日本共産党の中でこれ以上続いてはいけないこと(上)
初出:仕事するマニアの日常 2023年7月30日
日本共産党内がガタガタに揺れている。
2023年初頭の松竹伸幸、鈴木元両氏の党中央批判とそれを理由にした除名の後、彼らに賛同しTwitterやFacebookで声を上げた、兵庫県南あわじ市の蛭子智彦議員の機関役員の罷免と除籍処分が発生した。
また2019年から党内でのハラスメント(パワハラ)を訴え続けている、大阪府富田林市の田平まゆみ議員(当時)と、ハラッサーである岡田ひでき議員(当時)について、2023年になって共産党内での不可解な動きがあった。「事件」としてもよい。
蛭子智彦議員の事案
蛭子智彦議員のTwitter
蛭子議員のfacebook
1月くらいから、松竹氏と鈴木氏への共感を口にしていた蛭子氏だったが、発言自体は温厚なものではあった。私と自衛隊に関する見解は異なるが、議員らしい理性ある対応を批判者に対して続けていた。
すると党中央を妄信するアカウント数名が蛭子氏に絡みつき「離党しろ」などの悪罵を投げつけていた。そのうちの一人に至っては、蛭子氏が(地元の偉人)大内兵衛を尊敬していると書いていることに難癖をつけ(1930年代の左翼間であった)講座派と労農派の論争で大内が労農派であったことを根拠に「共産党員にはふさわしくない」などの暴言を吐く始末であった。
こうした中で2月上旬、蛭子氏は共産党員としての「権利制限」という処分を受けた。それがそのまま3か月にわたり放置され、3月末に共産党南あわじ議員団の解消が決まった。解消を求めたのは蛭子氏。会議不参加の権利制限中では活動ができないとの判断のようである。
その後5月半ばに蛭子氏が支部長を務める、共産党の影響が強い「治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟」の役職を、党員からの強い反対により降りざるを得なくなった。ここで彼は共産党離党を決意する。そして離党届を出したが受け付けられず、6月初旬になって共産党の地方組織は蛭子氏の党機関の役職罷免という処分の後、共産党を除籍とした。議員辞職も求めたが、蛭子氏は拒否している。
これらの経過について共産党の小池晃書記局長は定例記者会見で以下の引用の通り発言している。
上記の経過の通り、事実は3月末の段階で、権利制限処分中のため同一会派での活動が困難になったため会派を解消したのであり、離党も度重なる党内での嫌がらせもあり、最終的には所属組織内の党員から市民団体の長を辞めさせられ、それが離党につながったのである。
会派解消については、治安維持法国賠同盟の支部長辞任についての蛭子氏の経過が参考になる。「国賠同盟で党員間で私への態度が3つに分かれて、現職党の議員と元職議員の2人が共産党に背く者は役員退任、同盟退会を主張した」と蛭子氏が記載している。同僚議員が拒否的反応をしたのだろう。どちらに責任があるかと言えば共産党側ではないか。
不可解なTwitter
不可解なことに、Twitterを見ると、5月後半の蛭子氏がまだ離党を言い出していない時期に、突如として党中央を支持する立場からのツイートが増え、蛭子氏に罵声を浴びせている。もちろん彼の支持者も多いので意見としては少数ではあったが。
それらのアカウントに「共産党員として恥ずかしいのでは」と批判する意見が書かれると「私は共産党員ではありません」という返事が返ってくる。
繰り返すがこれもまた不可解な点である。
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