しておくことにするよぉ。
つまり、"上"の人間に団長の娘の変装をさせて、私のボディガード兼アントワープの事件を解決に導くパートナーとして送り込もうとした。だけど、結果的に私の元へ来たのは団長の娘本人だったということ。
ご名答。相変わらずやるねぇ。
2つ目。これからの私たちにとって極めて重要な事実であり、早急に明らかにすべき重大事項よ。
…。
いくらあなたがGPSで私の位置を特定できたとしても、団長が殺されてからその娘を私に近づけるまでの段取りをここまで素早くできるわけがない。----そう、この事件が発生することを事前に知っていない限りね!!
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