本当にあったモンハンの怖い話「準備完了」
あれは、夏も終わりにさしかかった、肌寒い夜のことでした。
爛輝龍の皇金塊が欲しい。
そう言って、いつもの3人でマスターマムに出かけたんですね。
わたしと友人Aと友人B、アルバトリオンも倒して、プロハンとは言わずともそれなりの腕はある、そう自負はしていました。
3人でさあ、出かけようとしていたとき
ふと、知らないハンターさんがクエストに参加したんですね。
マスターランクは50ほどでした。
装備はガーディアン一式。
正直判断には困りました。
装備だけ見れば、不安なのですが
しかしマスターランク50。ストーリーはクリアしている。初期装備で駆け抜けて来たにしては高い。
友人Bは言いました。
「きっと2周目だよ」
なるほど、流行りの異世界転生者なわけか。
そうやって僕らは、見知らぬハンターさんに全幅の信頼を寄せ、クエストに出発しました。
以降はガーディアンさんと呼びましょう。
マスターマムタロトは、動きこそ鈍いものの
その巨体と攻撃力は侮れません。
まずは胸にクラッチして傷付けるわ!ぶっ飛ばしよろしくな!
多くのモンスターをともに倒してきた、わたし達のチームワークは抜群です。
《ガーディアンさんが力尽きました》
「え!?」「もう!?」
「やばいやばいこっちくる!」
《友人Aが力尽きました》
焦ってしまった私たちは、流されるようにクエスト失敗となりました。
ガーディアンさんには悪いことしたな、焦っちゃったね。
みたいなことを話しながらもういちどクエストを貼ると、再びガーディアンさんが参加してくれました。
今度こそ、2周目のガーディアンさんにいいとこみせよう。
私たちは気合いをいれて2戦目に望みました。
再びマムタロト。
戦いを進める中で、友人Aがおかしなことを叫びました。
「ガーディアンがいない」
そんなまさか、だってさっきまで隣に…
いません。遠く離れたキャンプにいます。
《友人Bが力尽きました》
《友人Aが力尽きました》
《わたしが力尽きました》
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それからしばらくの間、3人まで制限で2時間くらいクエストを回していました。
夜もふけてきたところで、友人Bは言いました。
B「ちょっとトイレいってくるわ!急いでクエストだけ貼っとくからよろしく!」
A「オッケー!おれもトイレいくわ!」
私「おれも!」
トイレから帰り、ボイスチャットのイヤホンをつけてクエスト待機画面を見ました
準備中
準備中
準備中
準備完了
鳥肌が立ちました。わたしは同時に叫びました
「おい大変だ!ガーディアンがガーディアンがガーディアンが…!」
友人Aと友人Bも同じようにガーディアン、ガーディアンと口走っています。
静かに、クエストを解消しました。
おしまい
ちなみに、このお話で一番怖いところは、
爛輝龍の皇金塊は
上位からしかでない
ということです。
恐ろしいですね。