アイスコーヒー

今日のことを忘れない！
ツアーをはじめて全通できた私が１番最初に抱い
た想いでした。このご時世のなかでも拡声器を携
えてパフォーマンスをしてくれたことが嬉しかっ
たし、両手を寄せて顔の下で揃えたポーズがかわ
いい『恋する図形』のふりふりダンスだったり、
この公演で「あまり良くない喰い合わせの2曲」
とお話されていたＢＰＭ２００を超える楽曲を、
本能を呼び覚ます圧巻の声量で歌い上げ、大変だ
とステージ上に倒れても何処か余力を感じてしま
うアーティストとしての進化を見せつけた千穐楽
になりましたね。
いつも同志に会えるのが嬉しくてライブが楽しい
って言ってくれる上坂さん、きっと沢山努力して
ツアーを成功に導いてくれたと考えると何ものに
も代え難い想いが込み上げてきます。その中でも
アンコールでのMCには泣きました。号泣です！
リアルな思いの丈を上坂さんならではのユーモア
がたっぷり詰まった言葉にのせて伝えてくれたこ
とが一生の宝物になりまし、好きなことを「好き
〜ッ」と言える場所を作って頂いたおかげだと思
うのです。そんな会話の中で「幾つになっても覚
えていて欲しい。みんなの生きる気力に」とお話
されていて、私は映画『リメンバー・ミー』で描
かれている、人間には死が２度やってくるという
ストーリーが脳裏に浮かびました。親族達が悔や
み肉体的死が訪れるのが１度目、現世の人々に忘
れられてしまうと死後の世界に留まることさえ許
されずに魂が消滅してしまうのが２度目の死。そ
んな風に考えてしまったので、自分が体験したこ
の幸せをいつまで覚えていられるか不安になりま
す。それはまるでアイスコーヒーに浮く氷の様に
きまぐれにグラス内に溶けだし、薄まるコーヒー
を眺めることしかできないことに似ていて。
しがない私は都合よく願うのです。現在の活動を
持続して欲しいと、叶うのならば生涯現役で活躍
して欲しいと、時の流れに抗い革命を起こして薄
まる記憶に原液を注いでください。期待していま
す。