エアコンの冷媒ガスを自分で補充したよっていうお話
離島で暮らし始めたものだ。4ヶ月たった。
今回は、エアコンの冷媒ガスを自分で補充した話をしよう。
前回、エアコンの取付を失敗した話を書いた。
https://note.com/morynote/n/n655549aa40d4
この続きである。
エアコンの取付はエアコン本体や室外機が重いので力仕事な部分がある。
設置さえ終わった後は、力仕事はなくなる。
この後は、手順どおりにきっちり行う作業力が求められる。
この「手順どおりにきっちり行う作業力」ってのはお菓子づくりと同じである。
お菓子づくりは「手順どおりにきっちり行う作業力」がないとわりと失敗する。
料理の場合は、大さじ1のところを大さじ1.5とかだったりしても問題なかったりする。
けど、お菓子の場合は、けっこう致命的に完成しなかったりするのだ。
エアコンの冷媒ガスに関する手順はまさにそれ。
エアコン本体と室外とをつなぐ管があるんだけれど、この管の接続をきっちりしないと冷媒ガスが漏れてしまい、エアコンが冷やす能力を失ってしまう。
管の接続がきっちりできているかどうかは、石鹸水をつけたら、泡が出てきてわかったりする。
この作業をさぼってしまうとダメ。
たぶん大丈夫だろうって思ってて実はダメだったらアウト。
管の接続も、フレア加工というものをして、レンチでくるくるまわすんだけど、そのレンチのちから加減は、強すぎても弱すぎてもダメ。
なのでトルクレンチといって、力加減がきっちり調整できる道具があってこれなしでだいたいでやると漏れやすくなってしまう。
お菓子づくりで求められる「手順どおりにきっちり行う作業力」が必要なのだ。
さておき、冷媒ガスの補充には工具がいくつか必要だ。
マニホールドゲージといって管の中や、室外機の中の圧力を計測するものが必要。
真空ポンプといって管の中や室外機の中の空気と水分を除去する機械が必要。
これは真空にするのが目的ではなく、空気と水分といった余計なものを失くすのが目的。余計なものがあると冷却機能の邪魔をするようだ。
エアコンは冷媒ガスに圧力をかけて個体化(凝固)させたり逆に気体化(気化)させたりするわけで。
空気や水分はそのじゃまになるのだ。
このあたりモノタロウという通販サイトでの説明がとても参考になった。
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/air_purge/
水でもそうだけれど、気化するときに熱を奪う。
これがエアコンが冷える仕組みの原理だ。
冷媒ガスは3.7kgとかで売っている。
1万5千円とか。
室外機にはR32ってあって670グラムとあって、そんなにいらない。
機材も、真空ポンプとかマニホールドゲージとか普段は全然いらない。
買うとそれぞれ高い。合わせて2~3万円とかするだろう。
ということでレンタルがよい。
レンタルを調べるとネット上にいくつかある。(あまり見つからない)
そんな中ヤフオクを利用した。
ヤフオクでは6千円前後くらいからレンタルがある。
送料は往路も復路も落札者持ちになるので、片道2400円ほどなので合計1万千円くらいかかる。
全部購入するよりかは安くすむ。
1泊2日限定なので届いたらすぐに作業をする必要がある。
1日延滞ごとに2千円とか追加料金がかかる。
今回、夕方16時くらいに届く。
さっそく作業にはいる。
機材は一式ある。
私が失敗したのは、冷媒ガスが通る管と管の接続部分だ。
その接続部分を一度はずして、ナイログという名称の接着剤のようなものをつける。
買うと1400円するが、これもレンタルの中に含まれている。
実物をみると割と小さい。
レンタルの内容物にはいっていて良かった。
管と管の接続は、室外機からすぐの部分と、エアコン本体の近くの部分と2箇所ある。
管は2本あるので合計4箇所。
どの部分も外してナイログをつけてまたくっつけるだけでよいと思ったら、一箇所、フレア加工というラッパ状にしてある部分にゆがみあった。
これではナイログだけでは不安。
レンタル工具の中に管をフレア加工するものもあったので大丈夫。
まずは管を切断する。
管を切断する工具もあったんだけど初めて使うので思いっきり失敗した。
封入されている説明は思いっきりシンプルで使い方を思いっきり間違えた。
管をつぶしてしまった。
ネットで調べてみると、くるくる回して切断することがわかった。
なるほど。
そしたら成功した。
あとはネットで調べた動画の通り、バリをとったりフレア加工する工具でうまいこといった。
そして管を接続しなんとかうまくいった感じがする。
ようやくメインの作業。
マニホールドゲージを接続し、真空ポンプを接続。
手順に従い、真空ポンプをスイッチオン。
しかしこのとき、チャージバルブというものの開閉を間違えていた。
この画像だとどっちがOpenでどっちがCloseかわかるけど、私がつかったものには記載がなかった。
なのではじめはエアコンの管の中に接続されていない状態で真空ポンプを動かしていたことになる。
無駄な時間であった。
マニホールドゲージも接続を間違えていた。
右側が高圧側で左側が低圧側で低圧側に接続しなければいけなかった。
同封されていた説明書きの写真も左側が接続であった。
しかし同封の説明書きはわりと省略がいろいろある。
この製品(画像)の右にR32とある。
私がいれる冷媒ガスはR32だから右側に接続かと思って右側で接続していたのだ。
これがよくない。
このため真空ポンプでいくら空気を吸い出してもスイッチをきるとゲージの圧力を示すがもどってしまい、なんだかうまくいかなってなってた。
Youtubeの動画をみながら、いろいろやってみてた。真空ポンプの連続運転はよろしくないし、実際、けっこうな熱をもってきてたのでいったんおわりにした。
おわりにするとき、チャージバルブの開閉でプシューって音がして、あれ?真空になってるっぽいと思った。
明日の朝やったらうまくいくかも。
次の日。
朝に作業を開始する。
チャージバルブを再びとりつけて開閉を少し試すとやはりプシューって。
てことは、漏れてないかも。
とりあえずまた真空ポンプを接続して、マニフォールドゲージを正しく接続して真空引きを試す。
今回はうまくいった。
マニホールドゲージの圧力はマイナス側にふれていていい感じだ。
10分ほどやり、いったんすべてのバルブを閉じ、真空ポンプをはずし、かわりにR32ボンベとつなげる。
あれ?R32ボンベとマニホールドゲージをつなぐクダの中は空気が入るな。
ても、今回レンタルした機材だとそうせざるをえない。
接続するクダは2本しかついてないから。手順書にもそう書いてある。
仕方ない。
てのと、これくらいの空気が混ざっても問題ないということなのだろう。
デジタルスケール(体重計みたいなもん)もあって、R32ガスのボンベをのっけて重さをはかりながら、ボンベの栓を開放し、マニホールドゲージの栓も少しずつ開放する。
プシューって音を聞きながら、R32ガスがボンベから室外機へのほうへ流れるの確認する。
マニホールドゲージも圧力が高い方へとふれる。
ガスボンベからどんどんガスが流れる。
デジタルスケールで670グラムのところでピタッととめる。
そんで室外機の細い管をしめて、ポンプダウンするやり方でエアコンをスイッチオンしてガスを室外機へと封じ込める。
マニホールドゲージをみると圧力が下がっていく。
どんどん室外機へとガスが圧縮されているのだろう。
いい感じに圧力が下がったところで、マニホールドゲージなどを外した。
あとは室外機の細い管をあけて完了。
エアコンからの冷たい空気が出ている。
石鹸水を室外機の近くの管の接続部分と、本体からすぐの接続部分につけてみて漏れもでていない。
成功だ。
石鹸水をつけたところをふきふき。
断熱材のシートのようなものでまいてテープで固定。
なんやかんやもどして完了。
レンタル工具も一式もとにもどして、クロネコヤマトの営業所へいき返却のための発送。
長かったエアコン問題も無事に終わった。
かかったお金は今回の1万千円のみだが、ものすごい労力がかかった。
取付もブサイクな状態だし。
取り外しと取付を業者にたのめば、おそらく2万円~3万円程度かかったと思うけど、そっちのほうがよかっただろうなぁ。
素人でも30分でできるって説明はほんと無理でしょって思った。
素人じゃ少なくとも1時間~2時間くらいはかかるでしょう、と思う。
なんやかんやあるから。
そんなにスムーズできるのは素人じゃないと思うんだ。
ただ、「手順どおりにきっちり行う作業力」があれば誰でもできるとは思う。
時間はかかるけどね。
お菓子作りもレシピがあって、レシピどおりにやればできるわけで。
道具は必要。
道具なしでは無理。
工具なしでやってたらいろいろと計測ができなかったり目分量や感覚になって失敗の元になるわけで。
一式工具を揃えたら私も業者の見習いみたいにできるとは思うけど。
最後の手段、って感じかな。