「ギフト」の見つけ方
・「ギフト」の見つけ方
ここまでで、弱みは強みに変えられる、「ギフト」に気がつくことが大事だということは、おわかりいただけたと思います。
ただ、次に気になってくるのは、実際に弱みから強みを見つけていく変換工程をどうすればいいのか……というところでしょう。ここでは、どうやって「ギフト」を見つけていくのかというところをご紹介していきます。
結論を先にお伝えすると、これはトレーニングして、何度も繰り返すことが大事です。要は、慣れです。何度も繰り返していくと、ネガティブなことがポジティブに捉えられるようになります。「ギフト」はスキルで見つけられるようになるわけではなく、大事なことはメンタルなのです。
昔は、人間の性格は「1本の川のようなもの」と言われていました。生まれもった遺伝子で性格が決まり、死ぬまで性格は変わらない、ということです。悲観的な考え方を持っていたら、これからもずっと悲観的、というように言われてきました。
ところが、1990年代から、心理学、脳科学、遺伝学が発展し、性格はそう単純なものではない、ということがわかってきました。川のたとえで説明すると、性格は1本の川ではなく「4本の川」だということがわかってきたのです。
①脳の可塑(かそ)性
②腸内環境
③エピジェネティクス
④生まれもった遺伝子の影響
①〜③は自分の意思で変えられます。
④の遺伝子が性格に影響する確率は35%〜41%と言われているので、残り60%は後天的な努力で変えていけるということです。
以下、4つの要素について解説します。
①脳の可塑性
脳の可塑性とは、平たく言うと、「よく使われる思考回路は、どんどん成長する」ということです。ポジティブなことを考えれば、ポジティブの思考回路が発達し、ネガティブなことを考えれば、ネガティブの思考回路が発達するということです。
もし、あなたが「私はネガティブだ」と思うのなら、それはあなたが今までにたくさんネガティブなことを考えたからです。
脳の可塑性を象徴するエピソードをご紹介します。
超一流のハリウッドスターであるレオナルド・デカプリオは、ある映画で強迫性障害の役を演じました。強迫性障害の人は、「玄関の鍵を締めたのに何度も何度も気になって確認してしまう」とか「手を何度洗っても気が済まない」ということが起きます。デカプリオはその映画を撮影しているうちに、本当の強迫性障害になってしまったのです。演技を繰り返していくうちに、強迫性障害の思考回路が発達してしまったのです。
これは「俳優あるある」らしいのですが、悪役を演じると本当に性格が悪くなるともいいます。冷たい性格を演じているうちに、冷酷な思考回路が発達してしまうのです。
これらを踏まえれば、どうすればポジティブな思考ができるようになるかがわかります。
まずはシンプルに、ポジティブなことをたくさん考えればいいのです。
何かに感動したり、大笑いしたり、誰かに感謝したり、誰かを褒めたりすれば、ポジティブな思考回路はどんどん発達します。するとそのうち、意識しなくても自然とポジティブな考え方が浮かんでくるようになるのです。
しかし、ここで注意しないといけないポイントがあります。
それが「3:1の法則」です。
ポジティブなことを1つ考えると、ポジティブな思考回路が1つ大きくなると伝えました。でも、ネガティブなことを1つ考えると、ネガティブな思考回路が3つ大きくなってしまうのです。つまり、ネガティブ思考回路の方が3倍成長しやすいということです。
ポジティブを3回考えて、ネガティブを1回考えていると、ポジティブ思考回路とネガティブ思考回路の成長スピードは同じで現状維持のままとなってしまいます。
最低でもポジティブなことを4回考え、その間のネガティブ思考は1回に抑える
というペースでポジティブ思考をしないと、脳はポジティブに成長しないのです。
②〜④については、また後日、記載します。