本当に働いてる感 〜時間〜
本当に働いてる感を味わったのは
後にも先にも職人になってからでした。
これは体力仕事だから単純に
そう感じるだけなのか‥
『真剣』という意味を本当に考えた時
真の剣で戦う時にはじめて本当にこの
言葉の意味を理解できると聞いて、
命の危険はないにしても(まれにある)
それ程に真剣にならないといけない時間が
多いことも影響してると思う。
私が長年働いていた会社は
毎年業績が良くなり
私が辞める頃は私の学歴や職歴では
雇ってもらえない会社になってました。
社長をはじめ上司や同僚もいい人が多く
待遇も良かったので辞める人はレアでした。
会社の規模が大きくなるにつれ売上や扱う
金額が身近に感じられなくなっていた頃
職人になりたい
そう言って長年勤めたオフィスワークを辞めて
職人になる決心をしました。
業種があまりに違い過ぎるので
カルチャーショックだらけでした。
それはまた別の機会に書くとして、
『本当に働いている感』の元となる
3つの要素について書いてみようと思います。
まずひとつ目に拘束時間の長さ。
職人の朝は早いのです。
なぜならその日の現場作業の段取りや
現場近くのコインパーキングを確保
しないと大量の荷物を現場に運ぶのが
とっても大変‥
そして何よりも渋滞にハマってしまうのだけは
避けたい‥
だから仕事開始時間より何時間も前から
現場近くでスタンバイ。
県をまたぐ現場では星がまだ出てる
真っ暗闇の時間に出発。
昔ラジオで大工の父親の娘が
うちの父は朝ごはんを食べないと言ってたけれど
それはきっとみんなの朝食時間には現場近くで
待機した車内で食べているのだと
私は想像する。
そして職人の一日はとても長い。
現場終了が5時であっても
その日の片付けやらゴミ捨てやら
翌日の現場の段取りやらをして
ようやく帰宅。
そして翌日まだ暗いうちに家を出る。
拘束時間の長さを考えた時、
まず職人業界における
『人工(にんく)』というシステムを
説明しておきます。
会社でいう残業代や有給というマインドを
ぶち壊してくる常識。
簡単に説明すると日給。
一日働いていくらもらえるか、
それは職人と言えども業種や経験、スキルで
かなり変わってきます。
職人は基本この人工システムで雇われてます。
なので業種によっては
ドアto ドアで12時間越えは
もはや当たり前の常識。
時給に換算すると‥
若い人が働く選択肢に入れるには
余程の熱意がないと続けられません。
でもスキルがあれば言葉通り
自分の腕で一般的な会社員よりも
稼いでる人もたくさんいます。
それでもやはり一般的に
こんな長い拘束時間で日々働くこと
=(イコール)本当に働いている感を
感じることのひとつには違いない‥。
そしてこの時間と共に強烈なのは‥
次回これについて書きたい。