続・少年会議
※この作品は「少年会議」の続編のようなものですが、前作を知らなくてもあまり支障はありません。まさかの続編爆誕。
─登場人物紹介
少年①:委員長タイプの少年。仕切りたがり。前作「少年会議」で御曹司属性になった。(演者男女可)
少年②:一匹狼で馴れ合いを好まず、口少ない少年だが、よく突っ込み役に回る。前作「少年会議」でヒーロー属性になった。(演者男女可)
少年③:ムードメーカー的な元気っこ少年。ポジティブ。良くも悪くも率直。前作「少年会議」でアイドル属性となり「スパイス☆ボンバーズ」のとある登場人物の基盤。(演者男女可)
少年④:僕っ子で大人しめでかわいい少年だが、前作「少年会議」で病弱かつ悪役属性になった。(演者男女可)
少年⑤:自称、中世的でミステリアスな少年。わりとよくしゃべる。前作「少年会議」で吸血鬼属性となり「慈愛」のとある登場人物の基盤(演者男女可)
【劇中あると盛り上がるもの】
上から勢いよくばしゃーんと落ちるような水の効果音
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少年①「突然ですが、新たな会議を発足します」
少年②「おいおいまじで突然だな」
少年④「どうしちゃったの少年①君」
少年⑤「まぁ少年①君の突然の会議発足は今に始まったことじゃないけどね〜」
少年③「こないだの会議だって突然だったもんな!」
少年①「どうもすいませんね!」
少年④「珍しく開き直ってる」
少年①「はい今回の議題発表します!!!」
少年⑤「わー力づくだなぁ」
少年③「無理やり少年①の流れに持ち込むつもりだぁ」
少年②「もう勝手にやってくれ…」
少年①「今回の議題はずばり!『続編は待望なのか』です!」
少年④「続編???(同時)」
少年⑤「続編???(同時)」
少年③「続編???(同時)」
少年②「なんでまたそんな議題…」
少年④「そもそも、続編ってなんの続編のこと言ってるの?」
少年⑤「確かに」
少年①「まぁそこは、一般的にということにしておいてください」
少年③「絶対特定の作品に対してな言い方じゃんか!」
少年④「珍しく少年③君が突っ込んだ」
少年⑤「君はいつもどこから議題の着想を得てるの?」
少年①「ノーコメントです」
少年③「なぁなぁそれってさー、俺が題材になった『スパ☆ボン』のことだったりする?」
少年⑤「いやいやそれをいうならこの僕が題材になった『慈愛』のことでしょう」
少年④「いいなぁ…僕まだ題材になったシナリオ持ってないよぉ」
少年②「あーほらまた少年④がネガティブになっちまってるじゃねぇか…」
少年①「そんなことを言ったら、私が題材のシナリオだってまだ産まれてませんよ!」
少年③「どっかの誰かの耳に痛い話してんな!」
少年⑤「はいはいメタ発言しない」
少年④「んー…一般論で言えば、待望されてるんじゃない?」
少年①「なぜそう思います?」
少年④「え?だって、続編ができるってことは、前作が好評だったから続編が出るんでしょ?好きな作品のお話が続くって、単純に嬉しいものじゃないの?」
少年②「そーでもねぇぞ」
少年⑤「お、珍しく少年②が意見してる」
少年②「うるせぇな」
少年①「まぁまぁ、ここは少年②君の気が変わらないうちに。(少年②に)意見をどうぞ」
少年②「前作が好評だったからこそ、ファンはそれ以上のものができるのか、否定的な思考が入っちまうもんなんだよ。または、前作で綺麗にオチがついてる話だとしたら、そこに続きがあっても、蛇足としか捉えられないとも言うかな。まぁ、その作品に愛があればあるほど、原点にして頂点と考える人は多いと思うぜ」
少年①「なるほど…」
少年④「そんなの、作ってみないとわかんないよ」
少年③「えー、こっちも珍しく反論するじゃん!」
少年④「好きなものはたくさんあったほうが嬉しいじゃん。それに、すでに作品がある状態なら、ある程度話がわかっている状態で次の物語を始められるわけだから、初めての作品にありがちな登場人物を紹介するような箇所を作らなくていいから、作ってる側は楽じゃんか」
少年②「そりゃ制作側の怠慢じゃねぇかよ!」
少年④「違うよぉ!その尺を別の場面や演出に使えれば、良作に貢献できる尺も増えて、前作が好きだった人も大喜びでウィンウィンじゃん!」
少年②「わかってねぇなぁ!好きな作品はな、一作だけで無限に擦っていけるんだよ!!余計な続編はいらねえんだよ!!」
少年⑤「はいはいストップストーップ!!二人とも一旦落ち着こうね」
少年①「なるほど、両意見も納得できる箇所はありますね」
少年③「お前ら、前回に引き続きキャラクター属性きっちり守っててえらいな!」
少年⑤「あれ、ほんとだ。君たち対立するの好きだねぇ〜」
少年①「…ん、あれ?ちょっと待ってください」
少年⑤「どうしたの?」
少年①「これ、そうだな」
少年②「あ?お前何言って…。(何かに気づき)…あ〜…」
少年④「まぁ、実は薄々気づいてたけどね」
少年①「このシナリオ自体が、続編ですね」
少年③「そうだな!」
少年⑤「続編って待望されるのかなぁ〜って言ってるこの場自体が続編って、超皮肉じゃん」
少年①「この話って、続編待望されてたんですかね…」
少年②「やめろ、ネガティブ持ってくんな」
少年⑤「ホント、いろんな切り口からメタ発言飛び出してくるよね。なんでもありだから居心地いいわ、ここ」
少年④「多分作者は意図してやってることじゃないと思う」
少年③「で、結論出たのか?」
少年①「…いや、まだ結論に至るまで議論してないでしょう」
少年⑤「この作品自体が続編である皮肉を抱えつつ、議論の続きやるの?」
少年①「当たり前ですよ。議論はある程度の回答が導き出されるまでやるものですから」
少年⑤「真面目だなぁ」
少年④「じゃあさ、ここからはせっかくだから、チーム分けして議論しようよ」
少年②「チーム分けだぁ?」
少年④「今回の議題の答えってさ、続編は待ち望まれてるか、そうでないかの二択しかないでしょ。だから肯定派と否定派で対立して議論できるなって」
少年①「なるほど、いいでしょう。では私は肯定派で」
少年⑤「えぇ?じゃあ僕、否定派?」
少年②「そもそも、肯定派と否定派ってきっちり分ける必要あんのか?それぞれの意見で分かれればいいし、そもそもきっちり分けるなら俺ら5人しかいないからあぶれるやつ出ちまうだろ」
少年③「俺、特に意見ないから審判やっていい?」
少年②「お前も自由だな!」
少年①「まぁ、たまには私以外の人が仕切ってもいいでしょう」
少年④「少年③君、仕切り役とかできるの?」
少年③「やってみねぇとわっかんねぇな!」
少年⑤「わー、超不安」
少年②「で、お前は否定派でいいのかよ。自分の意見でいけよ」
少年⑤「え?別に、否定派でいいよ?それに…」
少年②「…?なんだよ」
少年⑤「…君の方についたほうが、面白いかも(艶やかに笑い)」
少年①「あの〜、別の物語持ってこないでくれます?」
少年④「美味しい展開独占禁止だよ」
少年②「何言ってんだお前!」
少年③「なー早く討論してくれよ〜」
少年②「もうどいつもこいつも自由!」
少年①「では…」
─少年①、どこからか長机二つと椅子を人数分持ってくる
少年⑤「…何やってるの?」
少年①「え、こうゆうのって、机を向かい合わせて議論するものじゃないですか」
少年⑤「あー、形から入るタイプかぁ」
少年①「少年③君は、この机と机の間あたりにいてください(と、長机二つを向かい合わせた間に置いた椅子に誘導する)」
少年③「オッケー」
─その他の少年たちも各々の位置につく。向かって右側肯定派、左側否定派で席に座っている。
少年④「なんか、それっぽい感じになったね」
少年②「じゃあ、始めるか」
少年③「あ、なぁなぁ」
少年①「どうしました?」
少年③「普通に討論するのもつまんないからさ、ルール追加しない?」
少年⑤「いやいや、そこは普通に討論でいいでしょ、どこからの目線なのそれ」
少年④「例えば?」
少年②「おい、取り入れようとしてるぞ」
少年③「禁止ワードとか禁止動作をあらかじめ決めてさ、それやったら上から水かけられるとかにしようぜ!」
少年②「わー!バラエティの見過ぎ!!」
少年①「まぁ、彼の設定はアイドルですから」
少年②「そうゆうところだけきっちりしてんなよお前!」
少年⑤「えー、面白いじゃん、やろうよ」
少年②「お前は絶対そう言うと思った!」
少年④「え、でもそれってさ、禁止事項やったら、水かけられるの討論してる僕らだけなの…?」
少年①「え、それはちょっと…」
少年②「だよな、普通に討論でいいだろ」
少年③「…お前らだけに背負わせるわけねぇじゃん。俺ももちろん対象な!みんな一緒だぜ!!」
少年⑤「無駄にリーダーっぽいとこ出すじゃん」
少年②「あー、これ決定事項だな、まじか」
少年④「でもそんな大掛かりな仕掛け、どうやって用意するの?」
少年①「そこはまぁ、この空間の設定って、あってないようなものですから」
少年②「出たよ、あってないような設定っていえばどうにでもなるやつ」
少年①「では、今から禁止事項をやった人、水が上から落ちてきますからね、発言には注意してくださいね!」
少年②「あーやりずれぇよ!!」
少年④「ちょっと待って!!!!」
少年⑤「ん?」
少年④「その禁止事項って、誰が知ってるの…?」
─間
少年①「私は知りませんよ」
少年④「僕ももちろん、知らない」
少年②「俺が知るわけねぇだろ」
少年⑤「僕も知らな〜い」
少年③「俺も知らないな!」
少年①「お前はなんでだよ!!(同時)」
少年④「お前はなんでだよ!!(同時)」
少年②「お前はなんでだよ!!(同時)」
少年⑤「お前はなんでだよ!!(同時)」
─少年③以外の少年たちの頭上から滝のような水が落ちる
少年③「(水をかけられた少年たちを見ながら)…だって、俺も水かけられる対象だし」
少年①「どうしてくれるんですか、想像を超えた量の水が落ちてきましたが」
少年⑤「結構えげつない量だね、びっくりしたよ」
少年④「寒い……」
少年②「討論する前からこれかよ」
少年①「まぁとにかく、討論を始めますよ」
─少年①の上から滝のような水が落ちる
少年①「…私、何かしましたか?!」
少年⑤「まぁまぁ話進まないから」
少年④「ていうか、誰が水を操ってるの?!怖い」
少年②「これって、討論に参加しない少年③は水掛かるタイミングあんのか?ずるくね?」
少年③「そこは、俺仕様のルールが存在するんじゃね?わっかんねぇけど!」
─少年③の上から滝のような水が落ちる
少年③「ほらな!!」
少年④「いや全然ドヤるとこじゃないでしょ!」
─少年④の上から滝のような水が落ちる
少年④「なんで?!?!」
少年①「これはもう、討論どころじゃありませんね」
少年②「だから普通でいいって言ったのによぉ」
少年⑤「とにかく話を…」
少年③「あ、ちょっと待って、俺タオル取ってくるな!」
─少年⑤、少年③の上から滝のような水が落ちる
少年①「この調子だと、タオルで拭いてもまた大量の水が落ちてくるんでしょうね」
少年③「だめだなこれ!」
少年②「まじでお前がいうなよ!!!」
─少年②の上から滝のような水が落ちる
少年⑤「ドンマイ」
少年④「ねぇそろそろ討論しようよ…続編は歓迎されるの?されないの?」
少年⑤「あ、少年④ちゃんダークモード出てるねぇ、さすが悪役キャラ」
少年②「どう考えても駄作だろ!前作で終わらせておけばこんなにずぶ濡れになることもなかっただろが…!!」
少年①「ですが、続編が出たことによって、私たちの活躍の場が広がったのは単純にありがたいことですが。例えずぶ濡れになったとしても」
少年⑤「だーかーら、それって制作サイドのお気持ちでしょ?実際続編が出て、前作からプラスされたことってある?」
少年①「それは…。シナリオを手にとって下さった方だって、また私たちを演じる機会ができて嬉しいでしょうが!!」
少年③「めっちゃ力技〜!でも俺、そうゆうの嫌いじゃないぜ!」
少年⑤「ちょっと、少年③君は中立の立場じゃなかったの?」
少年④「少年③君はダークサイドに堕ちました」
少年②「だったら引っ張り上げるまでだろ」
少年④「君に少年③君が救えるの?ただの正義のヒーロー気取りの君が」
少年③「え、俺いつの間にか闇堕ちしてるの?」
─少年③の上から滝のような水が落ちる
少年①「今は大量の水から少年③君を救ってあげてください」
少年⑤「もうさ、結論はこのシナリオを見てくれてる人に委ねるとかで良くない?」
少年②「またそのパターンかよ」
─少年②の上から滝のような水が落ちる
少年①「もはや水が落ちてくることにも慣れてきましたよ」
少年②「風邪ひいたら少年③のせいだぞ」
少年④「僕たち風邪を引くって概念あるのかなぁ」
少年⑤「ということで、僕たちが水を被り続けている禁止事項はなんでしょーか!禁止行動、禁止ワードがそれぞれあって、討論してる側と司会は禁止行動と禁止ワードが異なるよ!このシナリオを使ってくれた皆、考えてみてね☆」
少年③「え〜もう主旨ずれてね?ま、たのしかったし、いっか!!」
─少年③の上から滝のような水が落ちる
【END】