
【次環境Tier1候補】⑫霊夢で新たな次元へ。 妖怪悪魔
みなさんどうもこんにちは。 先日の東方如何月のオープンルールの大会で三位になったもしゃです。
今回はもしゃが大会で使用し、4戦中全勝した新たな悪魔デッキ「妖怪悪魔」を解説していきます。
デッキレシピ
【妖怪悪魔】

動き方の解説
悪魔デッキとは?
まずは基本的なおさらいから入りましょう。
悪魔デッキとは、手札の人間札を捨てることで強力な効果を発揮する悪魔札とそのコストの人間札を主軸としたビートダウンデッキです。
その高い攻撃性能のおかげで、2021年に種族デッキとして登場して以来から環境の一線で活躍し続けています。
また、悪魔札だけでなく④慧音などの人間札の強化により⑫妹紅を採用した人間軸の悪魔デッキなども環境で結果を残しており、一つの種族デッキとは思えないほどの戦術のバリエーションが豊かなデッキタイプとなっています。
【妖怪悪魔】の最大の特徴
このデッキが「妖怪悪魔」と呼ばれるその所以はこの札にあります。

回避スペルで手札の妖怪札を捨てると、捨て札の⑨以下の人間札を回収することができる人間札の⑫霊夢です。

手札の②こいしを捨てて⑪以下の相手の攻撃を受けきりつつ、状況に応じて各種人間札を回収することができます。
手札に多くの人間札を必要とする⑪スカーレット姉妹のコストを捨て札から補充して、デッキの回転率をより高めることができます。
それだけでなく、自身が人間札なので④慧音によって自身を再び手札に加えることで自身の回避スペルを誘発する機会を増やすことができます。
以前までは④慧音の効果で捨て札の人間札を裏向きにしなければならず、より多くの人間札が捨て札にないと⑫霊夢のサイクルがうまく機能しませんでした。

そこで新弾「世界轉覆奇談」で登場した①アガサクリスQで捨て札の人間札が少ない状況でも低いリスクで使える強力なコンボになりました。
実際の盤面
序盤

初手から辺に⑪と⑫を置いて相手が辺に攻撃したらアドを作り出せるこの配置がおすすめです。
現環境では⑩リグルを初手から配置する人がかなり多いため、⑧マエリベリー・ハーンと⑪スカーレット姉妹で直接辺を殴って対策することができます。
現環境では悪魔やサグメといったデッキ以外で序盤から高数値で殴られることがほぼないので後手でもこの配置で今大会は戦っていました。
まさか後手で最初から捨て札の札を回収する札を配置することはないだろう…という相手の心理を逆手にとり、相手に⑫霊夢を踏ませることができるのもこの配置の強みです。
中盤

⑧札を使った後は、⑤レミリアや⑥くるみ&エリーなどの低数値悪魔札を使って確定撃破を狙いつつ、③小悪魔と⑫霊夢の回避スペルを誘発させて⑤⑥⑧を回収する動きを狙います。
相手の回避スペルには極力気をつけつつ、いざとなれば⑪スカーレット姉妹で弾幕攻撃を狙ったりして相手とのリソース差を離していきましょう。
終盤

終盤は⑩ぬえや手札の妖怪札を捨てて④魔理沙同様の相手の自機を移動させる効果を持つ人間札の⑨霊夢を利用し、確実にとどめを刺しにいきましょう。
リソース差がなければ、④慧音の効果を利用し耐久したりして相手の自滅を待つなどの柔軟なプレイングも求められます。
相手の残り数値からどの札を対策すればいいか推測して確実に詰めていきましょう。
テクニックで差をつけろ
このデッキは⑦レミリアと④慧音の効果をうまく利用することでとんでもないリソース回収を行うことができます。
このテクニックを知っているといないとでは、プレイングにかなり差が出るので覚えておくことをオススメします。
④慧音を裏向きにする。
このデッキにおいて④慧音は捨て札で表向きでなければ使えないからといって表向きにしておくのではなく、時には裏向きにすることで得られるメリットがあります。

③小悪魔の効果を発動した際に⑧⑨の人間札を捨てると、⑦レミリアの効果で人間札を回収するときに手札に必要のない④慧音を回収してしまうことがあります。
しかし、③小悪魔を伏せる際に適当な手札の人間札を伏せてから④慧音の効果で自身を裏向きにすることで③小悪魔の効果を発動した際に④慧音ではなく捨てた⑧⑨の人間札をそのまま回収することができます。
各種⑧⑨人間札は盤面で使っても強力なものばかりです。 このようなちょっとした工夫一つで重要な人間札を手札に抱えておくことができるのでやってみてください。
撃破された⑫霊夢を回収する方法
では、逆に④慧音を表向きのままにするメリットを紹介します。
例えば、⑫サグメのような確定撃破を多用するデッキと当たった際に⑫霊夢が直接撃破されてしまうことがあります。
本来であれば⑫霊夢を捨て札から回収するのはほぼ不可能です。 しかし、④慧音と⑦レミリアの効果をうまく利用することで回収することができてしまうんです。

1 : 捨て札に表向きの人間札が④慧音のみ(もしくは人間札一枚)の状況を作る。
2 : ⑫霊夢が相手の攻撃を受けた際に④慧音(人間札一枚)を回収し、撃破される。
3 : 返しのターンに⑤⑥悪魔札の代償で回収した④慧音を捨てる。
4 : ターン終了時に④慧音の効果を適当に発動して④慧音を裏向きにする。
5 : ⑦レミリア効果で捨て札の最小の数値の人間札が回収できるので⑫霊夢を回収する。
このようにすることで⑫霊夢の効果で④慧音を回収しているので実質1アドの状態で⑫霊夢を手札に戻すことができます。
つまり状況さえ整えておけば⑫霊夢は撃破されようが再び戻ってくるため、悪魔ミラーやサグメ対面でも⑫霊夢を使い回す立ち回りが可能になります。
もちろん、裏向きになった④慧音は①アガサで表向きにできるので問題なし。
これこそが、①アガサによって④慧音を運用しながら自身のサルベージが可能になった⑫霊夢です。
これまでの悪魔デッキとの差異
従来の④慧音を使用した悪魔デッキは数値の高い札を巧みに利用した攻撃力と防御力の高さが売りでしたが、⑩リグルや捨て札メタなどに対して弱いという弱点を拭いきれませんでした。
しかし、このデッキは⑧マエリベリー・ハーンや⑪スカーレット姉妹で⑩リグルを表向きにされる前に倒すというシンプルながら強い対策が可能であり、捨て札メタも①アガサである程度無力化できてしまいます。

また、⑨霊夢という従来の悪魔デッキには無かった安定したフィニッシュ手段が生まれたことで様々な環境デッキに対して柔軟に対応できるようになりました。
しかし、デッキ内に特殊能力が4枚もあって処理が複雑なだけでなく、捨て札の裏向き人間札の枚数をうまく調整できなければデッキが回りきりません。
そのため、使用難易度は如何月史上最高レベルとなっています。
大会で使用する際には、事前に練習して回し方を把握しておくことを推奨します。
環境デッキに対する立ち回り
サグメ系統(幽霊サグメ、妖怪サグメ)

相性:微有利
この対面において大事なのは、相手中央のスペルなしの撃破と相手の残っている回避スペルの把握です。

⑤レミリアで相手中央の札の内容を見て攻撃するか考えたり、⑤⑥⑧が撃破されてスペルなしを撃破できない状況になれば、⑪村沙や⑪わかさぎ姫といった高数値の回避スペルを狙って⑪スカーレット姉妹で攻撃したりなどして相手に回避スペルでアドを稼がせないように立ち回りましょう。
妖怪サグメでは⑦鈴瑚が採用されていない構築もあるので、中央スペルなしを⑤⑥⑧で撃破できたら⑫霊夢の弾幕攻撃を積極的に狙ってみるのもアリですね。
弾幕攻撃で早期決着ができなければ、終盤の⑨霊夢でフィニッシュできるかが大事になってきます。 ⑫霊夢などで相手の辺を開けるなどして⑨霊夢の射線を作って確実に勝ちにいきましょう。
魔界ワンショット、百々世リーサル

相性:有利
この対面では、相手の強力な⑫札を④慧音や⑤⑥⑧の攻撃スペルで牽制しながら立ち回りましょう。
魔界対面では、終盤の⑤青娥&芳香の自機移動効果で倒されないように④慧音で表向きの人間札を手札に戻すことを意識して立ち回ると安定して勝てると思います。
また、百々世対面でも⑫霊夢を中央に配置して百々世を攻撃できない場所に⑪スカーレット姉妹を配置できると百々世の対策をしながら永久に⑪で殴り続けることができます。
そうなると相手は⑫百々世でいつか殴らなければならなくなるので強みを発揮できずにリソース差がどんどん開いていくのです。
これらの対面は他のデッキに比べてリソース差を作りやすい分、それぞれの対策を怠ると負けかねないので気を付けて戦っていきましょう。
妹紅リザレクション系

相性
科学世紀,⑧紫自機対面:有利
霊夢文 :微有利
科学世紀や⑧紫自機相手なら、⑫霊夢を踏ませてリソース差を作って⑨霊夢で早期フィニッシュを狙います。
⑪霊夢文対面なら、⑤⑥⑧の確定撃破+⑫霊夢などの妹紅を確実に撃破できる札を2枚を終盤までに持てれば勝てると思います。
この対面で一番重要なことは、⑫妹紅をどうにか撃破できるかもしくはフィニッシュ手段の合計2枚を手札に保ったまま終盤に持ち込めるかどうかです。
逆に、⑫妹紅を早期に倒せてしまえばあとは怖いものなしです。 残った人間札や⑩ぬえで終盤を勝ち抜きましょう。
その他
相性:有利〜互角
付喪神、イニシエ、バカルテット、③霊夢自機、魔術師(⑦パチェ採用)、⑫レイマリ特殊勝利
互角〜微不利
天狗、魔術師(⑦魔理沙採用)、⑨残無GS、幽霊(萃夢想Re発売後)
不利
⑩リグルとそれを表向きにできる札or⑤紫苑
(踏まなきゃ勝てる。)
終わりに
新弾の強化を経て新たな次元に到達した【妖怪悪魔】。 今までの如何月には無かった複雑怪奇で高難易度のデッキですが、うまく回せるようになったときの環境への対応力は如何月史上最高レベルであると思っています。
皆さんもぜひ触ってみてください。