初心者でもわかる株式投資術 第18回 初心者必読 <分散投資のまとめ>
諸君、調子はどうだろうか?株価はかなり戻したものの、毎日暑かったり台風だったり、サラリーマン諸君は夏休みが終わってしまったりでなかなか気分が盛り上がらない向きも多いだろうな。この記事を読んで少しずつ調子を戻してくれたら嬉しいぞ。
俺は株式投資だけでなく、モテる技術も紹介しているので、興味がある諸君はぜひ読んでみてくれ(自己紹介も第2回にあるぞ)。
今回は個別株の話をしようと思ったんだが、連載も長くなってきたことや、先日の株価の大暴落もあったりするので、今回は分散投資の部分をおさらいしよう。
分散投資の秘訣は以下の通りだ。
この秘訣を理由まで理解できて実践できているなら、既に初心者卒業と言っても良いだろう。我ながら、素晴らしい記事だと思っているが、どうだろうか?
最近人気のFIRE(早期退職して自由に暮らす的な生活)の指南本でも、株式投資で生活資金を稼ぐのが前提だが、その場合の株式投資はほぼ全てこのパターンだ。個別株の投資に踏み込んだ話をしている本は読んだことがない。
では、一つ一つ簡単に理由を説明していくぞ。
1.は簡単だな。株式投資をするには銀行口座ではダメで、証券口座が必要になる。「XX証券」という会社のウェブサイトや資料を読んで、証券口座を作ろう。ポイントは、ネットで完結するところ、取り扱い銘柄が多いところ、自分が気になる銘柄(投資信託やETF)を扱っているところを条件に探してみて欲しい。難しいようなら、人気のネット証券をいくつか比較して決めるのでもよいだろう。
そして証券口座を作る時に、その口座をNISA口座に指定するのも忘れないでくれ。ちなみにNISA口座は1人1つしか保有できないので気を付けて欲しい。
NISA口座にこだわる理由は、NISA口座は税の優遇・軽減措置が受けられるからだ。株の売却益には通常20%強の税金がかかるわけだが、NISA口座での取引ではこれが免除される。もちろん、いくつかの制約や限度額があるが、約20%の税金がゼロというのは大きなメリットに違いない。
次は2.と3.だな。株式市場はその歴史を大きく見れば、右肩上がりに上がり続けている。日本市場はバブル崩壊が強く記憶に残り投資家の印象を歪|《ゆが》めているが、少なくとも米国はどんなに不況になっても数年で復活しているし、日本もここ10年で見れば右肩上がりと言って良いだろう。日本市場は今後さらに米国株式市場の影響を受るはずなので、米国市場が上がれば上がるというのが俺個人の見方だ。
なので、この歴史的な法則に従って、長期に投資することが重要だ。しかし、歴史的に右肩上がりに上がり続けると言っても、それはあくまでも市場全体を見た場合であって、個別銘柄、特定企業の株価が右肩上がりに上がり続けるという法則は見られない。結果的にそういう企業もあるが、倒産こそしなくても、長く低迷・停滞する会社も多い。したがって、個別銘柄ではなく分散投資で市場を広く買うことになるわけだ。
ここで1つ注意して欲しいことがある。銀行や証券会社が熱心に営業する投資信託の中にはテーマ別の投資信託があったりする。例えば「SDGsのXX」とか「AIのXX」、「新興市場XX」等々。ダメとは言わないが、これらは必ずしも市場全体に対して銘柄を網羅しているとは言い難く、テーマのブームが去るとリスクだったり(10年以上買い続けるわけだからな)、信託報酬が割高だったりするから、どうしても投資したい理由があるとき以外は、まずは市場全体に投資するインデックス型を選んで欲しい。とにかく、右肩上がりに上がり続けるという原則が見られるのは日米の各種インデックス指数(特に米国市場)だけなのだから。もちろん、インデックス型のいくつかを組み合わせるのは問題ない。
4.と5.に移ろう。銘柄も分散しなければならないが、資金も分散してくれ。具体的にはコツコツ投資の分は毎月など決まったスケジュールで決まった額を買い続ける。ボーナスや貯金を切り崩す場合は、切り崩した額を一度に投資するのではなく、何か月かに分割して投資する。
こうすることで、購入金額を平準化できる(ドルコスト平均法という)。つまり、株価が上昇している時に買えば、同じ積立額ならこれまでよりも少ない株数しか買えないが、逆に株価が下がった時は同じ積立額でより多くの株を購入できる。要するに、一定の投資金額に対して購入できる株数が平均化されるということだ。
まとまった資金を投資する場合も同様で、一度に投資するよりは何か月かに分ける方が安全ではある。仮に100万円を一度に日経平均のインデックス型投信に入れた後、2週間で5%下がったなんてことがあるとすっきりしないだろ?であれば、例えば25万円の4回(4か月)で投資すれば、途中に価格のアップダウンがあってもだいたい購入できる株数は平準化されるはずだ。
そしてこれも重要だが、基本的に長期投資が基本であって、ちょこちょこと売却してはいけない。理由はもちろん少額の積み立てではまとまった金額にならないというのもあるが、何よりも投資へのリスク耐性が強くなっていかないからだ。
どういうことかと言うと、諸君が仮に10年間米国のダウに投資してきたとする。10年前のダウはおおよそ17,000ポイントだ。現在は約40,000ポイントだから、明日仮にダウが10%下がっても、痛くもかゆくもないだろう。かなりおおざっぱな計算だが、諸君の投資額の損益分岐点(平均単価)は足して2で割った28,500ポイントになる。つまりダウが28,500ポイントに下がるまで投資はマイナスにならない(実に25%下がってもまだプラスだ。ちなみに、今回の暴落はダウは-5%強に過ぎない)。しかし、途中で売却するとその都度平均単価は上がってしまい、損益分岐点も上がってしまうのだ。つまり時折発生する株価の大きな下落に対して敏感になり、毎月積み立てる勇気がそがれてしまう。
もちろん、計画的な入り用に切り崩すのは反対しないが、特に使う用事がないのであれば、投資資産には手を付けずひたすら積み立てていくことをお勧めする。
最後は6.だ。これは、今説明したこととも強く関連するんだが、つまるところ、安い時や市況が悪い時に買った株こそが最終的に多くの利益をもたらしてくれる。今回の7月末から8月頭の暴落でもそうだが、ああいう時に売ってしまえば、結果的に損失を確定させることにもなるし、そもそも安い時に株を買うことができない。逆に、株価上昇基調の時に積み立てて、下がり始めたら株を買わないとなると、投資のパフォーマンスはかなり悪くなるはずだ。同じ金額を積み立てているとすれば、買っている株数はどんどん少なくなっているのだから。
各自のポジションによって、個別株を損切りする、一部を利確するなどもあるかもしれないので、一概に下がり相場や暴落での売却がダメとは言い切れないが、特に分散投資で長期積み立てを目指すべき初心者の諸君は、何が起きようともひたすら積み立てていくという前提を忘れないで欲しい。下がった時に買い増ししろとは言わないが、少なくもこれまでと同額の積み立て投資は続けるべきなのだ。
何度も言うが、投資は規律だ。
今日は少し長くなってしまったが、それでも分散投資のことについては一通り説明できたし、初心者の諸君は市販の入門書を読むよりもこちらを先に読んでもらった方が理解しやすいのではないかと勝手に思っている次第だ。
ではまた次回だ。くれぐれも夏バテには気を付けてくれ!
注意:この記事および連載は諸君に具体的な投資銘柄を勧めるものでは
ないし、将来的な投資パフォーマンスを約束するものでもない。
投資はあくまでも自己責任で行ってくれ。
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