
新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件
38. 冀求
この競技について私が指示されている説明は以上です。私にはこれ以上の事実は分かりかねますのでご了承ください。それでは最後に現時点で皆さんが持っているポイントを確認します。
Aチーム
離脱
Bチーム
幸引(こうひき)ロンド:230ポイント
赤髪女 :230ポイント
Cチーム
金髪男 :100ポイント
Dチーム
鍛鋸(かのこ)ソナタ :200ポイント
旧友 :200ポイント
ポイントについては、このように黒服から説明があった。その後すぐさま電子機器の返却と現場周辺の地図が手交され、競技が始まることとなる。CチームとDチームの3名は現場へ向かうべく会場を後にしようとしたが、Bチームの2人は即座に犯人とその居場所を答えるステージへ向かっていた。ロンドは赤髪女も同じ行動を起こしたことを確認すると、驚異的な身体能力を発揮して一番にステージへ到着した。
犯人は、いまここにいる、この人です。
ロンド…もう辿り着いていたのね。
ああ。
ロンドは赤髪女を指差し、この研修初日に発生した事件の犯人であると答えた。すぐさま反応したソナタに対して、彼はいつものように左手の甲を自分側、人差し指を天井へ向けてピンと立て、満面の笑みで応答した。
正解です。幸引ロンドさんに100ポイントを贈呈し、推理合戦は終了、これで本研修すべての競技が終了となります。なお、合計330ポイントの最高得点を獲得した幸引さんには後日"特典"について連絡があります。それでは、係員が部屋までお送りしますので各自お好きなタイミングでお帰りください。
お、おい!ちょっと待て。コ、コイツは殺人事件の犯人なんだろ?捕まえなくて良いのかよ?
…我々は警察ではありません。あくまでも競技の1つとして、本物の殺人事件を利用しただけです。それでは。
く、狂ってやがる…。
黒服は表情一つ変えず淡々と答えると、有無を言わさずその場を去っていった。壁に張り付いていた大勢の他の黒服も順次会場を後にする。残された5名の係員は声を発さずジェスチャーでプレイヤーたちを誘導した。彼らは何も言葉を交わさないまま部屋へと辿り着き、各自帰り支度を始めることとなる。ロンドが入室するや否や、事務局から返却された自身のスマートフォンが鳴動していることに気付く。ソナタからだ。
何だい?
あなた、勝っちゃったけど大丈夫なわけ?
大丈夫って?
"特典"というのが何か分からないし、受け取り拒否もできないだろうから大丈夫かってことよ。
うーん、それは僕も"特典"が何か分からないと何とも言えないなぁ。だけど"上"の正体に少しでも近付くいい機会になればとは思っているよ。
やっぱりね。あなたの目的はいつもそうよね。
うん。せっかくこんなに大きな謎が身近にあるんだ。解決させたいと思うのはとうぜんだろう?
もちろん私も関心は高いわ。でもリスクが大きいことはあなたも分かっているわよね。
ああ…でも、僕の中の強い"解決欲"が僕を突き動かすんだ。
#ロンドの旅
#ソナタの旅
#ロン旅
#ソナ旅
#ソナタ
#ロンド
#カクヨム
#小説家になろう
#金賀こう
#斉田キョウ
#ミステリー
#小説
#新感覚解決しないミステリー小説
#キョウ
#こう
#モテルちゃんねる