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新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅 Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件

12.休息

 や、やっぱり?!たしかに"あの子"って書いてあったのね?

 はい。間違いありません。あなたの思い当たる人物と"あの子"は同じ人物なのでしょうか?

 ええ…父はいつもそう呼んでいたわ。彼女は私の幼馴染よ。そしてずっと一緒に音楽をやってきた親友でもある。だけどたった一回のボタンのかけ違いで、もう何年も疎遠になってしまったの。

 そうですか…良ければその"経緯"をお話しいただけませんか?

 ----分かったわ。事件に関する重要なことだからね。話しを聞くってことは、事件コンサルタントとして仕事を受けてくれるってことでいいかしら?

 はい。ただし約束してください。危険なことは決してしないと。

 もちろん…父を殺した犯人を早くこの手で捕まえたいけど、私だって命が惜しいわ。

 それでは、この事件たしかにお受けします。初めにお伝えしておきますが、あなたは命の恩人ですし、私個人としても今回の犯人を追う理由があります。ですのでお金は結構です。

ちょうどそのとき社内に"グ〜"と、大きめの音が鳴り響いた。どうやら音源はソナタのようだ。朝に少し食事をしたとはいえその前は数日間飲食をしていなかったし、今はすっかり夜で相当な時間が経過していたから無理もなかった。

 アハハ!あなたといると飽きないわね。たしかに私もお腹ぺこぺこだわ。続きはレストランで話しましょう。お金はいらないって言ってたけど、いまは無一文なのよね?食事代くらいは出させてね。

女性は豪快に笑いながらエンジンをかけて車を走らせた。ソナタは赤面しつつも暗い雰囲気が少しだけでも明るくなったことに一瞬安堵したが、すぐに頭と心を切り替えこれからの捜査方針を脳内で練り始めた。そんな雰囲気を察したのか女性は特にソナタへ話しかけることもなく黙々と運転し、やがて目的地に到着した。建物内に入り高層階行きのエレベーターに乗り込む2人…どうやら下層は美術館になっているようだ。エレベーターを降りて程なくしてレストランに着くとスタッフと女性は顔馴染みらしく少し話しをしたが、神妙な面持ちであったので父親の死を報告したのかも知れない。その後、一番奥のVIPルームへ案内された。来る途中に通った店内は白を貴重とした明るい雰囲気だったが、ここは壁や天井に茶色い木材があしらわれ、わずかな間接照明だけの薄暗くとても落ち着いた印象で、三辺の大きな窓からはライトアップされたノートルダム大聖堂、アントワープの街並みや運河を一望できる。

 このレストランは雰囲気も眺めもとても素敵ですね♫

 そうね。ここは私が一番気に入っているお店。アントワープの街並みを見ながら食事をして心を落ち着かせましょう。あ、落ち着かないといけないのは私だけ、か。

 …私にも考えるべきことがたくさんあります。このような場所に招待してくださって感謝します。ありがとう。

 昨日今日はいろいろあったわ。あなたとの出会いもその一つ。なんだか不思議な縁があるようね。さあ、お腹が空いてたらせっかくの優秀な頭脳も鈍ってしまうわ。暗くて堅っ苦しい話しはやめて、今日はたくさん食べてたっぷり寝てこれからに備えましょ。

 はい!そうですね♪今日はお言葉に甘えさせていただきます!

ソナタは女性の強さに尊敬の念を抱いた。

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