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結党100年 汚染魚発言で幕を閉じるか 日本共産党


前回の記事

──「汚染魚」問題を風化させず、村井あけみ氏と共産党の責任を追及し続けよう。日本共産党は「労働者階級の党」を名乗りながら働く人々を想像すらできない集団に成り果てた。結党101年の節目に、いっそのこと解党するのがよいのではないか。

汚染魚発言への声

 日本共産党は政府を批判して「国民の声聞かない強権政治」などと言う。では前回の記事「汚染魚で病気は共産党の公式見解なのか」に寄せられた声を紹介しよう。

 「『汚染魚』でバカにされたのは魚だけではない。地元の魚をいちばん食べている住民と福島県を『穢れ』扱いしておいて、ただで済むと思うな」
 「広島県の人が10年後に放射能の影響が出ると言っているのにはあきれる。『ピカの毒』と差別していたのは、共産党の村井あけみみたいな人だったのがよくわかった」
 「『汚染魚』はレッテル貼り。キモイとか臭いと言っていじめをしていた連中と変わらない」
 「暴言がひどい。車椅子の岸信夫さんの病気を馬鹿にしたり、大阪府知事の吉村洋文さんに『顔の中心部が緩んでいて、知性を感じない』と言う差別主義者」
 「共産党の仲間内で『汚染魚』と言っているのだろう。赤旗まつりで安倍首相の顔を叩いていた共産党だから納得」
 「『汚染水』と『汚染魚』で言っていることは同じだろ。消して逃げるなら、共産党は今日から『汚染水』と言うな」

 これらの声に耳を傾けて対応する気がないなら、共産党は「国民の声聞かないヘイト政党」ということになる。

前向きな提案を侮辱する共産党

 国や東電だけでなくIAEAによって厳重に管理や監視されているALPS処理水の放出を、「汚染水の放出」と位置付けている国家は中国と北朝鮮だけと言ってよい。このうち中国は「科学的根拠の一切ない」まま日本産の魚介類を全面輸入禁止にした。
 共産党の村井あけみ氏は、日本産の魚介類を食べようという呼びかけにどうぞ、もっとしっかり汚染魚を食べて、10年後の健康状態をお知らせください。]とX(旧ツイッター)で発言した
 福島県近海産だけでなく国産の行き場を失う魚介類を消費して、漁業関係者を支えるだけでなく、安全性に誇りを持とうという呼びかけと呼応する人々を村井氏は侮辱したのだ。
 さらに共産党関係者が、村井氏の「汚染魚」発言を応援している。たとえば川口市の市議ふじしまともこ氏にいたっては、処理水の害が「子どもの心身の上で病気となって現れてくる」とさえ発言している。さらに彼女は批判の声をあげる人々を「またキモいのに絡まれ」ると罵った。

投票の選択肢から消えた共産党

 共産党の中央委員会に地方の議員や党員から、村井氏発言を放置していては選挙が戦えなくなると苦情が寄せられていると聞いた。そういえばこの10年間、原発事故をめぐる共産党の態度にあきれはてて、同党の候補者に投票することがなくなった。
 投票行動が変化したのは筆者だけではない。同党は党員および支持者が高齢化するばかりで減少して、浮動票も集まらないため議席数がジリ貧になっている。
 共産党から説得力が消えて党勢が衰退している理由を、90年代のソ連崩壊、宮本路線の継承、経済音痴などにもとめて説明するまでもない。労働者階級の党とは名ばかりで言行不一致、敵対勢力には厳しいわりに身内には甘く、まったく自浄作用が働かないのにもかかわらず、清廉潔白なふりをしているのが共産党だ。これらがすべて「汚染魚」問題に凝縮されている。
 深代惇郎は天声人語に[役所や企業は、消費者や新聞が批判する。政治家には選挙がある。しかし、批判する新聞を批判する強力な社会的な仕組みはない。批判されない社会組織は、当事者がいかに善意を持っていても、独善と退廃の芽をはぐくむ。]と書いた。「政治には選挙がある」とされているが、このあたりまえが共産党には通用しない。
 共産党は世の中からあきれられて議席を減らしたものの馬耳東風を貫いた。しかも、内部から志位委員長や党中央委員会の方針を批判すれば党から除名される。したがって「独善と退廃」が濃縮されるのはとうぜんの成り行きだった。
 党の衰退は反共勢力が共産党を攻撃したからではない。このうえ汚染魚発言がダメ押しとなって、国民から「さらに、いらない党。さらに、いらない議員たち」とされた。
 「社民党があれだけ議席を減らしても、韓国の政党や活動家と組んで処理水放出問題では世界的に悪影響を与えた。共産党は組織票でまだまだ持ち堪えるだろう。考えるだけで憂鬱になる」と言う人までいる。

結党101年めの記念に解党するのがよい

 あれだけ「汚染水」と連呼していた共産党関係者が、村井氏の「汚染魚」発言への批判に怖気づくのはなかなか滑稽な風景だ。
 関係者や支持者のなかには、選挙の勝敗と関係なく村井氏の「汚染魚」発言を「そこまで言ってしまってはいけない」と批判する人々もいる。処理水を「汚染水」と強弁するのは寸止めだからよく、具体的に食品や食卓が連想される「汚染魚」は倫理的に許されないということらしい。これまた奇妙きわまりない感覚だが、いずれにしろ党員ならびに党中央は「ネトウヨだけが悪口を言っている」などとうそぶいていられなくなった。
 このためか共産党は、何らかの指示を村井氏と議員たちに出したようだ。また党の重責者と村井氏が面談する予定があるとも言われている。たしかに村井氏が9月7日の「汚染魚」発言を削除したり、反省文とは名ばかりのさらなる侮辱声明をブログに掲載する直前から、同党の議員たちの彼女を支持する発言や「汚染水」発言がぱたりと止んだ。
 だが喉元過ぎれば熱さを忘れるの例えどおり、村井氏は10日にX(ツイッター)への投稿を再開した。冒頭で紹介したふじしま氏も相変わらずの発言を再開させた。そして、日本共産党はいまだにコメントひとつ出していない。今回も外部からの批判には馬耳東風で、内部から批判が高まれば封殺する共産党らしい独善と退廃で乗り切るつもりではないのか。
 村井氏の「汚染魚」発言と、これをなかったことにしようとする共産党は、労働者階級の党どころか漁業、市場、加工、流通、飲食業で働く人々への影響すら想像できず、彼らを踏み潰して知らぬふりをする党に成り果てた。ここまで腐り果てたのなら、結党101年めの記念に解党したらどうだろう。
 党としての謝罪と贖罪ができない日本共産党は、消滅こそが同党最大の社会への貢献になるはずだ。


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加藤文宏
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