人事未経験の僕がCHROになったわけ
企業の組織・人材開発に関わる、採用支援や人事制度、研修講師など、
お仕事をされている方、たくさんいらっしゃるかと思います。
今回は、
全ての組織・人事に関わるコンサルタントの方は、
人事、特にCHRO(人事責任者)をやった方が絶対いいですよ!
という話をします。
僕は、この3月からシッピーノという茅ヶ崎のベンチャー企業でCHRO(人事最高責任者)を務めていますが、実は人事の実務そのものは未経験でした。
というわけで、今回は、そんな人事未経験の僕がCHROを務めるに至った背景と軌跡を詳しくお伝えします。
■組織開発コンサル時代
現在はシッピーノという会社でCHRO(人事最高責任者)をしているのですが、それまではコーチングと組織開発コンサルタントを7年ほど。
コンサルタントとして会社の外部から、
経営者とのコーチングにより、どんな社会を創りたいかというビジョンを描き、それを経営陣や会社全体に共有し、実現に向けた実践をサポートする、教育するなどをやってました。
月一ほどで会社へお邪魔し、コンサルやワークショップをする中で、
自分の好きな仕事で価値を出せているなと実感していました。
しかし、外部のコンサルタントと社内にいる経営者や人事では、
見ている景色が全く違うことを実感するようになり、本当に相手のためになっているのかな?
と、モヤモヤしてくるようになりました。
■本当に組織を開発しているのか?
外部の人間であるコンサルは、
”たまに”会社に行き、経営層とか人事とかマネージャーとか、
会社の”一部の人”としか関わりません。
1ヶ月後に訪問してみると、組織が変わっていたり、新しい人が入ったり、出たり、目まぐるしく変わる現場がどんどん変わっていくので、
自分のやったことが、現場で実際どんな変化を起こしているのかが、手触り感を感じにくくなってきました。
また、組織人事コンサルと言いながら、サポートするのは人事の領域(採用・配置・育成・評価・報酬・等級)のうち育成くらいなもの。
「組織開発っていうけど、本当に組織を開発しているのか?」
実は組織開発という言葉と出会った頃から、薄々と思っていた問いでした。
つまり、ずっとコンサルとして「組織を進化させる」というテーマでやってきたけれど、クライアントから見るとそれはごく一部に過ぎなかった、ということです。
人員配置は知らない間に変えられているし、社内の人からは”外部の人だから”ということでいろいろ会社の不平や不満を聞かされていただけ。
はっきり言って、外部のコンサルから見えている世界は狭い。
(もちろんこれは僕がやってきたスタイルの話で、コンサルでもクライアント以上にクライアントのことを考えていらっしゃる方をたくさん知っています)
そう痛感させられました。
そんなわけで、
いつか「人事をやりたいな」と思ってはいたものの…
とはいえ、イケてる企業からオファーが来る、
そんな機会があればね、と心の中で付け加えていました。
なんと虫のいい…
■CHROになる決意
そんな折、僕もコーチングを受けている中で、
ようやく、「CHROになるぞ」とはっきりゴール設定しました。
いつか機会があればやりたいと思っていたことに、
バチっとスイッチが入った、そんな感覚でした。
決めてしまえばあとは速くて、
数日後には、組織人事コンサルとして関わっていた、
シッピーノ社長の田渕さんと話をして
「CHROとしてやらせてもらえますか?」
「ぜひ!」
ということでCHRO就任が決定!
なんと人事未経験の僕が人事責任者を拝命することとなりました。
といっても、採用とか人員配置とか、やったことないことだらけで、色々な人に聞きまくり。
であれば、
絶対に人事、それもCHROとHRBPとか、組織人事の全体をみる立場に立った方がいいです。
僕がそうでしたが、ある領域について、自分がプロとして提供できることを中心に、ということでやってきました。
コンサルや人事の1機能をプロとしてやられている方も多くいらっしゃると思います。
が、もっと相手の組織に役に立つためには、
自分のできることだけやっていても仕方ないのです。
できないと思っていることでもチャレンジしていったほうがいいんじゃないでしょうか?
「今の自分がやっていることで十分!」と思うことは、
現状維持を強め、コンフォートゾーンの中に留まることになり、
進化することを止めてしまうからです。
相手にとって本当に必要なことができていない可能性もありますしね。
■立場が変われば見えることが変わる
何度か述べている通り、僕は人事の初体験がCHROとしてです。
いきなり人事の全領域に渡って、会社の内部から働きかけるという立場になってしまいました。
面白いことに、
立場が変わると見える景色は自然と変わるもので、
人事未経験だった僕でも、多くの方々の協力により、なんとかやれています。
CHROになったことで、いろいろと発見がありました。
コンサルで関わっていた時は外部の人だからということで気軽に相談されていたのに内部になった瞬間にぜんぜん話してもらえなくなったり。
内部に入ったことで見える範囲が広がりましたが、
信頼関係を築けないと逆に肝心なところが見えなくなるのかもなと気づきましたね。
■いきなりのコロナ
3月に就任したものの、世界はコロナ禍に突入してしまい…
シッピーノではすぐさまフルリモート体制に突入したので、
茅ヶ崎にも行けず、メンバーとも直接会えず、という事態に。
初っ端からフルリモートCHROです。
これやって欲しいと明確に言われているわけでもないので、
何からやろうかなーと思い、始めたのが、
まずは一人一人との信頼関係の構築です。
オンラインでの1on1で1人1人と話しながら、コーチングの考えを伝えていくことからはじめました。
それから、全体に対してはオンラインで全員集まる期初のキックオフがあったので、その司会をやりましたw
■組織人事コンサルとしての幅も広がった
シッピーノではCHROをやりながら、今も他の会社に対してコーチングや組織人事コンサルはしていますが、
CHROになったことで、コンサルとして提供できる価値も増えてきたのを実感しています。
育成以外のこと(それまでブラックボックスだっと人材配置とか)にも、手触り感を持って貢献できているのを感じています。
立場が変わっただけで、経営や現場から見た人事課題のリアリティが高まったことの方が大きいかもしれません。
今は、自分の会社で実践してよかったなと思うことについては、
それを元に、新たに組織コンサルとしても提供できるようになっています。
つまり、コンサルとしての幅も広がっているのです。
ここは実践と共にもっともっと磨いて行きます。
思い切って未経験のことにチャレンジしたことで、より人の役に立てるようになったと思います。
この記事を読んでくださった
採用、人材育成に関わるコンサルタントをやられている方!
思い切ってCHROやってみませんか?
そんなお話でした!!
と、書きましたが、
まだ自分のCHROとしてのチャレンジも始まったばかりで、
もっともっと進化していきます!
これから、実際にCHROとして僕がやってきていることを語っていきたいと思います!
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。