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呉の街は食堂飲みの聖地なのかもしれない?

新成人のみんな、こんばんは。親愛なる隣人のぶたおです。成人といえば飲酒です。という時代でもなく、禁酒ブームの時代ですが、私はオジなので飲酒が好きなのね。しかも昼間っから飲みたいのね。そんな私が2025年の初めての連休で、広島県の呉を訪れた話をします。

新18きっぷの使用期間が終わるということで、駆け込みで最後の3日分の日程で10000円分を買っていたのですよ。さて、これでどこに行こうかと悩んで呉にしました。新18きっぷの問題点についてはコチラをどうぞ。 

呉に行こうと決めた理由は次のようなことが重なったうえでの結論でした。
・広島にはよく行っていたが呉市はご無沙汰であってずっと気になっていた。(伏線)
・あらかじめ呉市にふるさと納税をしており、地元の宿泊券をゲットしていた。(宿泊費の高騰)
・大阪からJRで6時間ほどで行けて遠すぎずかつ、ほどよく距離も稼げる土地。(18きっぷを念頭にしたコスパ)
・全国的に寒波が予測されていたが、海側の呉あたりだとギリギリ雪とかの心配がなさそうだった。(当日の事情)

そんなわけで早起きして呉市に向かいました。山陽本線は慣れたもんでしたが、呉線はかなり久しぶりでした。山陽本線は広島県の山側を走りますので、途中で雪が出現し始めたときは少し焦りましたが、呉線に入って海側になると目論見通り雪は消えていました。しかも久しぶりの呉線の景色に少し感動。ただし、寒かったです!めちゃくちゃ寒い!

瀬戸内海のわりときわきわを走りがちな呉線は車窓に恵まれております!

なんだかんだで13時すぎにはJR呉駅に到着して、さて何をしようということなんですが、はっきり言って何も考えておりませんでした。今さらヤマトミュージアムとか見にいく気にもなれませんしどうしようかなと。しかしJR呉駅はこんな形してたかな?という印象です。久しぶりすぎて高架があったこと以外は記憶がおぼろげです。そういえば呉に一泊するのも初めてでした。以前に訪れた時は日帰りか、広島に宿泊していたのでした。それもあって予めふるさと納税して、宿泊チケットを手にいれており、なにがなんでも呉に泊まろうと決めていたのです。

駅を出てすぐに目に入ったのが、こちらの渋い食堂。森田食堂さんです。そういえば、むかし呉を訪れた折になんかで「呉では食堂で飲むと良い」みたいなことを耳に挟んだような気がします。なにが良いのか分からんけど、たしかに昼間から飲めるようなところは、街中に見当たらない記憶があったんですよね。

駅を出て曲がってすぐ
し、しぶすぎる…!

どうせノープランだし、その時の記憶を思い出して、本当に呉では食堂で飲んだら良いのかどうか、試してやれという心境でトライしました。入ると狭い店内がけっこう混み合っていました。テレビが付いていて、お客が何人かテーブルを囲んでおり、1人客の僕はカウンターの一角へ座るように促されます。となりではもう飲んでるおじさんがいました。これは良い。椅子も木製の年季の入ったものです。

お店のおばちゃんに生ビールを注文して、さあ食べ物はどうしようかなとメニューを眺めますと、うどんと丼ものがいくつかあって、それ以外は湯豆腐とかそんな程度のシンプルなメニューでしたね。よく見れば冷蔵ケースがあって、そこにお刺身とか一品ものがあれこれと並べてありました。おかずをとってきて、ご飯とか頼むタイプの昭和な食堂でした。最高やん。

この冷蔵ケース!昭和的食堂の鑑!
食堂でこんな完璧なる生ビールが飲めるとは驚きです🍺
良い感じの塩鮭

冷蔵ケースを眺めて、お造りも良さそうだったのですが、ここは安めの焼き鮭をチョイスしました。おつまみとして考えると焼き魚は最高なんですよね。これをオバチャンがレンジで温めてくれるようです。届けられた生ビールも、昔気質のジョッキーに良い感じに注がれたやつで、昨今にありがちな泡ばかりのほっそりジョッキーとは一線を画する骨太なものでした。まさか食堂でこんな気合の入った生ビが飲めるとは恐れ入るとともに「呉では食堂で飲め」という格言(誰が言ってくれたんだろ?)が真実だということを確信しました。

このまま生ビ連打でも良かったのですが、大瓶ビーラーとしては大瓶が注文できるのも見逃せない点でして、2杯目は瓶ビールにしました。アサヒかキリンか選べたので一瞬迷いましたがアサヒにしました。サッポロなら迷わないんですけどね。岡山とも近いからキリンが正解だった気もしますがしょうがない。ふつうに美味かったのでよしとしましょう。

おつまみは湯豆腐にしました。というのも、居酒屋なんかのおつまみの湯豆腐というのは、大阪なんかですとおでん的な出汁に豆腐を浮かべて、とろろ昆布なんが載せてるスタイルなんですね。これは大阪の天満の某居酒屋が広めたスタイルと言われております。その感覚で広島の居酒屋で安い湯豆腐を注文したら、昆布出汁で温めている本当の意味での湯豆腐が出てきて「そらそうか」という気持ちになった経験があったのめした。こちらも呉ですので300円でもそういうのが出てくるのかなと。

タンブラーもキリンのだしキリンが正解だったか?
大阪スタイルの湯豆腐!?

そしたら出された湯豆腐は、まさかの大阪・天満スタイルのド直球のものでした。嬉しいけどどういうこと?料理してる人は関西にいたことあるのかな?分からないけど嬉しかったです。

湯豆腐をつつきながら大瓶ビールを飲んでる段階で、もうすっかりお店には僕ひとりしか残っておらず、おばちゃんたちも賄いを食べていたりしてました。昼過ぎまで混雑していたのに、14時も半ばまわると誰もこないのな。地方都市の飲食店ではこんな事情もあって、14時で一旦閉めるお店も多い中で、通し営業されてるのは嬉しい限りです。

それから懐かしい呉の街を少しぶらついてから、ビジネスホテルにチェックインしました。そしたらビジネスホテルのど正面にも、良い感じの食堂があったのに驚きました。桑田食堂とかいうやつ!チェックインしたらすぐ行かねばという使命感に駆られました。

オーラを感じる店構え…
堂々たる中ジョッキーと、庶民的なカツ!

16時30分くらいでしたが、広い店内にはだーれもおらず私一人でした。生ビールを注文したらまたしても良い感じのやつが出てきた。そしてメニューもうどんと丼ものというシンプルさ、あとの色々のおかずは大きい冷蔵ケースからとるという昭和な一膳飯屋スタイルなのも先ほどと同じでした。ただ、こちらは自分でレンジに入れて温める形式。カツみたいなやつを貰って温めて食ったら美味かったです。

店内はテレビだけが音を奏でており、店主とマンツーマンの状況で無言でビールを楽しむのも悪くなかったのですが、夜もこれからだと思って一杯だけ飲んで出てしまいました。いまになればホテルにすぐ帰れるこの食堂で、もっと腰を据えてやってても良かったなあと思いますが後の祭りです。夜になると寒波の影響で呉の街は寒くて、どこ行くのもやりきれなかったです。そういう後悔も含めて旅の醍醐味でしょうか。

呉の大衆食堂は、森田食堂、桑田食堂、寿食堂で三大食堂だと提唱している人がいました。なんでも三大になりがちですね。そのうち2件ははしごして実際に良かったですので、寿食堂もきっと良いに違いない。しかしここだけ通し営業はやってないみたいです。駅から遠いというのもあるのかもしれません。次に呉に来たら制覇したいと思います。というか食堂でもっと腰を据えてやってやろうと思いました。

「呉に行ったら食堂で飲め」は今となっては読み人知らずですが、体験してみてると深く頷くしかないのでした。そもそもおかずをとってくるスタイルの食堂自体が、関西でもどんどん店じまいしてまして、今や絶滅危惧種としてレッドリストでCRとENの間くらいだと思いますのでね…。

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