聞きたい!
黒光るランディ
ひとりだけ泣いていた
こどもたちには夕飯が要る
「何やったんあれ?」
急にまったく隣に座って笑うこれが受け入れられなくなり
どうしてわたしは喋り始めたか
笑いはじめたかなど考えて
なんとなくそうしたのだとあきらめた
とかく逃げ出したくなって、あの4階のベランダにて雨晒しで光を放つ奇跡でも起こそうかと思ったが、でもここしかないのだとすでに知っていたから
あきらめた底をふみぬいて、深くもぐって
かんじるものを確かめることにした
そこで整えられた髪と赤くなった頬と、汗ばんだ襟とまくられた袖から、伸びかけたヒゲと緩んだ唇と、閉じかける目で星座を描いた!
ゆっくりと落ちてくる印象を
もっとあああればよかったのにと思わなかったと思うか?
最初に言いたかったことで
でなければ最後にいいたかったことは
同じ言葉なのに
見かける椅子の上
眠る鼻先
すれ違うバス停
放り投げた冗談
そんなところで分からなくなる
なめらかな肌からにおう熱で
本当にそんなことあるんだなどと相槌を打たれる弱音が染みついて
壊れそうなものは帰りの水たまりを踏んだ時に思い出された
あの人をここまで連れてきた靴を見落とした
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