危険物甲種試験 3ヵ月で1発合格するための勉強方法
10月3日、甲種 危険物取扱者試験を受けてきました。
化学系大学院卒で乙4の資格はあると会社にみなされ、今回初めての危険物試験が甲種という状況でした。大学卒業以来、実に7年ぶりのまともな勉強です。
10月21日、結果が通知され、無事合格していました。
試験科目の正答率の内訳は以下の通りになっております。
<あなたの正答率>
法令(60%)
物理・化学(60%)
性質・消火(65%)
甲種、乙種及び丙種危険物取扱者試験ともに、試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上の方を合格とします。 (試験科目の免除を受けた受験者についてはその科目を除く。) 支部別に合格者の受験番号を公示するとともに、受験者には郵便ハガキで合否の結果を直接通知します。
ギリギリやないかい。
しかしながら、通知結果は合格か不合格かの2択です。
その内訳は免状には関係ありません。結果オーライ。
というわけで、ギリギリ合格となりました私の勉強法を紹介します。
おおきく分けて4つです。
①参考書を1つに絞る【ハードルを下げる】
②YouTube Premiumに登録する【バックグラウンド再生とポモドーロ】
③書いて覚える【手続き記憶】
④一緒に勉強する人を募集する【ピアプレッシャー】
①参考書を1つに絞る
危険物安全協会から提供された公式の参考書テキストは、分厚く、内容も非常に詳細で難解で全く覚えられる気がしませんでした。
なによりも、「法令編」「実務編」「試験例題集」と、3冊もあるのです。
あまりにも膨大なそのタスク量に対し、受ける前から絶望を感じずにはいられませんでした。
やることが多すぎて無理だ、と感じているうちはまったく勉強が捗りませんでした。やってもやっても終わらない。
このままではマズい、自分を騙すくらいしないと落ちると思い、勉強する対象(参考書)を1つに絞りました。
使用した参考書はこれです。これだけです。
「わかりやすい! 甲種危険物取扱者試験 」
著:工藤 政孝
この参考書のいいところは、下記のとおりです。
・すべての範囲がこの1冊にコンパクトにまとまっているため、危険物甲種の膨大な試験範囲に対しての絶望感が和らぐ。
・ゴロ合わせが豊富で、無理やりにでも覚えられる。
・各科目ごとに問題が用意され、すぐアウトプットができる。
・大量の危険物の性質に対し、覚えやすい順番などのノウハウが書いてある。
正直、この本がなければ落ちていた確信があります。
とにもかくにも、「危険物甲種は範囲が広くて勉強するのが大変だ」という高いハードルを無理やり低くしてやることが大事でした。
テキストの内容はもちろんのこと、やる気を出すためにもこの1冊は大変役に立ちました。
②YouTube Premiumに登録する
次にやったことは、YoutubePremiumに登録したことです。
関係ないじゃないかと思われるでしょうが、間違いなく効果がありました。
Youtubeの一般的な使い方には2種類あります。
1つ目は、娯楽として、ヒマな時間を無料で無限にある動画を楽しむ。
2つ目は、目と耳から入れる情報として勉強のために使う。
勉強のためにYoutubeを使いました。
広告が邪魔だったこととバックグラウンド再生が必須なので、試験前の1か月限定でYouTubePremiremに加入しました。
使用目的は以下の2つ。
【1】「危険物 甲種」で検索、プレイリストを作成しスキマ時間で使用
【2】ポモドーロタイマーとして使用
作成した危険物プレイリストには、以下のチャンネルを使用させていただきました。
「けみちるちゃんねる」様
上記の参考書「わかりやすい! 甲種危険物取扱者試験 」をもとに、甲種危険物のすべての範囲について解説をされています。
また、「耳で覚える‼️甲種危険物取扱者講義」シリーズとして、通勤やスキマ時間に勉強するためのプレイリストまで用意されています。
やっていて思いましたが、耳から入れる情報があるとないとでは覚えやすさがずいぶん違います。
こちらのチャンネルは耳障りもよくかなりとっつきやすく、とりあえず聞いておくには最適です。
「Chemasters危険物取扱者チャンネル」様
上記のチャンネルと並行して、こちらのチャンネルも使用させていただきました。
内容はより専門的になり、集中して聞く必要は出てきますが、エピソード記憶として覚えるには最適なチャンネルです。
危険物の構造式や化学反応式も詳細に説明がされていますので、より理解を深めるためにも必須でした。
けみちるチャンネル様とは対照的に、Youtubeらしい編集(効果音)なども多少含まれますので、好みは分かれる部分かとは感じます。
そして、集中して勉強をし続けるために「ポモドーロタイマー」を使用しました。
ポモドーロ・テクニック(英: Pomodoro Technique、ポモドーロ法)とは、時間管理術のひとつ。 1980年代にイタリア人のフランチェスコ・シリロによって考案された。
このテクニックではタイマーを使用し、一般的には25分の作業と短い休息で作業時間と休息時間を分割する。 1セットを「ポモドーロ」と呼ぶ。これは、イタリア語で「トマト」を意味する言葉で、シリロが大学生時代にトマト型のキッチンタイマーを使用していたことにちなむ。
ネットの普及によって家の中でさえ様々な誘惑のある現代社会、集中をし続けるには、強靭な精神力が必要です。
残念ながら、私はその強靭な精神力を持ち合わせておりませんでしたので、ポモドーロ・テクニックを使用しました。
25分勉強しては、5分休憩。
5分間は漫画を読んでもLINEの返信でも何をしてもかまわないが、25分間は決してスマホに触ってはいけない。
たったこれだけですが、これが凄かった。
無限に勉強ができました。
気付けば3時間経っていたなんてこともあり、このテクニックの有効性に驚きました。
さて、これら有効な動画が多く存在するYoutubeというありがたい存在ですが、もちろん弊害もあります。
【1】広告
【2】関係ない動画
まず広告ですが、これが本当に邪魔です。
5秒で終わるものはまだいい。しかしわざわざクリックしないといけないタイプの広告、テメーはダメだ。
これではせっかくのポモドーロテクニックも効果が激減します。
そしてクリックのためにYoutubeの画面を見ること、これそのものにリスクが存在します。
関係ない動画の誘惑です。
Youtubeの使い方には2種類あります。
1つ目は、娯楽として、ヒマな時間を無料で無限にある動画を楽しむ。
2つ目は、目と耳から入れる情報として勉強のために使う。
上記のように、勉強のためのYoutubeの効果はもちろん素晴らしいものがあります。
しかしながら、娯楽としてのYoutubeの魅力もまた凄まじいのです。
毎秒魅力的な動画が更新され、次から次へとネットの海をサーフィンすることができます。気付けば夕方になっていた、なんてよくある話です。
このYoutubeの有効性と弊害、これをうまく活用できないかと悩んだ挙句の結論が、YoutubePremiremへの登録でした。
目的はハッキリしています。
広告カットとバックグラウンド再生です。
危険物プレイリストを聞き続けるためにも、広告カットは必須でした。
そして、画面をみることで誘惑のリスクがあるのなら、見なければいいじゃないかということでバックグラウンド再生を活用しました。
※ちなみにYouTube使用によるデータ容量に関しては、楽天モバイルの1年間無料期間だったので無視していました・・・
というわけで、諸刃の剣であるYouTube活用法によって、目と耳からの情報をスキマ時間にいれながら、書いて覚える勉強中はポモドーロタイマーを使用して勉強に励みました。
③書いて覚える
では実際にどのように勉強したのか、という話です。
3か月間シンプルに書いて覚えました。
30代を過ぎ、人の名前や数字の羅列を覚えられなくなったなあと感じていた日々でしたが、どうやら加齢のせいではありません。
学生時代に比べて、圧倒的に鉛筆をもってノートに書くという習慣が減っています。
目で見て、腕を動かす。
たったこれだけですが、腕を動かすことは、視覚や聴覚に比べてエネルギーを消費するので脳が活性化し、身体で覚える「手続き的記憶」にもなりやすいそうです。
見て聞いて覚えるだけに対して、圧倒的に時間はかかりますが、泥臭くともやり続ければ覚えることはできる。
年齢的にも無理かなあ、なんて思っていましたが、今回の合格は自分に対する自信にもつながりました。
やれば、できる。
④一緒に勉強する人を募集する
私には、大学院に進学した高校時代の3人の友人がいます。
彼らとは毎週日曜日、朝活と称して朝7時から3時間くらいのWebミーティングをDiscordでしています。
その中には、同様に危険物甲種を受ける友人もおり、彼が先に合格してしまったことで大変に焦りました。(住む地域が違うので試験日が異なった)
この時間を利用し、危険物の勉強を進めました。
一人で勉強するか、複数人で勉強するか、家で勉強するか、カフェで勉強するか、いろいろ悩むと思います。
「ピアプレッシャー効果」によって、勉強せざるを得ない環境に自らを置くことで、大変勉強が捗りました。
自分だけ遊んでいるわけにはいかなかったのです。
ピアプレッシャーは「peer(仲間)」と「pressure(圧力)」を組み合わせた言葉で、「同調圧力」を意味する言葉で、一緒に働くチームのメンバーや上司、同僚などの監視などから受ける圧力のことを指します。
まとめとスケジュールと後悔
以上が、合格までに行った勉強法です。
①参考書を1つに絞る【ハードルを下げる】
②YouTube Premiumに登録する【バックグラウンド再生とポモドーロ】
③書いて覚える【手続き記憶】
④一緒に勉強する人を募集する【ピアプレッシャー】
改めて振り返ると、ここまでしないと私は勉強しないのかと少し呆れました。
文明の利器や、心理学をフルに活用してようやく60%に達したのです。
学生時代はこれらがなかったことを思うと、すごい集中力だったのだなあと感じます。
ちなみに勉強のスケジュールですが、
5/27、5/31、6/7
甲種危険物取扱者養成講習
(範囲の広さに絶望して7月まで放置してしまう)
7月
「わかりやすい! 甲種危険物取扱者試験 」購入
参考書1週目 書いて覚える
(取り組みやすい物理・化学からやってしまう)
8月
参考書1週目 書いて覚える
(だらけて予定よりだいぶ遅れている、そろそろ焦りだす)
9月
YouTubePremiremに加入
過去問1回目、参考書2週目
過去問2回目
(試験日を10月23日と間違えていてめっちゃ焦る)
(過去問ではいい感じで、余裕そうだと侮る)
10月
試験当日
(過去問とかなり違ってめっちゃ焦る)
というふざけたスケジュールになっております。
真面目に6月からやっていればこんなギリギリにはなっておりません。
当日の試験は、過去問には出題されなかった範囲の問題が山盛りで正直終わったなと感じていました。
物理・化学に関しては、これまでの高校と大学の知識で何とかなるだろうと思いながらも、取り組みやすい部分だったので積極的に勉強してしまいました。
法令と性質・消火にもっと早くから取り組むべきだったのに。
覚えることが多いので、早めにやってゴロ合わせを体になじませておく必要がありました。
「指定数量なんて覚えたくない」と拒否していた部分はありましたが、やはり避けては通れなかった。出題されました。
出るとわかっているなら、やっておくべきです。それが苦手だったとしても。
やりたくないことから、早めにやっておけばよかった。
これが私の後悔です。
それ以外は上記の勉強法がうまくハマったなと感じています。
これから先、危険物甲種を受けられる方は多くいると思います。
当日の試験会場は、老若男女、幅広い年齢層が試験を受けていました。
自分は無理だと決してあきらめないで下さい。
やれば、できます。
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