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本当に働いている感 〜体力〜

職人になってはじめの頃は
手元(てもと)と呼ばれる仕事をこなします。

手元の大まかな仕事内容としては
段取りや力仕事、掃除から雑用もろもろ
アシスタント的な仕事をします。

この頃に道具の名前から使い方、
材料の用途や配合について学ぶことになります。

ただ基本口下手な職人さんが多いので
こちらから積極的に聞かない限り

何をやってるのか
どうやってやるのか
何の為にこの作業が必要なのか等
さっぱり分かりませんでした。

道具の名前もはじめはちんぷんかんぷん
なまりが強いおじいちゃん職人さんだと
もはや異文化交流。

それでも現場にいる職人さんは
本当に体力ある人ばかり。

おじいちゃん職人さんでもひょいっと
25kgのセメント袋を担いで
階段を上り下りしても息も上がってません。
日々の積み重ねって本当にすごいですね。

私の職種はほとんど女性を見かけた事が
ありません。
なぜならそれ程に体力が重要になる仕事
だからです。
ゆえにとにかく体力の限界を毎日感じながら
燃え尽きる日々。

こんなに重いもの人生で持ったことない。
そんなものを永遠に運ぶことは
人生の中でそうそうない経験です。

腰を痛めないように、足を踏ん張って
持ち上げる事を何十回も繰り返す。
腿や腕が痙攣して汗が止まらず目に入る。
これが一日ずっとの日もあります。

そんな日の一日の終わりには
自分がベッドマットになったかのように
深く深く今まで味わったことのない
深い眠りに落ちていきます。

身体中の疲れをこんなに味わったら
誰だって『本当に働いた』と感じるはず。
ただこれ以上はもうムリかも‥と思ってたら
それを超える大変な仕事がやってくる。

言い訳する暇も愚痴を言う暇もない。

でも私の思う『本当に働いている感』は
実質的な労働時間の長さや体力仕事だけでは
ない気がする。
それはしんどいだけだったらもっと早くに
辞めてしまっていただろうし、
転職した事自体後悔しただろうと思う。

このしんどさと比例した喜びがある。
そのおかげで私は今も辞めずに職人でいれるんです。

『本当に働いている感』の喜びについて
次回は書いてみようと思います。


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