Javaに導かれて、エンジニアの世界へ。Web黎明期からシステムやアプリ開発に携わる彼が、MOTAにたどり着いた理由
MOTAで自己実現を目指し、共に働く人たちの秘めたる思いを、10の質問でつまびらかにする「中の人の物語」。
今回は2024年5月入社・システムdivに所属する坂本聡に聞く。
Introduction
大学院の博士課程を中退したあと、28歳でフリーターになるという予想外の経歴を持つ坂本。
そして一転、34歳でJavaと出会い、小さなベンチャー企業に就職してからは、システムエンジニアとしてのキャリアを着実に積み上げてきた。
働き方や職場を変えながら、あるときは「おーい、そっちはどうだ?」と大工の棟梁のようにチームをまとめ、またあるときは孤軍奮闘しながら巨大システムを大幅に刷新。そんな坂本が2024年5月にMOTAへ。
坂本の加入により、MOTAの歩みはどれだけ加速するだろうか?
坂本さんへの「10のQ&A」
1. 34歳でエンジニアを志したと伺いました。それ以前は何をしていましたか?
大学では数学を専攻し、20歳過ぎからはバンド活動も始めて、週末はライブ、平日は毎日10時間以上数学の理論を学び追究する生活をしていました。
大学卒業後も「可換環論」の研究を続けるために大学院に進学しましたが、28歳で博士課程を中退してからは、バンド活動と個人的な数学の研究、そして建設現場でガードマンのアルバイトを。要するにフリーターですね(笑)。
バンドはその後メンバーのいろいろな事情により、活動休止となりました。
2. ロックですね(笑)。エンジニアになろうと思ったきっかけは何だったのでしょう?
はい。これも何だか不思議な縁でして、当時私が通っていた東京・用賀の建設現場の近くに、現在のJavaを開発した日本法人のサン・マイクロシステムズ(現・日本オラクル)がありました。
おそらくこの会社の社員向けということで、駅ビルの地下にある書店にはIT本が充実していて、そこで目に止まったのが『やさしいJava入門』(池田成樹著、カットシステム)です。
それまでずっと、自分が追求する数学は概念に寄ったもので、コンピューターのアルゴリズム的手続きとは相容れないと思っていましたが、この本を読んで、Javaが概念から入るプログラミング言語であることが分かりました。
また、Javaが使用している「クラス」という概念は、自分がやってきた数学の概念とも齟齬がないことが分かりました。
「これなら仕事としてやってもいいかも」と思い始めたのはそこからです。そして34歳のとき、Java関連の小さなベンチャー企業に就職しました。
3. ベンチャー系の数社を経て、サイバーエージェントに参画された経緯を教えてください。
1社目を辞めた後、2社目ではガラケーの着メロや着うたサイトなどを制作。10名ほどのシステム部門のリーダーをやっていました。
そこには10年ほど在籍しましたが、途中会社が買収されたり、仕事に面白みをあまり感じなくなったりして、その反動からか、今度はかなり攻めたコンサルティングの会社に転職しました。
が、入って1週間というタイミングで、「会社の資金繰りがやばい」ことが判明。「おいおい、もっと早く言ってくれよ」と思いましたが仕方ないので、その会社の上司の指示通り、都内の会社に営業電話をかけまくり、業務委託という名の「出稼ぎ」に出ることになりました。
そのときたまたま出稼ぎに行った一社がサイバーエージェントで、その後独立してフリーランスになってからも、サイバーエージェントの仕事をしました。サイバーエージェントのメンバーは非常に優秀で、刺激的。実りの多い5年間でした。
4. 坂本さんはどのようなタイミング、どのような基準で「次に行こう」と転職を考えますか?
割とのんびりしている性格なので、常に社内外にアンテナを張り巡らせているわけではありません。それでも「今が外に出るタイミングだ」と決断するのは、直感です。
働いていれば「1年後、この働き方はない」とか「2年後、この会社自体がない」など、なんとなく分かります。これまで会社員、業務委託、フリーランスとさまざまな働き方を経験しましたが、振り返ってみれば全てベストなタイミングだったと思っています。
5. 坂本さんがMOTAに転職された理由は何でしょうか?
サイバーエージェントで働いていたとき、同じフロアにいた関根さん(現MOTA CTO)に誘われたからです。関根さんと一緒に仕事をしたのは2週間程度でしたが、飲み仲間としてグループで繋がっていました。
グループチャットで関根さんが投げかけた「Javaができる人を探してるんだけど、誰かいい人いないかな?」というようなコメントに「Javaよりむしろ、Springのフレームワークが重要だと思いますよ」と僕が返事を書きました。
そうしたら「坂本さんがうちに来るのはどうですか?」とお返事が。私としてもちょうど前職を辞めようと思っていたので、「タイミングがよかった」のだと思います。
その後、システムdivのメンバーとも話し、直感で「いいな」と思いましたし、MOTAで役に立てる自信もあったので、入社を決めました。
💭 システムdiv統括・関根に聞きました!
「坂本さんをMOTAに誘ったのは、なぜ?」
「彼の趣味の一つが自転車なんです。ただ乗るだけじゃなくて、自分で一から作ったりもしていると聞いて、「この人、めっちゃ熱いな」と思ったのが印象的でした。
そういう趣味に熱中できる人って、仕事にもこだわりを持って本気で向き合うことが多いですよね。坂本さんがMOTAに来てくれたら、きっとプロダクトをぐいぐい前に進めてくれるだろうと思って、お誘いしました!」
6. 「MOTAで役に立てる自信がある」。その根拠は何でしょう?
そうですね。私は今まで、長年改修されていない巨大な一枚岩システムから、ログイン機能や会員機能をごっそり引き剥がすような、いわば面倒くさくて泥臭い仕事をしてきました。
こういう仕事は前途ある若者ではなく、自分のような年長者が担うのがいいと思いますし、MOTAでも同じ観点でバックエンドを支えられると思っています。
会社ですからメンバーの入れ替わりも当然あるわけで、私としては常に内部がどうあるべきかを考えながら、「新しいメンバーが入ってきた時、ある程度の経験がある人なら2週間でなじめるくらいのシステムを作る」ことが重要だと思っています。
また、MOTA社内でも「Javaが重要」という話が度々出るのですが、私は「フレームワークとしてのSpringが重要」だと思っています。
Springのフレームワークは元々、重たくて複雑で使いにくいとされたJavaEEを踏まえ、オープンソースで作ったもので、私はこのフレームワークを人類の叡智の結晶だと思っています。
MOTAが必要としているフレームワークの機能は何なのか? それが明確に共有できれば、必ずしもJava×Springでなくてもいいと思います。言語にしても、Javaのようなコンパイル言語でもPythonのようなスクリプト言語でもどちらでもよく、大事なのはフレームワークの機能。
そう考えると、もちろん「必要があれば」ですが、言語の乗り換えもできるかもしれないと思っています。
7. 坂本さんは今、MOTAでどのような仕事をしていますか?
入社してすぐに着手したのは、中古車一括査定サービスである「MOTA車買取」のシステム変更です。
「MOTA車買取」では、大手の買取店から町の中古車屋さんまでさまざまなクライアントの中から、独自のシステムで査定金額上位3社を決め、結果をユーザーに知らせています。
このお知らせは従来申し込み翌日18時に行っていたのですが、それを申し込み後最短3時間で届くようにするというプロジェクトで、エンジニアを担当しました。
このプロジェクトは、言葉でいうのは簡単ですが、システム的にはかなり難易度の高いものです。大幅なシステム改修が必要でしたので、このタイミングでリスクも解消しようということになりました。
例えば、査定金額上位3社が決まって、1位と2位の情報をユーザーに送ったところで、次に送ったはずの3位の情報がユーザーに届かなかったらどうするか? メールが重複してユーザーに届くことになったらどうするのか? など、細かくリスクを洗い出し、障害に強いシステムを構築しました。
今は請求基盤を整えるべく大規模システムの移行を行いつつ、システム内の課題やチームの課題解消に取り組んでいます。
8. 坂本さんが在籍する、システムdivの特徴と雰囲気を教えてください。
全員分野は違えど何かに特化している人が多く、40歳オーバーの、経験を積んできたベテランが多いです。
私はバックエンドを作るエンジニアですが、ほかにはインフラに強い人、社内ネットワークの構築やセキュリティに強い人など、少数精鋭が集まっているチームです。
一方、経験の浅い若いメンバーも数名いますが、チーム内には彼らを受け入れる素地もあり、人を育てる環境が整っていると感じます。
雰囲気は民主的でいいですよ。意見が言いやすく自由なところも気に入っています。週に1回、10人程度のチーム共有会では各々が作ったものを発表したり、メンバーに伝えたいことを共有したりと、各自がごく短いプレゼンを行います。
こうした短時間のライトニングトークはプレゼン慣れしていない若手も参加しやすくていいと思っています。「そんなことも知らないの?」的な発言をする人もいないですから、疑問に思ったことを安心して聞くこともできます。
かつての職場を振り返ると、部ごとにマウントを取り合ってみたり、やたら規律を重視して高圧的な言葉を放ったりする人がいて「え?」と思うことがありました。
比べてMOTAは、自由闊達を好む自分の気質にも合っていますし、規模は100人を超えてもうベンチャーとは呼べませんが、社風はベンチャーだと思います。
9. システムdivでこんな人と一緒に働きたい、というイメージはありますか?
イメージ? ありません。どんな人でもいいです。
個人的には、飯よりシステム構築が好きなギークのような人でもいいですし、夜中集中して何か作って昼は寝ている、というような昼夜逆転の人でもいいです。でもそれじゃ会社が困りますね(笑)。
一緒に働く以上、技術に夢を持っている人がいいな。なぜなら、私は今も技術に夢を持っているから。
10. いいですね、夢。坂本さんが持っている夢とは、どんなことでしょう?
そうですね。せっかく今までエンジニアとして力をつけてきたのだから、何か結実させるという意味では、自分がやってきたことを世の中のために役立てたいです。
古い例ですが、2011年の東日本大震災のとき、「あそこにいけば水が飲めます」「この体育館で休憩できます」などのTwitter(現X)情報は多くの人の役に立ちました。僕もシステムを活かした社会貢献ができればいいなと思っています。
取材後記
仕事以外はずっと自転車のことを考えている、という坂本。コロナ禍直前の半月板損傷を乗り越え、2025年のゴールデンウィークには本格的なライドにも復帰予定とのこと。
「昔から模型などの制作に没頭するタイプの子どもでした。ずっと室内にこもって作業するインドア系の仕事をしていますから、趣味では意識的に体を動かそうと、18年前に自転車を始めました。でも蓋を開けてみれば、ホイールの組み立て作業などに没頭していて、結局趣味の半分はインドアですけどね」と笑う。
インタビューの時間切れになってしまったが、話を聞けば聞くほど、新たな面が垣間見える坂本の話を、もっと聞きたいと思った。
(24年11月15日取材/12月23日初出)
最後に:
一緒にチャレンジしてくれる仲間を募集しています!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。読んで下さったみなさんの中にMOTAで新たなチャレンジをしたいと思ってくださる方がいらっしゃると嬉しいです。
カジュアル面談・ご相談はいつでもウェルカムです!リクエストいただければ、今日登場したメンバーと気軽にカジュアル面談することも可能です。