ママイママイラ
全く根拠のない自信と同じくらい危険だと思われる理由なき罪悪感を抱く人々へ。木星への旅から帰ってきた私が赦しを与えましょう。
私は小さな存在ですが、ついさっき私には十万円ほど貯めている口座があるのを思い出した、という夢を見たので非常に機嫌がいいです。
木星へは、往復に必要な最低限の荷物で行ったので、カフェインの禁断症状がきつくて、ずっと頭が痛かったです。ずっと寝てました。みんなで旗振って送り出してくれたのにゴメン。でも地球に帰ってきて、近所のスーパーの自社ブランドエナドリを買って飲んだら、なぜか翼が生えたので、それであなたたちを赦してあげられますよ。
あなたたちの罪悪感の意味のなさと同じくらい私の赦しは無意味です。目を瞑り微笑を湛え、神(ベリー系)に授けられた翼で丸く包み込んで、あなたたちがもう外の世界を見なくていいようにしてあげるだけです。
私の体型から現実的に考えて、170cmくらいの身長の人まで包めると思います。翼は公園の鳩の匂いがします。
そうやって、夜のとばりをふらふらと彷徨うのですが、空に一等目立つものがあって、月です。眼鏡を初めてかけたのは高校一年生ぐらいのときだったのですが、それまでは夜空にぼんやりと月をみて、それ以外の星は見えなかったので、夜はずっと曇ってると思っていました。月もよく見ると、濃淡、周りの雲が細く流れていて綺麗でした。残そうと思ってカメラで撮ると、暗闇の電球みたいな無機質な写真になって、実物とは程遠くなってしまいました。その失敗を経て、ある日、どこに向かおうと何もない三叉路の街灯が、月を写した写真のように見えたのです。近づいてみると、もちろんそれは街灯なんですが、その陰に月の存在があると少し信じてしまうんですよね。だから、街灯は危ないです。人が沢山死にました。でも、じゃあ夜に生きる人間はどうしろというんですか?
A. 青い光に身をゆだねよ。