チェーホフ国際演劇祭
さて、チェーホフ国際演劇祭とは?
それは、二年に一度モスクワで行われている劇場イベントです。確か、「モスクワシリーズ」と「世界シリーズ」が存在していますが、モスクワシリーズの方は詳しくありませんから、以下に世界シリーズの話ばっかりです。
世界シリーズとは、世界中からの集団は、モスクワでその上演しているのことです。初めて祭のこと知ったのは、たしかに、2015年でした。その年、静岡市のSPACも来て、「マハーバーラタ~ナラ王の冒険」を見せてくれました。顎を落とすほどの感心しました、その時。紙で作られたみたいな衣装と、伝統とイノベーションの混じり合いを観ながら、「まさに神話の人物が舞台に上がったみたい」と思っていました。8年経っても、目の前で生き生きしている、その記憶は。
同年、ニュルンベルク州立劇場もまた、素晴らしいプロコフィエフ氏のシンデレラを上演してくれました。ダンスはもちろん、照明も息を呑むほど面白かったです。例えば、シンデレラが生まれてくる・育つシーンは、短いエピソードが一つまた一つ、舞台のあちらこちら、別々の眩しい光線の中に訪れます。同じ服をしているダンサー達は、シンデレラの両親の初めて会った時、交際になった時、お母さんが死んだ時など、全部、序奏の内に表します。時間の流れはすごく伝わってきました。
というわけで、いつも楽しみに新しいチェーホフ祭を待っています。今年、三つの演劇に行けました。
1)ベトナムの水上人形劇
6月7日の話ですが、すごく面白かったです。
普通は舞台の上に特別な画面があって、あそこに字幕を読むことができますが、今回はありませんでした。でも、すごく分かりやすかったから、その方がいいと思います。面白い人形さんたちの踊りから目を離してテキストなんか読むのはもったいなかったです!
人形の動きはすごく細かくて的確です。あるシーンで、英雄か、あるいは王様が、巨大な亀の口から剣をもらいました!
2)中国の赵梁さんによる「幻茶謎經」
それは、妖精みたいな女の方と、その三人(百姓・貴族・坊主)の恋人の話です。
催眠に似ている作品です。幻は、幕が上がる前に始まります。集まってくる客人の間、あるいは、席の背の上を歩いていたのは、ダンサーの一人。
ありがたいことに、唐時代の衣装は、日本製の時代劇を観た経験のある人がだいたい分かります。でも、その他の象徴はどうでしょうか…分かって切らなかった部分もたくさんあった気がするにはしますが、とにかく美しかったです
3)南アフリカ共和国のグレゴリー・ヴヤニ・マコマによる「Cion: Requiem of Ravel's Bolero」
ラヴェル氏による「ボレロ」でしたが、楽器はほとんどありませんでした。背景音楽は引かれていなくて、歌われていましたからです。シーオンとは、ある本の主人公らしいです。シーオンは、泣き屋でいて、死んだ同胞の運命を嘆いてその話をします。
男声合唱はすごかったです。南アフリカ共和国の芸術を、始めて見ました。死についての話だったものの、その響きやエネルギーがすごく積極的だったことは、最初は驚きましたが、その後、「確かに、アメリカで訪れるアフリカ人の葬式も、意外と積極的なムードがしていたよね?」と思い出しました。
自分の住んでいる街で世界中の芸術が見られることが、すごく嬉しいです。演目?を作って、さまざまなアーティストを誘ってくれる人は、私たち観客の目に見えない者ですが、やはり感心せずを得ませんね…