あなたは何に火をつけた?~SixTONES『1ST』音色盤収録『ってあなた』より~

あなた 火をつけたなら消してって
遊んだら 元ある場所へと仕舞って

こちらの歌詞は、先日1月6日に発売されましたSixTONESの1stアルバム『1ST』の初回盤Bの音色盤に収録されている京本大我くんと松村北斗くんのユニット曲『ってあなた』の冒頭の歌詞です。


この歌詞を聞いた最初のイメージとしては、これは女性が男性に歌った歌だなって思ったんです。火をつけたってことは、煙草かな~。煙草を吸ってるのは男性の印象が強いな~。って感じで。


ところがどっこいSixTONESの公式ページのセルフライナーノーツを読んでみたら、ばりばり男目線だって書かれているではありませんか!
あ、ちなみにセルフライナーノーツは下に貼っておきますね。他の歌についても書いてありますので、是非読んでみてください。


さらには、こちらの『ってあなた』、なんと!MV付きなんです!!!

こちらのYouTubeでは、北斗くんより「違う世界にいるのに同じ出来事が起きてしまっている」っていう設定が明かされていますね。

なかなかのMVですよね。ジャニーズってこういうMV出すのか…って初めて見た時は驚きました。ですが、こちらのMVはあくまで途中までです。気になるMVの結末は好評発売中の『1ST』の音色盤に収録されておりますので、ぜひ!(発売してすぐに書き始めた記事だったのですが、気づけば4枚目シングル発売直前笑。まだ初回盤って売っているんですかね…?)



長かった前説を経て、今日の記事の本編、『ってあなた』の私なりの歌詞解釈を書いていこうかと思います。しかし、今回はMVがとてもストーリー性があるものなので、MVとも関連付けて、1本のショートムービーの解釈みたいに書いていければと思います。

ちなみにこちら、ネタバレしかありません!これからアルバムを聞こうと思っている、またはMVを見ようと思っている人は見ない方がいいかなと思います。というか、先入観なく見たり聞いたりしていただきたいので、見るのはその後にしていただきたいです!
もう聞いたよ!見たよ!って人はこの記事を読んでいただければ嬉しいです。
















ネタバレ大丈夫の人しかいませんね?大丈夫ですね?『1ST』買ってくれた同士か、これから買おうか悩んでいるけど見ちゃお!って方か、なんとなくこの記事見つけた方しか見てないですかね?

それでは書いていこうと思います!






1 別れの始まり

スタートからすごいですよね。半裸の男性とワンピース?みたいな薄着の女性っていうスタート。見た瞬間、え…これは何かあった後かな…?なんて思いながら見始めました笑。

ホテルの1室ぽいですよね。なんかルームキーとか見えるし。後机の上に置いてあるのは口紅と封筒ですかね。夜で反射するガラスで口紅塗るの大人の女性って感じでかっこいいな~って思います。私は絶対鏡見ながら塗る派です(誰得)。

ペンと紙を手に取り、何やら書き始めます。そこから書き終わって封筒に入れるまでなかなかの早業ですよね?だって、きょもほくの前に立っている頃には女性の右手には封筒持っていますし。本当に一言ぐらいしか書いていないのかな。座りもせずに書いたのは計画的な行動ではなく、突発的に書こうって思い至ったんですかね。


そこからキスくるか?ってなるサビの映像、それこそが1番の歌詞の場面なのではと思うんですよね。

頬に手を置いたあれこそ”愛で満ちたようなふりしたその手”なのでは?って思うんです。この手に対して、より愛があると感じてすがってしまうのが京本くん、錯覚しつつも完全に堕ちることができず、かと言って離れていく体を引き戻すこともできないのが北斗くん、って感じですかね。方向性の違う弱い男って感じですよね。

これまでもこうやって触れられる度にいつ捨てられてしまうのかなと感じていたのではないでしょうか。で、今回が本当に捨てられる時だ、と。この状況がいつか起きると予測できていた。そのことを考えると怖くて夜も眠れなくなるほどにおびえていた。だから、いつか来る愛の終わりを探そうとは思えなかった。もう少し、あと少しだけ、と先延ばしにし続けた。


女性は、一方的に別れを告げると車を取りに部屋を出ます。いつの間に口紅とかしまっていたんですかね。めっちゃ荷物整理されてましたよね。別れる前提で会っているから元から荷物広げてなかったのかな。…すいません、どうでもいいですね笑。


脱力してベッドに寝転がるのは、安心も少し混ざっているのかなって思います。歌詞の中でもあるんですけど、彼は、この恋愛から逃げたい気持ちも少なからずあったと思うんですよね。もうやめてくれよとかの部分です。逃げたくて、でも自分が逃げたらこの関係も終わってしまうから逃げたくない。手放したくないという気持ちもありつつと言いますか。

一方的に別れを告げられたことには”冗談でも笑えない”と怒りの気持ちもある様子。でも、止めない手前、そこにはある程度の理解や諦めがはらんでいるのかな。


京本くんは分かりやすく泣いていますね。この涙、どういう感情で流す涙なんですかね。この男性、今後のことを考えて憂いたり、彼女の言動に憎悪や反感を持っていたりしていますが、それらを持つことで期待をしなくなるから悪いものではないという考えです。あー、これは彼女との結婚はないなとか思っていたようですね。そこらへん結構冷静に捉えているわりに何に泣いているのか。

きっとそれでも心の中には彼女が残っているのでしょう。結婚はできないとしても、それだけ彼女への想いは強かったんですね。別れの結末をまだ分からなくていいって考えていたぐらいですから、不毛な関係だとしてもそばに居続けたい。だから、彼女と別れることへの悲しさやむなしさなどの涙なのかなと解釈しています。

一方、北斗君は一切顔を見せません。泣いているのかも分からない。何つかんだって思ったら、もともと着てきていた服ですね。こちらはどちらかと言えば諦め?やるせなさ?自分がどうこうすることで変わるものではないって分かっているけど、こんなあっさり別れは訪れてしまうんだなってところかな。


一見、自由になったかのように見えるけど、結局心は囚われたまま。自分のこの想いへの反応はもうない。絶対ヨリはヨリは戻らないのにこの想いをどう抱えて生きていけばいいのか?ふとあなたがいない孤独と悲しみを思い出しては悶えたらいいのか?

そんな風になることさえもあなたの筋書き通りなんだろう。自分はあなたにとっての操り人形にすぎないのだろう。きっと最初から最後まで。だから、あの頃はよかったのになんて言わない。よかったあの頃さえもあなたの思惑で出来上がったものだから。


ここまでは第1章?の部分です。映像とその時の歌詞がずれていると捉えることもあるので、歌詞はもう第2章の時に流れていた部分も入っているんですけど、自分的に映像優先で考えているので、そこはご了承ください。



2 別れの道程

みんな思いましたよね?女性が運転するんだ!!!って。でも、確かに、男性が運転していたらあんな僻地に自分を置いていきませんよね。しかも帰りは彼女が運転しますし。というか男性が運転するなら女性は車に乗る必要性が消えますね。

ちょっとどうでもいいですけど、この男性、車の免許持っていないのかもしれないですよね。いつも女性が車運転して、助手席は彼っていうのが恒例だったのかも。いや、それかいつもは彼が運転しているのに、この日は彼女が車で迎えに行くからって事前に言われていたとか。それだったら、あれ、いつもと違うなって身構えて今日を迎えた可能性が出てきますし…。どちらでも先のストーリーが面白そうですね笑。


京本くんがビビるぐらい泣いている。めっちゃ泣いている。一方、北斗くんは目に涙を浮かべているって感じですね。
個人的にはこの車内はなんの音も流れていないよりかはラジオとか流れていて欲しい派です。音楽でもいいんですけど、ここでジャズとか流れていたら、女性が意図的に泣かせようとしている感出るじゃないですか。後、音楽流すのも、2人の思い出の曲とかありそうだし、それはそれで演出臭いというか…。こんなに男性が助手席で泣いている中、ラジオから明るいパーソナリティーの声だけがこだまする社内のアンバランスさや異質さが最高かなって。
車内で流れるラジオのおかげで2人のすすり泣く声もかき消されていく気がします。


この車内の中で、泣きながらこの後どうなるのかなとか考えてみたりするんですよね。でも、後少しすれば分かるんだからもう考えるのはやめよう。その先の展開はまだ分からなくていい。


この次の歌詞、”どこに行くのか教えて”って言うじゃないですか。驚きですよ。お前、どこに行くのかもろくに聞かずに車乗って泣いているの!?って。いや、もしかしたら乗る前に聞いたのかもしれないですけど、とりあえず乗ってとか言われたんですかね。何も考えられずに車は夜の闇に吸い込まれていった。って感じなんですかね。

あくまでMVとのリンクした考え方なのでね、歌詞単品によりフィーチャーすればもっと違う見方もできるとは思いますが。あくまでMVありきなのでね。



3 別れの終末

着いたのは、空港ですかね…?すごいところに連れてきましたね。おそらくホテルから高速とかも乗らずに空港まで着いた感じ、はなから空港に連れていく気でホテルも予約してそうですね。


女性の声は何も聞こえませんが、口パク見る限り「バイバイ」って言っているように見えます。北斗君は、少し女性の方を見ると少しため息をついて正式な諦めを持って車から降りている感じ。一方、京本くんはほとんど女性の方を見ずに出る感じですね。

そして、車から降ります。その姿を見てまたもびっくり。お前ら荷物何も持ってないじゃん!!!財布もスマホも持っていなさそうですよね…?この状況で夜の空港に残して帰る女性すごくないか…。せめて傘ぐらい持たせてあげようよ…。と思いながら見てしまうわけですが笑、そこはこのストーリーとの関係ないのでこの辺でやめておきます笑。


車を降りてから2人が口にするセリフは、京本くんは「さよなら」、北斗くんは「誰のせいって」に私は聞こえました。正解は私も分かっていません!誰か教えてください~。

京本くんの「さよなら」は、その後に出てくる”さよなら 言い捨ててやりたいのに”という歌詞から来ているようですが、こちらは言い捨ててやりたいと思って無事に言った世界線のようですね。そこに関しては、未練ありそうだけど男気あるな!って思いましたが、最後の最後まで分かりやすくすがっている感じですね。強がりや男のプライドとして、思いたくないけど「さよなら」と別れを受け入れようとして言ったのかな。

一方、北斗くん。「誰のせいって」は非常に考察しがいのあるセリフですよね~。これを考えるにあたって、1番サビ頃の映像に戻ります。こちらの中で京本くんの方はわりと早く彼女にすがりつくんですけど、北斗くんの方は終始見つめるだけっぽいんですよね。女性自身も何か仕掛けてくるわけでもないし。もしかしたらここで、この場面とつながることを言っていたとかでは?と私は思っています。「別れることになったのは、誰のせいだと思う?」とか。そこらへんは考察というより予想の範疇になってくるのでこれ以上は言及しませんが。


ぽつりと零したのは、まさにこのセリフなのでは、と思っています。だって、心情としての寂しさなら彼らはぽつりでは収まらないでしょう。声に出して言ってしまったことで、別れはより現実味を帯び、彼らの中に寂しさをより残していきます。Q,人1人の別れでこんなになってしまうまで俺を脆くしてしまったのは誰のせいだよ…。A,お前のせいだよ ってな感じなのでは。


先ほど、京本くんはさよならを言い捨てた世界線だとお伝えしましたが、一方、北斗君はそのさよならを言い捨ててやりたいと思いながらもできなかった世界線ですね。あの場面でとっさに出る言葉として、答えを求めるようなことを言ってくるというのは、彼女がどんな気持ちで今日を迎えたのかが分かっていないようですね。自分のことでいっぱいいっぱいだったのもあるでしょうし、歌詞にもある通り、彼の中ではまだ彼女は思い人ですからね。それも仕方がないでしょう。


女性は、雨に打たれる彼に何も告げることなく空港を後にします。いやでも、あんなに車つかんでいるんですから、発進するためには一声かける必要がありますよね。そこもおそらく無慈悲に伝えたんだろうなあ。

発進した車への反応もわりと真逆。京本くんは車の方を見向きもしません。「バイバイ」の時もそうですが、認めたくない現実に対しては体ごと拒絶反応が出るみたいですね。一方、北斗君ははっとした後、数歩だけ追いかけますが、すぐ立ち止まり泣き出します。彼がこんなに分かりやすく泣くのはこのMV中初じゃないですか?彼女が見えなくなった瞬間になく当たり、彼女の前では泣かないように気を張っていたようですね。

その後は2人はずっと泣いています。雨が涙を洗い流してくれて、泣いているのか雨でぬれているのか分からないってやつですね。だからこそ、思いっきり泣けるのかもしれません。



4 別れの真実

ここで、彼女がMV序盤で書き、1番サビ付近で入れていた手紙を見つけます。

これ、個人的に見つけ方からして、この手紙の存在を知ってたか知らないかに分かれると私は考えているんですよ。

北斗くんは、ふと下を見た時に、胸ポケットに入っている手紙に気づくというのを分かりやすく演じているため、おそらく手紙の存在を知らなかったパターン。一方、京本くん。京本くんの見つけ方、あまりにも突然見つけていません?あの流れで知らないのに胸ポケットに視線がいくか?ってぐらいに不自然。だから、京本くんは、彼女から胸ポケットに手紙を入れたから後で読んでほしいって言われていると思うんですよ。悲しみに暮れていた時にふとそういえば、彼女から最後に手紙を託されたなって気づいて読む、みたいな。そうじゃないとこの行動は説明がつかない!と個人的に考えています。


またラストの終わり方も全然違いますね。京本くんは、読んだ瞬間、はっとしてすぐに車を追いかけますが、北斗君は絶望のごとく叫んで終わります。非常に真逆の反応ですね。いや、これに限らずまあまあずっと真逆の反応をしていたのは事実ですが。諦めのポイントがずいぶん違いますよね。

京本くんは、車を追いかけるという不可能なことを不可能だと決めつける前に走り出してしまうほどの行動力の速さ。自分ができることをやりきったうえで諦めたいって感じがします。

北斗くんの方は、読んだ瞬間から諦めています。いや、おそらくもっと前から諦めていたのでしょう。それにあの手紙からは相手の女性の気持ちが痛いほど伝わってきた手前、諦めるしかなかった、とも思えます。


第4章の題名が真実とあるのですから、おそらく歌詞の世界を超えた、歌詞の中の彼の考えとは逆のラストなのではと思います。

歌詞の中の男性は、割と女性主導の恋愛をしてきていたと考えているのではと思うんですね。あくまで彼女に想いを支配され、意思はありながらも逆らうことはできないと捉えているように思えます。

それとは逆ということは、実は女性側は男性のことを思って別れた、彼女主導に動いているように見せかけて、本当はいつだって彼を中心に考えての行動だった、とかではないでしょうか?なんとも切ないラスト…。2人が幸せになれるラストは本当に存在しなかったんですかね…。


この後、彼女との別れの真実を知った時に、彼女とどうにかもう1度いられるように必死にもがく京本くんサイドと彼女の望むままに彼女のいない世界の中で幸せになろうともがく北斗くんサイドというまさに”違う世界にいるのに同じ出来事が起きてしまっている”状態が出来上がるのが目に見える…。『ってあなた』の続編いつですか?



あなたは何に火をつけた?

最後までMVを私なりに解釈したところで、タイトルに戻りましょう。

あなた 火をつけたなら消してって
遊んだら 元ある場所へと仕舞って

今回の『ってあなた』の中のこちらの歌詞、3回出てくるんですね。

最初の私は冒頭でもお話した通り、煙草のことかな~とか安易に考えていたのですが、解釈をしていくうちに違う結論に行きつきました。

それは、心です。

いや、なんか書いてみると臭いこと言ってしまった感満載なんですけど笑。少し説明させてください。


彼から見た彼女は、一生を共にするわけではないけど、今現在一緒にいてほしいと思う相手。でも、いつか消えてしまうのではないかという恐怖心もある。本当の恋人ではないかもしれないけど、それでも、自分は彼女への想いを募らせ、消えることなくあり続けるんですよね。

だから、別れる時には、自分の心から彼女への想いという火を消してほしいし、出会う前のあの頃に戻してほしい。そう考えているのではないかと思いました。


どうですかね…?納得できんわ!って人も多いかと思いますが…。
色んな考え方、捉え方が生まれる『ってあなた』という歌やMV、どちらもすごい証拠ですよね!





ここまで書いてきましたが、なんともうすぐ7000字!!!ここまで読んでくださった方、本当にお疲れさまでした…。目疲れましたよね?すみません…。

私自身、この解釈を書くために『ってあなた』の解釈や考察の記事を絶対見ないようにしていたんです!そうしないと自分の考えがまるっきり消えてしまうと思ったので…。なので、これが書き終わった記念に色んな考察の記事を読みたいと思います!わーい!


また、他にもたくさんの良曲が詰まっているSixTONESの1stアルバム『1ST』は絶賛発売中!こちらには、アルバムの全曲の全曲のダイジェスト映像とアルバムのリード曲である『ST』のMV、通常盤に収録されている『うやむや』のMVを貼っておきます。


そして!2月17日には、SixTONESの4枚目シングル『僕が僕じゃないみたいだ』が発売されます!!!シングルの収録内容についてのダイジェスト映像と表題曲のMVを貼っておきますね~!これまた、カップリングも良曲揃いでフルで聞きたくなること間違いなし!!!



さすがにそろそろ終わりますね。すみません本当長々と…。
最後まで読んでくださりありがとうございました!!!