Project S The Series Side by Sideとバード・トンチャイについて
U-NEXTで配信中のProject S The SeriesのEP9-16バドミントンを題材にしたドラマSide by Sideについてです。「とな墓」を見るためにU-NEXTを契約した人も多いはず。非BLの全年齢向け作品ですが、とても良いドラマです!
Project S The Series EP9-16 Side by Side
Gym、Gymの母Tum、Tumの妹Taeng、その息子Dong。父親のいない家族の物語。
バドミントンで繋がれた関係はバドミントンですれ違っていく。すれ違うのは愛情ゆえ。
物語の中心にいるのは自閉症のGym。息子のためを思って厳しく接する母、お世話をしなければと甘やかす叔母。二人はもちろんGymを愛しているが、接し方を間違えてしまった。実の母にプレッシャーを感じ、嫌いと言ってしまうGym。叔母の優しさに甘え、自分で出来ることもすぐ頼ってしまう。
一方、P’NongとしてGymをお世話をしなければならないDongは、幼い頃から複雑な思いを抱えている。Gymのことは誰よりも分かっている。どうすれば癇癪が治まるのか、何が彼を傷つけるのか。すべてGymに合わせて我慢をしてきた。母に甘えたくても母はGymの世話ばかり。好きではない色のウェアを着ることも、チーム名もダブルスを組むことすらも。
しかし成長はそんな関係を崩していく。自我の高まり、累積する鬱憤、家族の秘密。
身体ばかり大きくなって心が成長しないGymは危いバランスで保っていた関係をついに壊してしまう…。
GMMのドラマですが、例の効果音はありません。Tumママは首の後ろのタトゥー、喫煙者、パンツスーツでバリバリ働く、タイのドラマでは珍しいタイプ。「私がなんとかするわ」が口癖の人に頼らないタイプで、息子とはうまく接することができず甥のDongとの関係のほうが良好に見えます。それはTaengも同じ。みんながお互いのことを思っているのに、愛情が少しずつかけ間違えたボタンのようにズレていき、結果として大切な人を傷つけてしまう。自分のほんとうにやりたいことと自己犠牲。思いやりがかえって相手のためにならない…。正しいあり方を模索する家族の物語です。
Gym役のTorの演技が素晴らしいです。国内外を問わず自閉症を病気だけど美化して描く作品も多いですが、Gymのキャラクターには説得力がある。自閉症の近親者がいらっしゃる方は違う感想かもしれませんが、純粋だが自己中心的で無神経で癇癪持ちのGymはとてもリアルに感じました。またDong役のSkyも年頃の少年らしい未熟で不安定な揺れ動く心情をよく表しています。バドミントンのシーンは迫力があり、本物のアスリートのよう。幼なじみのNoiを演じるBellはとても可愛く、優しさに満ち溢れていてとても爽やかで素敵なヒロインです。
ネタバレを避けるためにこれ以上書きませんが、スポーツを通じて成長し絆を深める家族の姿。タイのドラマの新しい一面を知りました。
補足:EP2で伏字になっているイケメン選手についてですが2020年に引退したバドミントンのスーパースター、中国の林丹(Rin Dan)選手のことのようです。
さて、音楽について。主人公のGymはバード・トンチャイが好き。楽しい気分のときはP’Birdの音楽を流しています。Gymのテーマとも言える「Ja Yim Hai Gun」(1987)、パーティーソングの「Fan Ja」(2003)、「Koo Kut」(1990)、そしてSyde by Side編のOST扱いの「Ruk Nahk Nan」(1998)。
いずれも10代のGymが聴くには古い曲ばかり。Numおじいちゃんか母親の影響でしょうか。
特にこの「Ja Yim Hai Gun」がお気に入りのようで、EP1、2、5でこのカラオケ動画を見ています。
เราจะยิ้ม ให้กันRow Ja Yim Hai Gun(笑顔を交わしあう) - Bird Thongchai
日本語歌詞はいつものThere’s something about BIRD Thongchai McInTyre รัก พี่เบิร์ดさんのHPを参照してください。こちらの6曲目です。
https://bird2501.jimdofree.com/song-86-99/1987-ร-บขว-ญว-นใหม/
ドラマバージョンのカラオケ風MVもあります。
EP4 勝利の後のパーティー会場となったサバーイコートで流れています。
おなじみフェーン・ジャー!
แฟนจ๋าFan Ja(ねえ、僕の恋人) - Bird Thongchai
歌詞はこちらの1曲目
https://bird2501.jimdofree.com/song-00-09/2002-ช-
EP5 NoiがDongに会いに行くシーンで流れます
อยู่ได้ไหมYu Dai Mai(いっしょにいられる?) (Ost. Side by Side พี่น้องลูกขนไก่ Project S The Series) - Lisa & Namwan
EP6移動中のDongがチームのみんなと歌っています。
我が道(Nung-Len Version) (Chee Wit Pen Kaung Row (Nung-Len Version)) (JP sub) - BODYSLAM
EP7 「P’Gymオープン」の会場で流れている
คู่กัดKoo Kut(喧嘩相手) - Bird Thongchai
歌詞はこちらの2曲目
https://bird2501.jimdofree.com/song-86-99/1990-%E0%B8%9A-%E0%B8%A1%E0%B9%80%E0%B8%A1%E0%B8%AD%E0%B9%81%E0%B8%A3%E0%B8%87/
EP7、EP8 Gymがシングルス挑戦を決意したシーン、エンディングテーマ
(MVはダイジェストになっているのでネタバレ注意!)
รักหนักแน่น(堅く確かな愛) (Ost. Side by Side พี่น้องลูกขนไก่ Project S The Series) - Bird Thongchai
バード・トンチャイの1998年のアルバム「Thongchai Service」からドラマのサントラに採用。クライマックス直前とエピソード全体のエンディングテーマとして使われています。歌詞の日本語訳は本編で字幕になっています。
「A Lover's Concerto」や「民衆の歌」を思わせるクラシックな曲調にP’Birdの爽やかで鼓舞するような歌声。短い歌詞の繰り返しなので覚えやすいです。P’Birdからの若者への応援歌のような、力の湧いてくるとても美しい歌です。
ネタバレ無しバージョン
MVではありませんが、当時の映像です。ドラマのネタバレは無いので安心して観てください。↓
コンサートの映像を見ると、ファンはみんなこの歌を歌えるようです。↓
Project S The Seriesのメインテーマ
Side by Sideのエンディングテーマ
ไปด้วยกัน Pai Duai Gan(一緒に行こう)Ost. Side by Side พี่น้องลูกขนไก่
- Golf
音楽も魅力的なこのドラマ。オリンピック前にスポーツものを見て爽やかな感動を!