『Sing in Sigh』創作ノート③ 他者と関わること、自分のなかの恥ずかしい自分と付き合うこと

本日いよいよ初日を迎える舞台「Sing in Sign」、おかげさまで初日の回は売り止めとのこと。明日の千秋楽を観劇&アフタートークする私も楽しみにしています。

本作では、耳の聞こえない方やLGBTの方など、一般にマイノリティとされる属性の人物を家族にもつ主人公を書いたのが、思えば私にとっては新鮮なことでした。
今までストレートプレイでは、わりとマイノリティ当事者の目線から作品を書くことが多かったのですが、家族という近い他者がマイノリティとされがちな側という設定になったことで、社会から「普通」でないというレッテルを貼られること、貼られがちな人間への反発や差別区別する気持ちなど、誰の心にもきっとあるであろう負の側面について、少し違う距離感から見つめられたと思います。

当事者でいると、自分が悪者になりにくい気がするのですが、マイノリティとの関わりをもつ人になった時に、「多数派に組みしていたい」「社会からはみ出したくない。はみ出してる人と同じと思われるのは困る」とか、顔の見えない世間だの空気だのに日和ったり忖度したりする、自分のなかの弱さとか狡さとかをどうしても意識します。自分はそんな人間じゃない、と言い切れたらよいのですが、恥ずかしながら、それがなかなか難しい。
ですが、相手が聾唖であるとかLGBTであるとかに限らず、他者と関わりをもつということは、多かれ少なかれ、自分のなかの、恥ずかしい自分と付き合うことでもあるかもしれない、と思います。

もっと若い頃は、気のあう相手との争いや間違いがない人間関係が理想だと思っていました。人は気のあう相手だけを愛するものだと思っていたし。

ですが、生きていると気があわなくても愛したい相手という存在がでてくるし、争っても間違えても関わりを続けていくことが理想なんだろうなと思います。

この作品を書きながら思ったことなどは、アフタートークでエスムさんとお話する予定です。
明日日曜の回はまだお席があるとのことですので、皆様のご来場をお待ちしております!

2020年2月15日~16日
劇団Camp
「Sing in Sign」
作:エスムラルダ  モスクワカヌ
演出:須名 梓
場所:天王寺オーバルシアター

日時:
2月15日(土)19:00
2月16日(日)13:00
2月16日(日)17:30
※受付開始は上演の30分前です。

情報保障
上映時、台詞に字幕がつきます。(手話部分の台詞には字幕がありません。)
受付にて、台本の貸出を行っております。

チケット:
一 般 :3000円
高校生以下:1500円
障がい者:1500円
介助者(障がい者1名につき1名まで):無料
※車椅子にてご来場の方は、予約フォームの「備考」欄にその旨お書きくださいませ。

ご予約→https://www.quartet-online.net/ticket/gekidancamp

出演:

渥美一稀、井坂日向子、江口智香子、ゴーゴー木村、西田夏樹、山根千尋、吉尾咲穂、西本鮎美

スタッフ:
イラスト:信長アキラ
手話指導:江口智香子

公演詳細→https://stage.corich.jp/stage_main/86178

お問い合わせ:
gekidancamp@gmail.com

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モスクワカヌ/mosukuwakanu
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