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ローグライクハーフシナリオ 2024年振り返り
2024年に作成したローグライクハーフ(以下、RLH)のシナリオ4作について、当時の思いや振り返っての反省点を書いてみたいと思います。
1作目「深淵の井戸」
初めて作成した1作目のシナリオです。
テキスト形式ではなくWebアプリ形式で作成したのは、テキストやPDFで公開されていたRLHのシナリオをいくつか遊んだ際に、D66を振るたびに出来事を探すのが面倒に感じたことがきっかけです。ちょうどWebプログラミングの勉強をしたいと思っていたため、Vue.jsの勉強を兼ねてWebアプリ形式での実装を思いつきました。
本シナリオでは後半に特殊ルールでの仕掛けを用意しています。RLHではD66でランダムに発生するイベントを順番にこなしていきますが、それだけだとプレイヤーが受け身になりすぎるように感じていました。そこでプレイヤーの判断がシナリオの進行に干渉できる場面を増やしたいという思いから考えたアイデアです。ただRLHシナリオの型からは外れているため受け入れていただけるか不安でしたが、好意的なコメントを複数頂き、ほっとしています。
今見直してみると、記載が足りていなかったり粗が目立ちますが、初めて公開したシナリオということで思い入れのあるシナリオです。
2作目「混沌の爪と青玉の矛」
2作目です。
私はバーズテイルやマイトアンドマジックなどのレトロRPGの雰囲気が好きなのですが、昨今の親切なゲームになれてしまった身には不条理で単調なレトロゲームは楽しさよりも苦痛を感じてしまいがちでした。そのため、レトロゲームの雰囲気だけを手軽に味わえるようなシナリオを作ってみたいという思いがありました。このシナリオは、双方向型のゲームブックのような感覚で、レトロゲームの雰囲気を手軽に味わえるシナリオを目指して作成しました。
システム部分は1作目を流用して作成していますが、1作目以上にかなり複雑なフラグ管理を行っています。フラグ管理により進行を制御できるのはWebアプリのようなデジタル処理の利点ですが、それを多用しすぎるとアナログの良さが失われることが欠点だと感じています。デジタルとアナログのバランスが大事で、本作はややデジタルに寄りすぎてRLHらしさが薄くなってしまったのが反省点です。
RLHのルールを応用した双方向型のシナリオは、まだまだ発展の余地があると思うので、デジタルとアナログのバランスを旨く調整して、この路線でのシナリオもまた作ってみたいです。
3作目「月の雫」
3作目です。
前作がRLHらしくない内容だったため、基本に立ち戻りRLHらしいシンプルなシナリオをコンセプトに作成しました。舞台は前作までのオリジナル世界ではなく、RLH公式世界であるアランツァを舞台としています。シナリオ作成にあたり公式WikiやFT新聞のワールドガイドを読み漁ったのですが、それがアランツァ世界の魅力に気づくきっかけになりました。軍事国家ドラッツェンと周辺国の関係など、大陸南部の地政学をあれこれと妄想するのが楽しく、シナリオの舞台をナゴールに決めました。
シナリオの内容はシンプルかつコンパクトで内部でのフラグ管理も最小限にしており、難易度も低いため手軽に遊べるシナリオになったと思います。
4作目「腐った金貨」
4作目です。
前作と同じくアランツァのナゴールを舞台としたショートシナリオになっています。
当初はプロローグで登場した乞食を主人公にしたステルスゲーム的なシナリオとして書き始めたのですが、行動に制約が多くできることが少ない(乞食なので戦闘能力が無く戦えない)ため途中で断念し、通常の冒険者を主人公としたシナリオに変更しました。アイデア自体は悪くなかったと思うので、いつかリベンジしたいです。
前半はのんびりした雰囲気、後半は緊迫感と疾走感を感じられる事を意識して作成しました。ただ、後半部分はやや単調になってしまったので、もう一ひねりできると良かったかなと思っています。
本シナリオで登場したNPCは個人的に気に入ったため、以後のシナリオでも登場させてみたいです。
次のシナリオについて
現在、5作目となる次のシナリオを作成中です。
次作はD66シナリオで、3回の冒険で完結するボリュームの大きな内容になりそうです。
これまでと同じくWebアプリ形式での公開を考えていますが、これまでのシナリオよりもアナログに寄せた形式にする予定です。
本記事執筆時点では、まだシナリオの骨格を組み立てている段階なので、公開できるのはまだ先になります。のんびりとお待ちいただけると幸いです。
最後に、拙作シナリオを遊んでいただいた皆様と、RLHという素晴らしいシステムを公開いただいたFT書房様に改めてお礼申し上げます。ありがとうございます。2025年もよろしくお願いいたします。