アイラブユーから5000km
血がいきなり全部の指の先から出てきました。
まず両手の指から出血していることは目視で確認できたし、靴下が赤く染まっているから足の指からも血が出ていることが確認できた。
あまりのことに鼻血も出た。
こんなことが目の前で起こってるのだから、わけがわからなくなって狂っちゃうんじゃないか、と焦ったけど「人はビックリすると鼻血が出るのか」と鼻血に関して冷静な感想が頭に浮かんだのでホッとしました。
そして落ち着いて指からブーブー飛び出る血を見ていると
「あれ?」
「ええ?」
「なんで?」
「ホントに?」
「まさか!?」
「でもそうだ」
認めたくないけど感動がそこにはあった。
ブーブーがかっこよく感じる。
このまま放っておけば出血多量で死ぬかも。
でもそんなことより、それぞれの指から弧を描くように放たれる霧のような血にドラッギーなセクシーさを感じる。
足のほうも生で見てみようと思って、すでに血でベタベタの床の上で滑らないように寝転がりながら靴下を脱いだ。
やっぱり同じようにブーブー噴いてる。
ならば、と思い仰向けになり、両手両足を天井に向け、すべての指を思いっきり広げました。
4本の太い柱の先に生えている計20本のチューブから噴出する赤!赤!赤!
その光景に脳がトロリ。
「なんでこんなことになったんだろう」
一応は考えてみたけどわからない。
間違ってるかもしれないけれど、もし無理やり答えるなら「最近悔しいことが多かったから」かも。
ずっとずっと悔しかったから。
血の出てることは確かに怖いけれど、これまで積み重ねた悔しさの結果がこれなんだとすれば、もう自分的にOK。
そのあと、私は這いずりながらベランダに出た。
そして夜空にむかって血をかけてみた。
もうぼーっとしすぎて何がなんだかわからなくなっていたけれど夜空は確かに嫌がってる。
おわり
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